あの龍一君と僕との間の距離は、
10m。
しかし、あまりしゃべらない男だ。
少なくとも今夜はそうだった。
原稿用紙1枚分もしゃべらなかったのではないか。
最後の拍手に対しても、「ありがとう」の一言もいわず、
ただ、頭を下げて、お辞儀をしていた。
あの辺が、変というか、
魅力ある点というか、
いかにも東洋の、
日本の、
そして、世界の龍一君らしさという線が
濃厚に出ていてよかった。
ピアノの音ってあんなに美しかったか。
文字通り、珠玉の響きだった。
しかし、
あんな大きなピアノを2台も
全国の会場に持ち運んで演奏するのは大変なこっちゃ。
ヴァイオリニストなどは、
その点、手にぶら下げて運べるから経費もかからない。
(しかし、ヴァイオリンは小さくても、
楽器自体が何億だから、
結果的には、逆に、高くつくか)
ま、この世に楽な商売はない、と考えたほうがいい。
龍一君がしゃべったことの一つは、
自分は飽き性だということ。
舞台で演奏していても、
飽きてくるそうだ。
いや、
確かに飽きるよ。
聴いてるほうも。
今夜はつくづく感じた、
龍一君のピアノ曲は、
聴いていると飽きる、と。
ある曲などは、
最初から最後まで、
まったく同じフレーズの繰り返しと言ってもいいくらいだった。
いやあ、ありゃ参ったね。
ありゃ、どうも観客の耳をいじめて楽しんでいるのではないか。
サディズムの傾向を持っているのではないか。
もうちょっと聴き飽きない音楽を作ってもらいたいものだ。
ま、客席で聴くのは、
僕は今夜が最初で最後だからいいけどね。
いずれにしても、
君はピアノで頑張れ、
僕はテニスで頑張る。
最新の画像もっと見る
最近の「四方山話」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事