岐阜多治見テニス練習会 Ⅱ

菱形と楕円との混在を探して 27



 木枯らしに吹かれて帰宅すると、
 東側の壁に黒っぽい籠が置いてある。
 誰かの手製か。
 たまたまその手前に座っていた古女房に、
 「誰が作ったんだ?買ったのか?」と尋ねると、
 なぜか素直に返答しない。
 幾度か尋ねると、知人が作ったという。
 材料費程度は払ったと白状した。
 いつから置いてあったのか。
 まったく記憶にない。
 また、古女房に尋ねると、
 去年の夏から夏だけ使っているという。
 知らぬは亭主ばかりなりか。
 しかし、こんな身近に探していた「混在」があったとは驚きだ。
 
 きょう、この籠からひらめいたことは、
 「菱形は楕円を引き立たせる」ということだ。
 菱形と楕円との混在は、
 この例のように花模様になるか、
 僕が初めの頃試みたように人の姿になりやすい。
 こういう段階の混在模様(何かの形を象るもの)では、
 しかし、僕の心の中の何かがまだ満足しない。
 いよいよ自分自身が創り出さねばならないか。
 何かの形を心地よく象るだけではなく、・・・、
 いや、
 この先の道を自らの手で切り開く前には何も言葉では語るまい。
 予見できない模様を創り出すのだ。
 言葉よりも感覚と偶然に身を委ねたほうが良さそうだ。
  
   
 
 
  

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