講談社ビーシー発行の「はじめてのはたらくくるま」。幼児向けの写真絵本で、いろいろな車が図鑑のように紹介されている。
その中に、6ページにわたって、戦車、戦闘機、戦艦などが紹介されている。
軍隊の乗り物がはたらくくるま、なのか。
とうとう来たか、の感あり。
先日、子どもの本九条の会の丘修三さんたちと、講談社ビーシーに説明を聞きに行ってきた。
ここに行かずして何が九条の会か、と思って杖を突きつつ出かけたが、予想通り、こういうことになると途端に腰が引ける人も多い。
先方の説明は、他社の同類本との差別化を図るため、他にない乗り物を掲載した、といった。
「政治的意図はありません」、と。
つまり、売り上げをあげるための手段だと開き直ったわけだ。
子どもの本は子供の成長や未来や子どもの文化に責任持たないといけない。
編集者としての認識の希薄さに呆れた。
さらに、政府が、18歳の子どもたちの名簿を自衛隊に提供するよう、自治体に圧力をかけているらしい。
入隊年齢に達した18歳の人たちの名簿を、これまでも閲覧は可能だったのだが、「提出に応じない自治体が6割もある」と安倍総理が発言したらしい。
それに対する反対運動が各地で始まっている。
「教育子育て九条の会」は閲覧と自治体自らの提供は全く別の意味だと、アピールを発表した。
新聞やマスコミが騒がないのが不思議なほど大変なことだと思うが、報道陣もいざとなると腰が引けるらしい。
道徳教科書に作品を掲載したいといわれた時、毅然とした態度が取れるのか。
戦車の絵を描いてほしいといわれた時、きちんと拒否できるのか。
創作者の信念を問われる時代がひたひたと近づいている。
(画像は講談社ビーシーホームページより)