一口馬主を長いことやっていますと、重賞レースを勝つなど嬉しいこともある一方で、一つも勝てず未勝利引退となる残念な結果にもしばしば遭遇します。
そして未勝利引退にも様々ありまして怪我や疾病で思うように使えない場合もあれば、勝利にあと一歩の成績を収めながらも勝ちきれないまま無念の抹消もあったりします。
いずれにせよ何かしら魅力を感じて縁があって出資が叶った馬ですから、どんな成績でも少なからず愛着はあるもの。感情的にはそうなのだけれども、やっぱり上手くいかなかったガッカリさに起因して出資したことを悔いるケースもままあるんですよね。
今月は出走馬が少なめなので、何回かに分けていわば黒歴史化している元愛馬たちにスポットを当てて、この悔しさがその先に糧になったのかどうかの検証を含めて書いてみようと思っています。
まずは私の中でも黒歴史中の黒歴史(笑)、キャロット入会3年目の2017年産の3頭です。
サンテルノ(最優先)
牡馬 栗東・池添学厩舎

父ハーツクライ、母フォンタネリーチェ 8戦0勝
タイダルフォース
牡馬 美浦・中舘厩舎

父ブラックタイド、母スルーレート 2戦0勝
フラムエトワール
牝馬 美浦・小西厩舎

父パイロ、母メガクライト 不出走
一つ前の世代で最優先で出資したカテドラルが2歳7月に中京の新馬戦を快勝したことで気を良くしていた私は二匹目のドジョウを狙って好馬体に見えたサンテルノに最優先を使いました。ちなみにこのとき最優先をどちらにするか悩んで止めた方の馬はフェルミスフィア(4勝)でした。
この頃は年に3頭ほど取りたいなと考えていて、前述のフェルミスフィアは一般で落ちたものの、タイダルフォースとフラムエトワールが無風で取れて目論見どおりの出資でした。
予算の兼ね合いもあって、高価格帯のサンテルノ(12.5万)に中間価格のタイダルフォース(6万)、低価格帯のフラムエトワール(3.5万)という組み合わせも狙いどおり。なので相当な自信と期待をもって臨んだ世代だったのですけど...
結果は3頭とも未勝利。しかもフラムエトワールは怪我でデビューすら叶わず、タイダルフォースは能失保険が適用されるほどの酷い喉鳴りで2戦して2回ともにタイムオーバーという惨状でありました。
凄いのはこの2頭が引退した時期が3歳3月という早さで、何の因果か引退日が一緒。少ない頭数でやり繰りしていた時分ですから、同じ日に2頭の引退レポートを読む羽目になったあの喪失感とやるせない気持ちはまさに黒歴史そのものです。
そして残ったサンテルノもデビュー戦の3着が最高着順で、それを除くと最も良かった着順が7着。芝でもダートでも一本調子の走りでギアが上がらない、だからといってテンに行けるスピードもない。はっきり言って能力的に足りない馬でした。
まあ、それぞれに走れない理由がありまして、サンテルノは2歳時に軽くはない飛節後腫をやらかしていてトモの踏ん張りが利かなくなったみたい。タイダルフォースは重度の喉鳴り、フラムエトワールは天栄でトモを酷く傷めてしまって15-15で再発するほど。怪我や疾病がなければ...と言い訳じみた恨み節が当時は出たものです。ただ、それがなくても勝ち上がってたかは微妙なラインだったようにも思っています。
そもそもサンテルノはハーツクライ産駒にしては上体が勝ち過ぎていたから軽さよりもパワータイプなんだろうし、タイダルフォースとフラムエトワールは厩舎と血統から踏まえても有望な馬が回っていたとは考えにくい。それでも育成中のコメントも決して悪くなく早期に入厩していたフラムエトワールは無事だったらな...と悔やまれますが。
あと印象に残っているのはタイダルフォースの前肢の出の悪さ。募集時の歩き動画では気づけなかったんですけど、騎乗調教の動画を見たときにビックリするくらいに前が出て行かなかったんですよね。端的に言えば硬い馬なのですが、人が乗ってあれだけ前が出ないのは前捌きの硬さだけでなく背中や腰の筋肉の強さやバランスの悪さがあったはずで、見る人が見れば喉うんぬん以前に募集時動画で即切りできたのだと思っています。
このように馬選びも失敗なところに喉鳴りやら怪我やらの不運も重なって、結果的に勝ち上がりゼロのお寒い世代となってしまったのでありました。
最後に、これからの募集に繋げた反省点を記しておきます。
サンテルノ→血統と馬体のイメージにズレがある馬は疑ってかかるべし。ハーツ産駒はスピードに欠くのと後肢が弱いことを常に頭に入れておくべし。
タイダルフォース→クラブと繋がりの浅い厩舎は初期不良をあてがわれるリスクがあるので避けるべし。募集時の動画は繰り返しチェックすべし。
フラムエトワール→成績が芳しくない厩舎には課題のある(本馬は気性が難しい)馬が預託されやすいので注意すべし。うるさい馬を出しやすい種牡馬の牝馬産駒には注意すべし。
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