小学校に続き、中学校でも来年から始まる道徳の教科化に伴う教科書の選定に先立ち、一部図書館や中学校など市内数か所で道徳の教科書の展示が行われていました。あす7月4日までの期限ギリギリになりましたが、地元青山台中に見に行きました。
道徳を否定するものではありませんが、それを国が検定した教科書を使って教え、評価することは、特定の道徳観にこどもたちを誘導する危険があり、わたしは反対です。
全部に目を通す時間がなかったので、この間、関連記事など読み、気になっていた「自己評価表」がどのように掲載されているか、この点にポイントをしぼりました。
道徳は教師による数値評価でなく文書評価とされています。さすがに教師が内心を数値で評価するのは無理だということでしょう。そこで、文書評価の参考に、ということでしょうか、教科書巻末にさまざまな自己評価表がおまけのようについているというのです。教科書に評価させるものとも言われています。
展示されていた8社のうち、4社が巻末やノートに自己評価のページを設けていました。日本教科書社は「中学生で身につけたい22の心」について、1レベルの「意味はわかるけれど大切さを感じない」から「大切さや意味は理解していて、多くの場面で態度や行動にできている」の4レベルまで、自分を4段階評価するようになっています。
「自分で考え判断し行動し、責任をしっかり持つ心」や「法やきまりの意義を理解して、それらを守ろうとする心」「郷土を愛し、地域の一員として郷土の発展に努めようとする心」「国を愛し、伝統や文化を受け継ぎ、国を発展させようとする心」「弱さを克服して、誇りを持ってよりよく生きようとする心」などなどです。心・・と表現されているのも、日本教科書社の特徴です。みなさんは、これらの項目にどんな自己評価をなさるでしょうか。
教材にさまざまなショートストーリーが使われています。それらのうけとめは十人十色、その違いを交換し、認め合う、その過程の中で自分の心と向き合い、個性を磨き、社会の中でどう生きるか、他者とどのような関係をつくるのか、探りさぐり私たちおとなだって生きているのではないでしょうか。それを他者に評価などされたくはありません。
自分で考えよう、話し合って深めようといいながら、特定の考え方に誘導することなどあってはならないことです。7月末には教科書を最終決定する教育委員会会議が開かれ、傍聴もできます。会場、日時は決まり次第吹田市のホームページに掲載されます。
小学校では、すでに今年度から教科化が始まっています。まもなく学期末、どんな評価をしようか、先生方のご苦労を察します。この問題について、みなさまのご意見も、ぜひお聞かせください。