赤い砂漠
ジャンル:人間
first up 2003/11/29 20:52
ストーリー
ある交通事故がきっかけでノイローゼになり、常に不安につきまとわれる妻の話
この映画にいくら出せますか? 1500円~~2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
コメント
これも伊映画 Il Deserto Rosso。またまたアントニオーニ。初めてのカラー作品で1964年のものです。いよいよ、愛の不毛は、人間関係の不毛にまで広がったようで、不安で不安で、不安から逃れられない女性が、結婚生活に、子どもに、そして優しい愛人にも、救いを求められない話です。
とくに最後のところで、愛人が差し伸べる救いの手さえも振り払ってしまうところが、歯がゆくも痛々しいです。やるせないというか。。。主人公の女性は事故がきっかけで心を病んでしまったのですが、子どもにさえも裏切られると感じるあたりは、「不安から助けてほしい」と誰かに救われることを思いながら、「誰かを助けることで自分も助かりたい」という深層心理が伝わるような気がします。けれども、すぐそこに差し伸べられた救いの手に、手を伸ばせない女性の話です。不安は循環していきます。
ところで、なんで赤い砂漠なんだろう?主人公は最初のシーンで、たしか緑のコートを着ています。最初のカラー作品なので色あわせしたのでしょうか。。。たぶん、赤といい、砂漠といい、なにか精神的な状況を暗示したタイトルなのだったかなぁ。最近、深読みしがちだから気になります。
この作品も随分前に見たので、記憶をたよりに書いています。またで申し訳ないのですが、モニカ・ヴィッティ演じる不安な妻がはいている靴が、とても綺麗な形状をしていて、またもや目が釘付け。ハイヒールの形が、フランスのコケティッシュな柔かい曲線のものとは違います。
先にupした「エヴァの匂い」でもジャンヌ・モローの足元が映るところがありますが、あれはフランスの曲線。「赤い砂漠」でも「夜」でも、モニカはイタリアの硬質な印象の美しいラインの靴をはいていて、欲しいなぁと思った記憶があります。
(2003/11/29 20:52 原文のまま)
2008.9.4 secondary up