「FNS ALLSTARS あっつい25時間テレビ」の感想。第6回は、エンディングの感想と全体の総評。
■「エンディング」
・山中アナがゴール。彼が異動されようがアナウンス部に残ろうがどっちでもいい。大人気のアナウンサーってわけじゃないし、面白がっているのはフジテレビだけではないのか。おまけに時間内で悠々とゴールして、「愛している人は」という質問に答えたら異動撤回というハードルの低さはどういうことか。確かにあの年齢で走るのは大変だったろうが、これでは感動などできないし、パロディとしても成立していない。単なる社内行事だ。
・恒例の新人アナウンサーによる提供コールに、山中アナの温情として青木さやかが参加。もしさんまや紳助、ダウンタウンが司会だったら、フジテレビはこんな失礼なことは絶対にしないだろうから、青木さやかもとことんナメられたものだ。まあ自業自得か。テレビを見ていた多くの芸人は、新人アナ扱いされ嬉々として提供を読み上げる青木をどう思うだろう。これまで青木のはしゃぎっぷりを半ば呆れつつ批判してきたが、一番危惧していた結末を迎えた。
・笑福亭鶴瓶の演説。ライブドア騒動を踏まえ、みんな面白いものを作ろうと一所懸命がんばっているんだと主張をするけど、意味がよくわからない。テレビ局の人間はテレビを作るプロだ。イチローや松井が「毎日素振りをしているので応援してください」とは言わないように、プロが結果のために一所懸命がんばるのは当然のことじゃないのか。「がんばっている」ことをアピールして何を評価してもらい、何を許してもらおうと思っているのかしらないが、少なくともそれはプロのやることじゃないだろう。おまけに自分たちのやりたい企画をやると言って始めた25時間テレビのラストが、社員ではない鶴瓶の言葉っていうのはずるい。
・一連の逃走劇を「コントだ」と語る笑福亭鶴瓶。そしてこういうやり方を認めたフジテレビは凄いとも。いやいや、コントとかマジとかそんなことじゃなく、「面白い」というレベルに達しないまま中途半端に進行したのは明らかに失敗ではないのか。少なくともいままでだったら何が起こるかわからない不安定感の中で成立していた鶴瓶のロケと、今回のような予定調和のなかで進む逃亡劇は同じではない。紳助が「これはどうなったら成功やねん」と疑問を呈し、さんまが「何がしたいねん」と苛立ったのはそういう意味だと思う。
■スペシャルドラマ「THE WAVE」
・テロリストの首謀者が笑福亭鶴瓶だったというオチ。まあ鶴瓶が逃走し番組に混乱を与える現実と、テロリストによってテレビ局が混乱するというドラマのストーリーがリンクしていたので早い段階に予想できたが、ドラマ内でさんまが他局に助けを求めた場面と、鶴瓶によるTBSへの乱入が重なっていたように、もう少しはっきりドラマと現実の関係を表に出した方がよかったと思う。切れ切れの放送だから、よくわからなかった人も多いんじゃないだろうか。
【総評らしきもの】
7月18日にも書いたけど、テレビはくだらなくて子供だましで下品だからこそ面白い。でもそれはいい加減にやるってことじゃなくて、いろんな制約はあるだろうけど、面白くするために全力を尽くさなきゃだめだと思う。
フジテレビは「今年はあらためて”楽しくなければテレビじゃない”、そして”テレビはハートで作るもの”という決意をもって「25時間テレビ」をお届けします。FNS系列全テレビ局員がテレビを楽しくするために全力を尽くします」と今回の意気込みを語っている。でも実際には、「鶴瓶の逃亡」という自称「コント」に、社内運動会のような中年アナウンサーのマラソン、顔も名前も知らない系列局の代表が競い合うトリビアなど、視聴者に伝わらない「面白い」企画だらけだった。唯一視聴者の視点に立ったのが、プロの技術を披露した「さんま・中居の今夜も眠れない」と、芸人たちが身を削った「真夜中の大かま騒ぎSP」だけっていうのはどういうことだろう。
なんだかなあ、「面白い」っていうのは自分たちだけのことじゃなくて、テレビを見ている視聴者にとっても「面白い」ものでなくちゃいけないと思う。こんなこと私が言うのも恥ずかしい自明のことなんだけど、はたしてフジテレビはそれを考えていたのだろうか。ライブドア騒動のおかげで、フジテレビは「テレビって何だ」ってことを考えたのだろうし、その結果として「自分たちのやりたいことをやろう」っていう方向はわかるけど、そこに視聴者がいないんだったら、そんなものはテレビじゃない。
つまらないとか面白いとか、そういうことよりも、フジテレビの「面白いテレビ」って自分たちだけのことなんだなと驚き、だから菊間アナの騒動が起こったりするのかと納得した27時間だった。
※補足
ライブドアの堀江社長がフジテレビに登場したって話題になったけど、そのライブドアがこんなニュースを掲載しているほうが気になる。フジテレビでは秋頃に何本かの番組が経費削減を理由に終了するようだけど、その布石として掲載しているような感じ。テレビって面白いね。
・フジ菊間アナら有名女子アナは超高額給料!
・合コン女王、千野パンの今は?
・テレビ局はどこまでジャニーズに媚びるのか?
■「エンディング」
・山中アナがゴール。彼が異動されようがアナウンス部に残ろうがどっちでもいい。大人気のアナウンサーってわけじゃないし、面白がっているのはフジテレビだけではないのか。おまけに時間内で悠々とゴールして、「愛している人は」という質問に答えたら異動撤回というハードルの低さはどういうことか。確かにあの年齢で走るのは大変だったろうが、これでは感動などできないし、パロディとしても成立していない。単なる社内行事だ。
・恒例の新人アナウンサーによる提供コールに、山中アナの温情として青木さやかが参加。もしさんまや紳助、ダウンタウンが司会だったら、フジテレビはこんな失礼なことは絶対にしないだろうから、青木さやかもとことんナメられたものだ。まあ自業自得か。テレビを見ていた多くの芸人は、新人アナ扱いされ嬉々として提供を読み上げる青木をどう思うだろう。これまで青木のはしゃぎっぷりを半ば呆れつつ批判してきたが、一番危惧していた結末を迎えた。
・笑福亭鶴瓶の演説。ライブドア騒動を踏まえ、みんな面白いものを作ろうと一所懸命がんばっているんだと主張をするけど、意味がよくわからない。テレビ局の人間はテレビを作るプロだ。イチローや松井が「毎日素振りをしているので応援してください」とは言わないように、プロが結果のために一所懸命がんばるのは当然のことじゃないのか。「がんばっている」ことをアピールして何を評価してもらい、何を許してもらおうと思っているのかしらないが、少なくともそれはプロのやることじゃないだろう。おまけに自分たちのやりたい企画をやると言って始めた25時間テレビのラストが、社員ではない鶴瓶の言葉っていうのはずるい。
・一連の逃走劇を「コントだ」と語る笑福亭鶴瓶。そしてこういうやり方を認めたフジテレビは凄いとも。いやいや、コントとかマジとかそんなことじゃなく、「面白い」というレベルに達しないまま中途半端に進行したのは明らかに失敗ではないのか。少なくともいままでだったら何が起こるかわからない不安定感の中で成立していた鶴瓶のロケと、今回のような予定調和のなかで進む逃亡劇は同じではない。紳助が「これはどうなったら成功やねん」と疑問を呈し、さんまが「何がしたいねん」と苛立ったのはそういう意味だと思う。
■スペシャルドラマ「THE WAVE」
・テロリストの首謀者が笑福亭鶴瓶だったというオチ。まあ鶴瓶が逃走し番組に混乱を与える現実と、テロリストによってテレビ局が混乱するというドラマのストーリーがリンクしていたので早い段階に予想できたが、ドラマ内でさんまが他局に助けを求めた場面と、鶴瓶によるTBSへの乱入が重なっていたように、もう少しはっきりドラマと現実の関係を表に出した方がよかったと思う。切れ切れの放送だから、よくわからなかった人も多いんじゃないだろうか。
【総評らしきもの】
7月18日にも書いたけど、テレビはくだらなくて子供だましで下品だからこそ面白い。でもそれはいい加減にやるってことじゃなくて、いろんな制約はあるだろうけど、面白くするために全力を尽くさなきゃだめだと思う。
フジテレビは「今年はあらためて”楽しくなければテレビじゃない”、そして”テレビはハートで作るもの”という決意をもって「25時間テレビ」をお届けします。FNS系列全テレビ局員がテレビを楽しくするために全力を尽くします」と今回の意気込みを語っている。でも実際には、「鶴瓶の逃亡」という自称「コント」に、社内運動会のような中年アナウンサーのマラソン、顔も名前も知らない系列局の代表が競い合うトリビアなど、視聴者に伝わらない「面白い」企画だらけだった。唯一視聴者の視点に立ったのが、プロの技術を披露した「さんま・中居の今夜も眠れない」と、芸人たちが身を削った「真夜中の大かま騒ぎSP」だけっていうのはどういうことだろう。
なんだかなあ、「面白い」っていうのは自分たちだけのことじゃなくて、テレビを見ている視聴者にとっても「面白い」ものでなくちゃいけないと思う。こんなこと私が言うのも恥ずかしい自明のことなんだけど、はたしてフジテレビはそれを考えていたのだろうか。ライブドア騒動のおかげで、フジテレビは「テレビって何だ」ってことを考えたのだろうし、その結果として「自分たちのやりたいことをやろう」っていう方向はわかるけど、そこに視聴者がいないんだったら、そんなものはテレビじゃない。
つまらないとか面白いとか、そういうことよりも、フジテレビの「面白いテレビ」って自分たちだけのことなんだなと驚き、だから菊間アナの騒動が起こったりするのかと納得した27時間だった。
※補足
ライブドアの堀江社長がフジテレビに登場したって話題になったけど、そのライブドアがこんなニュースを掲載しているほうが気になる。フジテレビでは秋頃に何本かの番組が経費削減を理由に終了するようだけど、その布石として掲載しているような感じ。テレビって面白いね。
・フジ菊間アナら有名女子アナは超高額給料!
・合コン女王、千野パンの今は?
・テレビ局はどこまでジャニーズに媚びるのか?