カメラを持って出掛けよう

仕事と音楽の合間に一眼レフとコンデジで撮った写真を掲載しています。

少しずつ冬に

2020年11月01日 | 丹波・播州
毎日仕事の行き帰りに空を見て、携帯のカメラで撮影しFacebookに「今そら」というタイトルで投稿しています。
こうして空を眺めていると夏から秋そして冬に向かって雲の様子が変わって行くのがよくわかります。



真夏は暑さと湿気に悩まされるけど、勢いのある雲に癒されることがあります。
しかし季節が変わるといつの間にか雲の勢いは無くなり爽快感はありますがどことなく寂しくなって来ます。

ようやくコロナを警戒しつつ大阪での音楽活動が始まりました。



小説「Obralmの風」





湯に浸かっているにもかかわらず背中は悪寒とも思える寒さを感じる。
(もしや、以前この部屋で人が亡くなったのかも知れない)
岳は正気を取り戻すべく深呼吸をして湯から出たが、浴場四方の壁には恨めしそうに岳を見詰めている眼があるように思えて視線のやり場がない。
特に後ろを振り返るのが恐ろしい感覚に襲われ、思わずバスタオルで顔を覆おうとしたが恐怖が募ればタオルを顔から離せなくなるだろう。
こういう状況になるとペンションオーナーの愛想のいい笑顔の裏に特別な事情があったのかと思ってしまう。
岳はバスタオルを持ったまま浴室から出て、部屋中を見渡した。
おそるおそる窓から外を眺めたけれど何ひとつ異変を感じることは出来なかった。
こんな気持ち悪い部屋では眠ることは出来ない、今からダイニングへ行って主人に部屋を替えてもらおうかと考えた。
でもこれは部屋だけの問題だろうか、もしかするとこのペンション全体に怪奇現象があるのではないだろうか。
今から用事が出来たと偽ってタクシーで米子市内のホテルに泊まろうかとも考えた。
(さあ、どうしよう・・・)
ふと、気が付くと女性の呻き声は止んだのか、部屋は静寂になっていた。
真夜中に移動するとなると面倒くさいのも事実。
今夜は明かりを点けたまま寝ことにしようか。
それにしても一体あの声は何だったのか、外を吹く風の音が人の声に聞こえたのだろうか。
岳は徐々に冷静さを取り戻していた。
しかし、歯磨きをする為浴室に入ると、再びあの声は聞こえて来た。
浴室のどこから聞えるのかを見渡したが不可解なものは見当たらなかった。
この部屋で一夜を過ごすにはこの浴室のドアーを閉めた方がいいのか、空けたままの方が余計な想像をせずに済むのだろうかと迷った。
元来小心な岳は見えない所に対しての恐怖が膨大することは間違いない。
少し怖いけど、ここはドアーを開け放って恐怖を受け止めることにした。
目を閉じるのが怖くてなかなか寝付なかったが、いつの間にか金縛りなどにも遭うこともなく眠ることが出来た。
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