音珠たかのが送る日々徒然な日常gooブログ本店

橋本紡さんを尊敬している管理人が送るまったりした日常や小説の話を書く、本当に徒然とした、そんなブログ。

目覚まし時計が紡いだ必然

2008-05-16 19:43:11 | 短編小説
さて、短編3本目となる短編小説です。今回は時間は朝で、ちょっとした心暖まるお話です。偶然が必然となるそんなお話。題名「は目覚まし時計が紡いだ必然」です。
それではさっそくどうぞ。




 『目覚まし時計が紡いだ必然』



              ・・Φ・・
ピピピピッ、ピピピピッ。
まだ半分は夢の世界にいると、目覚まし時計のアラーム音が聞こえたので僕は重たい瞼(まぶた)を開きアラームを止める。いつものように六時のアラームが作動したのだろうと思っていたが、時計の針は単身がいつもと違っていた。どうみても一つ手前にあるのだ。ようするに今の時刻は六時ではなく五時というわけだ。
(どうりで空が白々しいわけだ。六時にしては少しくらいもんな)
僕はカーテンを少し開けて空を眺めながら思った。内心まだ眠いのだが一度起きてしまうと二度寝できないタチなので寝ることが出来ない。なので僕は仕方なく、アレだけのアラーム音が鳴り響いたのにも関わらず、スースーと静かに寝息を立てている奥さんを起こさないように気をつけてベッドから抜け出し一階のリビングへと向かう。
それにしてもなぜ一時間も早くアラームが鳴ったのだろう。どうしてなのかと言う理由を案がえてはみるものの、壊れたんじゃないのかという考えしか出てこなく考えているうちに一階のリビングへとつく。リビングには誰もいない。まあここに住んでいるのは僕と奥さんしかいないので当たり前なのだが。
「おはよ~」
誰もいないがなんとなく言ってみる。もちろん返事はない。ただのリビングのようだ。
カーテンを開けると太陽が昇り始めたらしく、日光がそれなりにまぶしい。でも、とても清々(すがすが)しい気分だ。
(何もすることはないし何か飲み物でも作ろうかな)
そう思った僕はリビングの隣にあるキッチンへ行く。キッチンは割と整えられており調理道具が置かれている。僕はその調理湯具からやかんをとり、IHクッキングヒーターに乗せる。はけっこう火力があるので少量の水ならすぐに沸くだろう。
さて、その間にコーヒーを入れないとな。入れるコーヒーはブレ○ディの粒コーヒー。インスタントコーヒーにしてはかなりおいしく多数の人から人気のある種類だ。その粒コーヒーをスプーンに二杯ほどコーヒーカップに入れる。
そうしているとやかんのお湯が沸騰したらしく、ピーッという音が鳴る。沸騰したお湯をコーヒーカップに注げば簡単おいしいコーヒーの出来上がりだ。
「おふぁよぉ~」
僕がコーヒーカップをリビングにもって行くと、ドアが開き奥さんが眠たそうに目をこすりながら入ってくる。セミロングの髪の毛が見事に寝癖でぼさぼさになってしまっていた。
「ああ、おはよう」
「もしかしてコーヒー作ってた?」
「うん。目を覚まそうかなと思って作ったんだ」
「そうなんだぁ。ねぇ、直也の作ったコーヒー飲んでいい?」
「いいよ。――でもさ、寝癖で髪の毛がボサボサになっているぞ」
「え?本当?」
「ああ」
「うわ……本当だ……。私、髪の毛梳かしてくるね」
「あいよ」
奥さんはそういうと洗面所へ行きしばらくするとシャコシャコと歯を磨く音が聞こえてくる。どうやら髪の毛を梳かし、顔を洗いついでに歯も磨いているみたいだ。
数分ほど経ってコーヒーをもう一口飲んでいると、奥さんはこちらに戻ってきた。髪の毛はしっかり梳かされており絹のように美しいストレートになっている。
「ふぅ、セット完了」
「おっ、ちゃんと寝癖が直っているな」
「それは時間をかけてますから」
「さすがかえでさんだ」
「身だしなみはきっちりとやらせていただきますもの」
「はははっ」
「ふふふっ」
「あっ、そうだ。コーヒー飲むか?半分残してあるから」
さっきかえでがコーヒーを飲みたいと言っていたので、半分残しておいたコーヒーを差し出す。
「うん!飲む飲む!」
かえでは待ってましたと言わんばかりの口調で言う。かえでは僕よりもコーヒーが大好きなのだ。かえでは僕が差し出したコーヒーカップを受け取り、こくこくとコーヒーを嬉しそうな表情で飲む。
「ふぅ。やっぱり朝のコーヒーはおいしいね。これはたぶん……ブレ○ディかな」
「すごい!正解だ。さすがだな、かえでは」
「えへへっ」
相変わらずかえではすごい。コーヒーを一口飲んだだけでコーヒーの種類が分かるのだから。僕なんてコーヒーの種類によって甘いか苦いか、しぶいかぐらいしか分からないのにさ。こういうことを舌が肥えているということなのだろう。
「ねぇ直也、コーヒーを飲み終わったらちょっと散歩しない?」
「そりゃあ名案だな。それなら俺は着替えてくるよ。かえではどうする?」
「私はコーヒーを飲んだらそこに一式があるからそれを着るわ」
「うーい」
僕は二階に行き、着替える。散歩をするぐらいなので普段着を着た。ジーンズに似ている生地の黒いズボンに、赤色で胸の辺りに何の言葉か分からない文字もどきがプリントされている長袖の服だ。着替えは服選びも含めて五分ほどで終わり一階へ降りると、かえではもう着替え終えており白色のワンピースを着ていた。
「それじゃあ行こうか」
「うん」
外に出るとスズメやツバメのさえずりが聞こえ朝日は前にも増して眩しい。気温はさほど高くなく、むしろ涼しいくらいで快適だ。
「う~んっ、やっぱりいつもとは違うね」
「そうだなすごく清々しい」
「早起きは三文の得ってやつだね」
「おっ、うまいな」
「でしょでしょ!」
いつもと違う朝はいつも以上に会話を弾ませてくれる。気分もものすごく良くて気持ちがいい。
「ねぇ、直也。こうやって朝早くに二人で散歩するのって初めてじゃない?」
「言われてみれば確かにそうだな。結婚して2ヶ月になるけれど今日が初めてだ」
「だよね。でもこうやって散歩できたのって、もしかしたら壊れたかもしれない目覚まし時計のおかげよね」
僕はうん、そうだね。と言いつつかえでの言うとおりだなと思った。あの目覚まし時計が鳴らなかったら僕は起きることはなかったし、かえでも起きることはなかった。偶然と偶然の糸がたまたま紡がれただけであって、今こうやって散歩しているのは必然ではなく、偶然でしかない。
しかし、だ。僕とかえではその出来事によって散歩をしている。たまたまかもしれないけれど二人で歩いている。
だとすると今の出来事はたまたまではなく、偶然という名の糸で結ばれた必然なのかもしれない。
まぁ、どちらにしろ幸せな時間に変わりはないけどね。
「なぁ、かえで」
「ん?なに?」
「1時間早く鳴ったベルに感謝しないとな」
「うん。そうだよね!」
特別な時間をくれた目覚まし時計。
今この時間を創ってくれた目覚まし時計。
普段なら1時間早く鳴っちゃったじゃないかと文句を言うかもしれないけれど、今日は感謝の気持ちで心が溢れていた。
「直也、いま何時?」
「んっとね……6時48分だよ」
「そっか、どこか喫茶店が開いてるといいけどなぁ」
「それじゃあ今から古風へ行かない?あそこってコーヒーがおいしいから気に入っているんだ。」
「いいね!行こっか!私もあの喫茶店は気に入っているんだぁ♪」
「そうだな」
「行こう!古風にっ!」
「おう」
僕は古風へ向かう道のりのなか、偶然だけど幸せな時間を与えてくれた、なぜか1時間早くベルが鳴った目覚まし時計に感謝の気持ちを送った。
ありがとうという言の葉をのせて。



・♪あとがき♪・
はじめましてな人もこんばんは、雫です。
今回は短編3作目(ブログにアップしているのは)となるわけですが、今回はふと思いついて、書いてみたのがこの短編小説です。執筆開始からアップ完了まで割と時間がかかってしまいました。なかなかパソコンが使えなかったもので……。
この小説は別段苦労したところはありません。何せふと思いついて書いた小説ですから。もしかしたら執筆完了からアップまでの時間の方が長かったかもしれません。
今回伝えたいことはただひとつ。
偶然でさえ必然だと。
なんて難しいこと言ってるんだこのバカは。と自分でも思っていますが、よく考えてみると今まで偶然だと思っていることは案外必然だと思うんです。だれかが言ってたような気がするけれど人生はある程度道は決まっているって。もちろん僕は人生は変えれるものだと思っていますが。
そうやって考えると、幸せなことも必然ならすごく幸せな気がします。もちろん先が分からない必然限定ですけどね。
これ以上述べると長くなりそうなのでこれくらいに。
みなさんも先の分からない必然を楽しみにしてみてください。そうすると人生楽しくなりますよ。
それでは次回作もお楽しみにしていてください。
それでは。


合宿から帰ってきました。

2008-05-16 18:34:55 | Weblog
こんばんは、雫です。
とりあえず無事合宿から帰ってきました。もちろんちゃんと生きていますw
3日間の合宿だったんですが、勉強がかなり多かったので実質学習合宿でしたね。でも友人とか、クラスメートとかとかなりわいわいしていましたし、すごく楽しかったので満足です。
勉強の方もまずまずで政治経済では学年4位をとりました。これで合宿でちゃんと勉強したぞと親に言えます。他もまずまずでした。

小説の方はと言うと、3日間全然進んでいません。こればっかりかはどうにもならないです。合宿に行ってたわけですから。ただ、ある程度プロットは考えてあるので休日の間に少しはかけると思います。

では、コメ返し~

ありささん>
ええ、更新はなんとかできでます。頑張って更新しますので今後も応援よろしくお願いします。

マホさん>
こちらこそオフでははじめまして。そちらのサイトへ行きコメさせていただきました。サイトにあるお菓子を見てたら本気(と書いてマジ)で甘いものが食べたくなってきてますw

こちらのサイトにもぜひ来てください。ケータイからでも見ることが出来ます。そちらのサイトにもちょくちょく行かさせていただきますので。パソコンが使える日限定ですが……。

シュンさん>
はい、帰ってきましたw
合宿はなかなか楽しかったですよ。けっこう充実した3日間だと僕は思っています。

こんなかんじかな。
ブログを書く気力と体力があれば夜中にも更新します。
それでは~(=ω=.)/~


ps
短編を一つアップしました。
もしよろしければ読んでみてください。