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経験法務!

問題の多い会社に勤め、問題の集まる部署で得た疑問と答えをmemo的に記録するブログ。

一物二価は違法か?

2009年11月01日 | work
「新規顧客と既存顧客で価格設定を変えるのは『一物二価』になるのでダメですか?」

という質問を受けた。

 「一物二価」 なんですかそれは・・・

読んで字の如く、一つの物に二つの価格がついていることをいうのだとは理解したが、それが違法とは聞いたことがない。

調べてみると、「一物一価の法則」という経済学の用語のようである。
輸送費などのコストが0円であり、同一商品の価格差についてすべての人が知り得る状態であれば、その商品の価格は一つになるという考え方。

確かに、あっちで100円、こっちで200円だとわかれば
普通は100円のほうを買いに行くか、商売上手が100円で買って150円で売るだろう。

自由競争社会では、自然と価格が統一されるという原理のことのようだ。

で、「一物二価」とは、この「一物一価」から派生した用語みたいで
「一物四価」(不動産価格)や、「一物多価」などのバリエーションがある。

だが、法律には規定がないらしくググっても「違法」の文字はでてこない。
あやしいのは独禁法とか景表法だが、独禁法関連だと公正取引委員会から今年6月22日に出されたセブンイレブンへの排除命令(弁当の見切り販売の禁止について)の話題が出てくる。
公取リリース: www.jftc.go.jp/pressrelease/09.june/09062201.pdf

排除命令に対するセブンイレブンのコメント内容に「一物二価」という言葉が含まれているからだが、セブンイレブンは、「一物二価」はお客様に対して価格への不信感を抱かせるもの、としている。
http://www.sej.co.jp/corp/news/2009/pdf/062202.pdf

なるほど
違法ということではなく、企業モラル的なものなのだな。


ちなみにこの「一物二価」を英語で言うと
dual price system / dual pricing になるようです。