8月号に引き続き9月号の記事もご紹介します。
インボイスについてです。
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みなさんこんにちは。税理士の筒井です。
いよいよインボイス制度の開始まで1ヶ月を切りました。
覚悟は出来ていますか。
国税庁によると令和5年6月末時点で、日本中の(以前からの)消費税の課税事業者は約300万社(個人事業者も含む。以下同じ)ありますが、インボイスの登録が終わったのは256万社で約80%となっています。
課税事業者にとっては、領収書や請求書の記載事項の軽微な変更以外に登録のデメリットはありませんから順調に進んでいるものと思われます。
これに対して、全国の免税事業者は460万社ありますが、登録が終わったのは76万社で20%に満たない状況です。(8月10日国税庁の最新情報によると7月末時点で登録申請をした事業者の総合計数は370万社になっています)
免税事業者のインボイス登録が進まない理由を考えてみましょう。
①まず初めに、インボイスの登録をすると今までは免税事業者であっても、消費税の納税義務が発生します。「2割特例」などの軽減措置もありますが税負担の増加を嫌がっているものと思います。当たり前ですよね。
②免税事業者にとってのお客さん(売上先)の大部分が一般消費者や簡易課税事業者であるため、そもそもインボイスの発行を求められないという事情があります。
③免税事業者にとってのお客さん(売上先)が原則課税事業者である場合は、基本的にはインボイスを要求される場合が多いと思いますが、相手側にも軽減措置があるために、とりあえず見逃されている可能性があります。
④免税事業者のうち約100万社は農業者であり、一定の条件を満たすと「農協特例」が受けられるので、登録しなくても不利益はありません。
⑤そして最後の理由は、いまだにインボイス制度の理解が進んでいないことでしょう。
10月1日になって慌てないように、今からでも遅くありませんから(ほんとは遅いけど)免税事業者の方はしっかりとご検討下さい。