夜明けまで3時間

よしなしごとの記録と備忘

若年層の政治参加

2009-07-01 00:21:16 | 日記
 以前、Twitterに投稿したpostに、ほんのちょっと手を入れてまとめたものです。読みにくいと思いますが、読みやすいように手を入れると、たぶんこのエントリー自体をあきらめることになりかねないので、このまま投稿します。

 2007年7月参議院議員通常選挙での年代別有権者数と投票率を、全国142の選挙区をサンプルにして集計し、各年代別の数字を比較した統計がある。(「明るい選挙推進協会」)

 サンプル調査なので数値は全体の一部にすぎない。この142の選挙区の合計は、有権者数が28万8525人、投票者数が17万3547人、投票率60.15%になる。ちなみに国全体の実数は全有権者1億371万35人、投票者6080万6582人、投票率58.63%。(総務省第21回参議院議員通常選挙結果)(エクセルファイルが開きます)

 まず年代別の投票率をざっと確認する。20代前半は32.82%、20代後半は38.93%と、ほぼ3分の1しか投票していない。30代前半は46.02%、30代後半は52.06%でほぼ半数。60代は実に4分の3が投票している。70代もそれに近く、50代も7割近くが投票している。

 次に絶対数の比較。ざっと探した範囲では、全国の年齢別有権者数の統計が見つからなかったので、全有権者数÷サンプル調査の有権者数≒359を補正値として、これをサンプルの各実数にかけて比較する。要は暫定的な数字です。

 そのようにして算出した各年代の「投票者数」対「棄権者数」を列挙すると、以下のようになる(いずれも概数)。

20-24歳=220万 対 450万
25-29歳=290万 対 454万
30-34歳=404万 対 474万
35-39歳=460万 対 424万
40-44歳=459万 対 331万
45-49歳=502万 対 291万
50-54歳=569万 対 269万
55-59歳=751万 対 315万
60-64歳=615万 対 209万
65-69歳=601万 対 172万
70-74歳=541万 対 174万
75-79歳=434万 対 174万
80歳以上=393万 対 395万

 つまり20代と30代が棄権している票数の合計は約1803万票、60代と70代が棄権している票数の合計は約729万票。純粋な有権者数では、20代と30代の全票数は3177万票、60代と70代の全票数は2920万票。本当は20~30代の方が持っている票数自体は多いんだよ。

 80代以上は790万票持っている。たしかに若年層対高齢者層でみると、後者の年齢分布がずっと広いので不利だが、80代以上は投票率が顕著に落ちる(が、それでも20代よりずっと高い)。

 20代と30代が棄てている約1800万票は、全有権者数の17%に当たる。普通に一つの勢力を形成できる数だ。また、20代の親は40~50代であり、30代の親は50~60代。自分の子の世代を顧みない親は決して多くない。親世代を味方につける問題設定を考えることが正しい方向性で、そうすれば多数派を取ることさえ不可能ではないはず。単純な世代間闘争という枠組みは、あまり生産的とは思えない。

 顰蹙を買うのを承知でいうが、選挙権という当然の権利の行使すらしない(できない)人たちが、それ以外の何か画期的な(革命的な?)手段で世の中を変えるなんてことは、ほとんど夢想ないし妄想だと思う。

https://twitter.com/Tristan_Tristan/status/1775700511からの一連のポスト)

※注=上記はあくまでも全体的な傾向を見るための概数です。例えば公的な報告書のような厳密なことをいうには、別の角度からとった統計などと照らし合わせる必要があると思いますが、このエントリーではそこまでの正確性を追及してはいません。