卒園

初孫やちいちいぱっぱで卒園す　　　　　藤木洋良

椿

椿落つこれも一つの生き方か　　　　　　藤木洋良

春の雨

七十六歳白髪交じりの春の雨　　　　　藤木洋良

春の鴨

春の鴨寂しさ光る水面かな　　　　　藤木洋良

残る鴨

残る鴨青き空見て羽ばたけり　　　　　藤木洋良

土筆

土筆摘む光り華やぐ親子かな　　　　　藤木洋良

犬ふぐり

犬ふぐり瞳輝く昼の星　　　　　藤木洋良

春の日

春の日や愚直に生きて七十六歳　　　　　藤木洋良

春雨

春雨や別れの数は愛の数　　　　　　藤木洋良

彼岸過

生き死にの道をとぼとぼ彼岸過　　　　　藤木洋良

彼岸

彼岸には亡き母の味おはぎ食ふ　　　　　藤木洋良

彼岸

友来たり時間が飛んで彼岸なり　　　　　　藤木洋良

入り彼岸

人は人違う道行く入り彼岸　　　　　　藤木洋良

鳥帰る

鳥帰る生きているのが我が仕事　　　　　　藤木洋良

鳥雲に

鳥雲に故郷の空さみしけり　　　　　藤木洋良