桃花鍼灸院らくがき帳

鍼灸師ちみの日々綴る中医学とその周辺

臓象論24:五臓の関係(6)脾と肺

2009年05月16日 18時31分51秒 | 臓象論
脾も肺も太陰です。なんとなく美味しそうな気持ちになるのは私だけ・・・?

脾は水穀の精微を吸収し、肺は天気から清気を吸収し、後天の気にします。脾と肺は気を生成する車の両輪です。エネルギー補給の最前線であるのが太陰なのです。

脾が食物から吸収した栄養と水は肺に運ばれます。肺の宣発・粛降作用によって栄養と水は全身に散布され、不要な水は汗・呼気・尿・便の形で排泄されます。

脾と肺の関係は「気の生成」と「水液の代謝」の2つがキーワードとなります。

まず、気の生成について。

脾が弱って気が作れないと肺の働きも弱ってきます。食べない(あるいは食べても吸収できないと)と体に力が入りませんよね。話声が小さくなる、呼吸が衰弱する、などの症状が現れます。
肺が弱っても同様です。酸素を取り込めないのですから、体に力が出ません。

次に、水液の代謝について。

脾の運化作用が失調すると湿が溜まります。その湿が肺に影響すると咳喘や多痰の症状が出ます。咳をしている患者さんがいたら、その音をしっかり聞いてくださいね。湿咳と燥咳は音がちがいます。

肺も水液の代謝に関わっていますから、肺の働きが悪くなると体に湿が溜まります。湿は脾の嫌うものです。脾に湿が溜まると食欲不振、浮腫、下痢などの症状が出ます。

肺が弱い、あるいは脾が弱い、という患者さんは見分けやすいです。風邪引きやすいとか、喉をすぐ傷めるとか、下痢が多いとか、たくさん食べられないとか。

 こういう患者さんに対しては、それぞれを補うことが出来るように、脾が弱ければ肺を補う、肺が弱ければ脾を補うような治療をしています。

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