旦那さんに「行ってらっしゃい」をしたあと、歳三は二度寝をします。普段は寝るときはケージに入ってもらうのですが、今日は特別にケージの外で眠る。私も読みかけの本を持って歳三のお隣に座ります。
ふと隣を見ると、歳三がスヤスヤ眠っています。なんともまあ無垢な寝顔をしているものです。いったいどんな夢を見ているのかしら?
ずっと前に読んだ村松友視さんの『アブサン物語』という本の一節をふと思い出しました。まったくこの通りです。(ちなみに「アブサン」というのは、村松友視さんが一緒に暮らしていた愛猫の名前です。)
---------以下、引用---------
「どうしてこんな顔ができるのだろうか……私は、アブサンの中に一ミリの擬態の可能性を感じながらも、うっとりとその寝顔に見入ってしまう。陽の光を受けているというのがこれほどに幸せなのか……そう思わせる寝顔なのだ。そうしているうちに、私の中にいわゆる平穏というやつが生じてくる。」
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