都市伝説ですが 475

一時期流行したのが「献血のお願い」のチェーンメールです。数千分の一の割合で存在する、RhマイナスのAB型もしくはB型の方に献血を求めるという、一見すると善意のメールです。受精卵が子宮口に近い部位に着床して、子宮口をふさぐ形で胎盤ができてしまう病気(前置胎盤)の妊婦が居て、帝王切開手術が必要という設定です。そして、妊婦はAB型(もしくはB型)のRHマイナスという珍しい血液型で、病院に血液のストックが足りなくて困っている。

RHマイナスの血液型を持つ人、もしくは知り合いが居たら、献血にご協力下さいという内容です。○○病院で○月より採血を開始し、平日は17時まで受け付けている。そして、手術の当時は病院で待機して欲しいというリクエストまでありました。善意の輪を広げようという気持ちから、献血のお願いメールは一時期流行しました。問い合わせが殺到することで医療機関側は業務・診療に支障を来したと云われます。

しかし、RHマイナスの血液型はストックが必要で、献血をお願いしているのは事実でした。献血のお願いならば善意のメールで終わったのかも知れませんが、実在の病院の名前を記載して不特定多数の方にメールを回すのは、何かしらの悪意を感じます。メールは人を助けるという当初の目的を失い、医療機関の業務を妨害することに目的が変質したのでしょうか。