民内利昭のブログ

民内利昭の教育と陸上指導に関する色々

空港にて

2017-12-29 19:09:22 | 日記

今、空港で飛行機の出発を待っています。羽田空港に帰ります。今年も国内の地区の将来有望な選手の指導を担当し、無時終了することが出来ました。開催にあたった皆様のご協力に感謝申し上げます。

年々、核心に迫ってきている感じを持っています。今までは自身の指導実践中心の指導内容の展開でしたが、最近は海外の優秀な指導者の書き残した内容を読破したものを自身の実践に当てはめたものへと変貌を遂げようとしています。そのため、今回の講習会では、海外では優秀な指導者の下で当たり前のように行われている指導内容を読み解いたものを紹介する内容が加わってきています。

読み進んでいくうちに、海外の指導内容は、これなら多くの選手にやる気を持たせて取り組ませることができる指導内容であるということを感じています。それに比べて日本の一般の指導現場で指導されている無味乾燥な内容の多いこと多いこと。さらに読み進めて、より多くに内容を紹介できるようにしたいと考えています。おっと、誰ですか?私の指導内容を上手く聞き取って、自身に都合の良いように活用している人は?実際に指導実践して、学習棄却できなければ、指導結果は出て来やしませんよ!!


神の国にて

2017-09-18 07:33:12 | 日記

連休を使って日本の神々が一堂に集う国に来ています。先日の学会では、日本のハードル指導・研究の遅れについて発表しました。今回は、私なりの日本のハードル指導改善策を中心として指導しています。今回の学会は、私にしては珍しく、実験的な自然科学の手法ではなく、書に記述されている内容を中心とした発表でした。皆さんは日本の陸上競技短距離ハードル種目が、何故、世界記録に比べて低い水準でしかないとお考えですか?それでは、アメリカが男女の短距離ハードル種目で強いのは何故だとお考えですか?

理由としてすぐ考えつくのは、次の三つではないでしょうか?

①優れた人種  ②スプリント能力  ③体格・体力

今回の私の発表では、アメリカのプロコーチの中でも”GURU(導師)”とまで言われた人物が書き残した内容を基に、発表しました。日本の選手はかなりのハードリング技術を保有しているのだけれども、上記の理由により弱いと考えていませんか?大きな間違えです。

私の指導を批判する人が存在します。理由は「日本国内で一般に行なわれている指導内容とは異なるから」ということが多いようです。それでは日本で行なわれているハードル指導内容は、果たして正しいのでしょうか?こんなに世界レベルから離れているというのに。もともと日本人は、このような器用さを求められる種目は、強くて当たり前ではないでしょうか?

私が以前指導して良い成績を挙げた選手が、次のステージに進学したときに、以前の記録さえも出すことができなくなっているという現象に出会います。理由はいくつか考えられます。よく言われる理由は「その選手は早熟であったので、そこまでの選手であったのだ」といったものです。しかしそのような状態にあった選手を再び私が指導したら、以前の記録を更新するといった現象が、数例起こっています。

日本国内で指導力の高い指導者と考えられているのは、日本代表となった選手を出した指導者、選手として強かった指導者、指導者資格を保有している指導者、が多いようです。しかしそのような人たちは、初心者を毎年のように県大会入賞レベルまで持って行っている指導者ではないように感じています。大体において、そのような人たちが指導した場合、選手の記録の停滞が起こっているように感じてなりません。選手が記録の停滞を起こしているのに、平気で選手の責任にして、私の指導を批判している人たち。あなた方の指導内容・方法が間違っているのではないですか?アメリカで”GURU”とまで言われた人は、「複製を作れていますか」といった内容を記述しています。

 


全中の選手の動作を見て

2017-08-28 17:40:00 | 日記

今年も全中陸上に行ってきました。私の関係する選手(ハードル種目)のW-UPを指導してきました。選手たちは緊張感の伴うこのような大会では、なかなか実力を発揮できないようです。指導して、選手が試合に出るためコールに行き、いなくなったときに、ふっと考えさせられてしまいました。全中に出場したかった選手は、山ほどいます。W-UP会場にいる選手の何割かは、足にテープを巻き、怪我・身体の痛みと戦いながら、競技に取り組んでいるようでした。中にはリレーメンバー全員が脚にテーピングを施していました。勝つことを目標として、そんなに無理して指導する必要があるのでしょうか?私の目指すものは他にあります。

よく、全国大会で入賞するくらいになった選手が、バレーやバスケの球技系の選手と話をしているときに、次のようにきかれ困ったということを話してくれます。「陸上って、だだ走っている、投げている、跳んでいるだけなのに、どこが面白いの?」その、選手たちは、答えに窮してしまって、その状況を私に話してくれました。確かに球技系の選手にとって陸トレと称するグラウンド等での走りこみ。体力トレーニングは、一番やりたくない内容となっているようです。その時私は「同じ、走る・投げる・跳ぶにしても、動きには質があり、私たちは、その動きを極めて地震の記録を向上させるために日々練習しているんだよ」と答えなさいと伝えています。このように、一般的には面白み・楽しさを感じ難い種目の陸上競技に興味を示す選手を指導法を工夫することにより、さらに興味関心を持たせることを目標に日々の指導実践を行なっています。

いろいろ試みていく中で、練習として行なっている内容について、なぜこの練習を行なうのかと知的に分からせながら、練習を行なった直後に選手がその効果を感じやすい練習内容を追い求め、そのような内容を中心として指導しています。世間では、「この練習は良いはずだからずっと続けて練習していけばそのうち記録が伸びてくるよ」といった内容の練習が横行しているように感じています。そのために、前段階で強かった選手が伸びずに、怪我との戦いとなり苦しんでいるといった現象となることに気付きました。小中高校時は、体力さえつけてしまえば、発育発達の段階にあるわけですから、簡単に記録の向上につながります。ところがこのように早期に体力中心のトレーニングを行なった選手が、高校・大学段階以降になると、早期につけた筋肉が錘となり、走り・跳ぶ種目で伸び悩むのではないか、と考えるようになって来ました。全中で活躍した選手の動きをみると、体力トレーニング中心にここまで来た選手がかなりいるのではないかということに気付かされました。大人の練習内容をそのまま小中高の選手に指導しても、ずっと伸び続けるわけではないのではないでしょうか?


明後日から全中陸上

2017-08-18 20:53:53 | 日記

今年も全中陸上の時期となりました。全国から熊本に選ばれし選手・コーチたちが集合し、その腕前を競います。近年、特に、小中学校時代に強かった選手が、日本の陸上競技一流選手(日本選手権で決勝進出以上と、ここでは位置づけておきます)となる選手が少ないことに気付きました。いろいろな理由が挙げられます。よくある理由は、早熟であったということです。これには誰でも納得することでしょう。つまり、成長が早かったために小中学校時代には他の選手よりも良い競技成績を残すことができたものの、他の選手の成長が追いついてきた高校以降では、同じような競技成績を占めることができなくなってしまったというものです。それでは、早熟であった選手は、後年ではまったく伸びることはできないのでしょうか?

私は、後年伸びることができなくなってしまった選手の大きな原因には、進路先での指導法が大きな比重を占めているのではないかと思うようになって来ました。日本の陸上競技では、小学校から大学卒業後まで一人の指導者がずっと指導するという形態となっていません。この現象は、日本のスポーツ界では、そんなに珍しいことなのでしょうか?否、水泳競技などではそんなに珍しいことではないようです。一人の指導者が、才能があることを見出した選手を継続して指導する(選手が希望することが第一条件となるでしょうが)ことが日本の陸上界でできるようになれば、小中高校で、練習をやりすぎるということによる心身の焼ききれ現象を起こすような指導は、無くなっていくのではないかと考えるようになって来ました。プラス、小中高大と進んでいくことによる指導者の指導法の不一致という理由が消えてなくなっていくと思います。これはすなわち、今まで強い選手を集めて喜んでいた高校以降の指導者たちは、小学生選手の指導を行なわなくてはいけなくなっていくということです。この私の発想、いかがなものでしょうか?

アメリカの伝説的な指導者の記述を読んでいて、気付いたことがありました。その指導者は、一流選手を強くするだけでなく、指導者に否定され、拒絶されたような選手を受け入れ、普通の選手から一流選手に仕立て上げていくことを何度も実現していました。私は、これは日本の指導者にかけている発想ではないかと考えるようになって来ました。優秀な指導者であると自身が自負するならば、是非その指導法を用いて、やる気はあるのだけれども、指導者に恵まれない無名の選手、体格に恵まれない選手、を強い選手にする(全国大会出場以上にする)ことにもっと力を注ぐべきではないでしょうか?そうすることがその人の指導力向上にも必ずやつながるはずです。

全中に出場する選手には、是非、自己記録の更新を目標にがんばってもらいたいと思います。それにもう一つ、全国大会まで出場したのですから、全中出場者はスポーツエリートであるのです。その良いものをさらに伸ばそうと高校以降もスポーツ分野で努力を続けて欲しいものです。全国大会出場選手たちで進学した後に、記録が伸びなくて苦しんでいる選手たちへ。自信の才能がないと諦める前に、指導者・指導法を替えて、もう一度陸上競技に取り組んでみたらいかがでしょうか?全国大会でもよく名前をきく有名学校に進学した全国大会出場者から、オリンピック・世界陸上日本代表の選手が出ている割合が少ないことを知っている人は少ないのではないでしょうか。


強かった選手が消えていく理由

2017-08-09 22:35:54 | 日記

日本では小学校から陸上競技の全国大会が準備されています。近年、全国的に小学校の全国大会の予選会に参加する選手が増加しているように感じています。こんな面白くない陸上競技に興味関心を示してくれることは、喜ばしいことです。小中学生の陸上競技指導に関係してみて感じていることは、小中学校時代に強かった選手が、高校・大学と進むにつれて記録が伸びなかったり、怪我してしまうことにより競技に取り組むことを辞めてしまう例が多いことに気付きました。確かにこの原因は、早熟であったり個人のスポーツに取り組む姿勢に問題があったりということが原因である場合が存在します。しかし最近、日本における陸上競技指導の若年層を対象とした指導法に問題があるのではないかと考えるようになって来ました。

若年層の選手の記録を伸ばすのに一番簡単な方法は、筋力を中心として体力を向上させることです。ところが小中高校時代に体力を中心として記録を向上させてきた選手は、次の段階までは何とか記録を向上させることはできるようですが、次の次の段階ではほとんど記録を向上させることができていなくなることに気付きました。すなわち、もし小学校で体力トレーニング中心に記録を向上させた選手は、中学校までは記録が伸びるかもしれませんが、高校になるとまだ発育発達の途上であるにもかかわらず、ほとんど記録を伸ばすことができなくなっている、ということです。当然、例外的な選手は存在するかと思いますが。

もし、小中学校段階で才能を発揮する選手がいたならば、私がその時の指導者であるのなら、極力、筋力トレーニング・体力トレーニングを行なうことを排除します。このように育成することにより、体力要因の向上により記録を伸ばす機会を遅らせることができます。筋力は40歳を過ぎても伸び続けることが可能であるといいます。また筋肉はつけすぎると、動けなくなることが指摘されています。そのため、早い段階で筋力をつけて記録を向上させてしまうと、それ以降の段階で記録を向上させるためにさらに筋力をつけることは、筋力トレーニングにより大きくなった筋肉が鎧となり、鎧ををまとって走ることと同じ現象となっているのではないでしょうか。現在、日本では、筋力トレーニングが美化されすぎているように感じています。すなわち、強い選手は当然のように筋力トレーニングを行なっているという誤った情報です。このような誤った情報が、才能のある強かった選手が消えていく大きな原因になっているように思えてなりません。