Why don't we choke the alligator? / 広瀬量志郎

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Why don't we choke the alligator?

2007年02月01日 | LIFE
阿佐ヶ谷の家を完全に引き払った。
こんなに早く出るつもりは無かったから
部屋をけっこう改造してて大変だった。

CD棚を取り付けたはいいけけどネジ山がつぶれてて外れない。
包丁ホルダーも作ったけど外れない。
増設した料理スペースの後は汚れが落ちない。

あきらめかけてたら忍者のKさんがやってきて外してくれた。
Kさんはギタークラフトの学校に行ってたことがあるので
ちょっと良さそうなドライバーをつかってささっと外してくれた。

解体した電子ピアノも一人じゃ運べないなと思ってたら
お隣のサンハウスに住むNさんが一緒に運んでくれた。

やっぱり愛しの阿佐ヶ谷だ。

がらんとした部屋を眺めてたら1年前を思い出した。
ちょうど去年の今頃にこの部屋を見に来たのだ。
日当りが良くていい部屋だと思った。
路地の突き当たりで王様席なのもいい。
写真の明かりが点いてるのが僕の家だ。
かつての僕の家。

梶井基次郎の小説、タイトルは忘れた、が好きで
その主人公がこうゆう立地の家に住んでた。
『或る冬の日』やったけな?
『冬の或る日』やったか。
まあどっちでもいい。
最初見た時からそれを思っていたのだ。
窓を開けて、レコードかけて、外を見てるのが好きだった。

いま僕は女の人と住んでる。
煙草は換気扇の下じゃないと吸えないし
大音量で音楽聴く事もできない。
生活はすれ違ってるから週末くらいしか一緒に居る事はできない。
けど、まあ生活とはそんなもんだろうと思っている。
夜中に帰って静かに曲作ったりしてる。

いったい何をしに東京なんて来たのか。
音楽をやりに来たのではなかったのかと思いながら
いまになって一音一音がすごく愛おしく感じる。

メロディは無限の可能性がある。
曲を書きながら、浮かんでくる音はどれもこれも捨てがたい。
これもだめ、あれもだめと思った時もあったんやけど
今はこれもいい、あれもいいと思う。
今のところは。

でも生活というものがあるので音楽ばっかりやってるわけにもいかない。
だから夜中にひっそりやるのだ。
その短い時間に集中してる感じがけっこう悪くない。
短くても音に触れる喜びがある。

そんなわけで広瀬量志郎Why don't we choke the alligator?阿佐ヶ谷編、今回で終わりです。
読んでくれてありがとう。
また会う日まで、さようなら。