エイジ新潮社このアイテムの詳細を見る |
【エイジ 重松清】
山本周五郎賞受賞作品。
大好きな作家の一人である重松清さんの小説です。
中学校二年生の主人公・エイジ。
キレる少年。というのが作中の一つのテーマ。
中学校二年生の二学期というのは教師にとって一番難しい時期らしい。
子供でも大人でもない。
どちらに観られるのも嫌で、気持ちと反対の行動をとってしまう時期。
その頃の記憶を辿りながら読めたので面白かった。
当時、好きな女の子と一番したい事はセックスなんかじゃなく、登下校を一緒にしたかったし、
部活でもNBAの選手にはなれないと分かっていたけど色々なプレイを覚えて楽しかった。
親と一緒に旅行する機会も、話をする機会も減ったけど、親父の背中は大きかったし、お袋は優しさの形をしていた。
なんかそんなことが作中のエイジを通して思い起こされました。
同級生がすごく子供に見えて、そしてたった一つ上の先輩がすごく大人に見えた。
そういえばバスケ部の先輩のギターに憧れてギターを始めたし、
市で優秀選手賞をもらった時に騒がれた事や、
生徒会をやってた時に一つ下の可愛いハーフの女の子に告白されて嬉しかった事や、
運動会のリレーで好きな女の子に応援されて1位でバトンを渡してピースした事。
恥ずかしいんだけど、そんな中学校時代をちょっと思い出したりしてた。
ほんと今思うと子供だけど、愛おしくもある。
そんな事を思い出すきっかけを作ってくれただけでもこの小説に出会えて良かったと思った。
重松さんはこういった小・中学生を取り扱った小説も、
そして40代・50代を主人公にして取り扱った小説も、
どちらも深くてすごく好きです。