
Anotherで唯一誕生日が判明している生徒なんですよね


「これから梅雨入りしますが、傘の取り扱いにはくれぐれもご注意下さい」(久保寺先生風)
桜木さん、おめでとう~


綾野さん「ゆかり~、お誕生日おめでとう

桜木さん「えっ?

目の前に綺麗にラッピングされた小箱が現れ、面食らう桜木さん。
今日が誕生日だという事は判っていたけど、いきなりのタイミング…。
書いていたプリントから目を離し、声の方向を見上げると綾野さん以外にもクラスメートの姿があった。
小椋さん「はい、プレゼント」
桜木さん「あ、ありがとうございます…」
綾野さんのプレゼントより小振りな小箱は、ピンクの可愛らしい包装紙でつつまれていた。
ああ、小椋さんらしいなあと思って少し嬉しくなる桜木さん。もちろんプレゼントも嬉しいけれど。
赤沢さん「おめでとう、ゆかり。私からも」
目を細めて微笑む赤沢さんからは、純白のぬいぐるみを手渡された。
桜木さん「わ、ありがとう。可愛い~


赤沢さん「ふふ


ドヤ顔で腰に手を当てている赤沢さん。確かに手触りや艶から気品が感じられる。
薄っすら涙が滲んだ目じりに指を触れながら、最高の笑顔で…
桜木さん「あの…、みんな、本当にありがとうございます。大事にしますね!」
大事にしよう…このプレゼントを。みんなと共に過ごすこの瞬間を。
ハッピーバースデイ

