彼との出会いで初めてドミナントとサブミッシブという言葉を知ったと思う。
単なるSMではない支配と服従の関係性。
もともとMである自覚はあったけれど、
単なる興奮材料といった程度で叩いてほしいとか罵倒されたいとかそういった欲求はなくて、少し焦らしてほしいとか少し無理やりしてほしいとか。
もちろん今までお付き合いしてきた人も、旦那も、
あんなに依存していた妻帯者の彼も
そういった一般的に言われるSではなったように思う。
彼の最初の印象は、考えを言葉にするのが上手だな。という感じ。
長文で人によってはめんどくさいほどの濃い内容だけれど、
読み込んで引き込まれてしまったので連絡してしまった。
具体的に何をしたいかは書いていなかったけれど、
どうやら恋愛とは切り離してD/sというものを考えているらしかった。
お互いの素性はもちろん明かさないで
簡単な自己紹介をして、どういった関係を望んでいるかを聞いたら
むやみに傷つけることよりも相手との関係性の中で精神的に服従させることに重きを置いていると。
日常的に服従させるというよりも、会っている時の非日常での主従関係。
痛みを与えたいというよりも、自分のために努力する姿を見るのが好き。
という感じで、
与えられることだけ受け入れる相手は魅力がない、彼の喜ぶことを自ら考えて望み、それが相手の望むことになるのが理想。
難しいけれど綺麗な敬語で丁寧に説明してくれた。
セックスがしたいわけではないというのに若干疑念を抱いたけど、
それが目的ではなくあくまで従順にしているとか、自分との関係を楽しんでいる女性に魅力を感じるというようなことを話してくれた。
そもそも恋愛を望んでいないので、
そういった関係を望むなら答えられないと言った。
相手の年齢や容姿にもそこまでこだわりはないようで、
それよりも清潔感やこれから自分のために努力するような相手を望んでいた。
今は特定のパートナーがいなくて、数人やり取りもしたそうだが
会話のフィーリングだったり、お互いの希望が合わずにいる。
そして文字だけのやり取りが長くなると
お互い話すことがなくなり会うことができないのが常だと言っていた。
なので早めに会う機会を作りたいとのことだった。
人通りのある所で待ち合わせをし、
気に入らなければそこまでにしましょう。と。
経験人数はそこまで無いようで、関係を継続したのも数人とのこと。
恋愛関係を望まれて応えられないことを理解してもらえなかったり
物理的に距離が離れてしまったことで終わったらしい。
どこまで本当かはわからないけれど、
すらすらと返事がきたのでうそをついているような印象は持たなかった。
感染症のリスクに関しても、
住んでいる地域は感染がほぼ出ていないとのこと。
はっきり言ってそういう関係になるということは
新型ウイルスだけでなく、性感染症のリスクもある。
なので不特定多数、よく言う多頭飼いもするつもりはないらしい。
こちらも同じような境遇なので
会う日までに状況が変わらないようなら、
一度会ってみましょうか。ということに。
なんとここまで2日、実際会ったのが4日後。
もうノリと勢いを勇気のみで。
待ち合わせ場所に現れたのは、飾りっ気のない、
写真より随分と優しそうな、まさか主従関係を望んでいるとは到底思えない
青年だった。
お互い緊張していたと思うが、わたしの方がより緊張していたと思う。
車中で少し話して、綺麗な人でよかったです。と言われて
悪い気はしないよね。だって7つも年下の若者。
身体の相性を試そう。的な事じゃなくてこれからどういったことをするのか
体験してみませんか。嫌なことはしません。
終始敬語で落ち着いた話し方。ほんとに経験少ないのかな。
ホテルに移動してお互いシャワーを浴び、話す。
緊張しないでください。いきなり襲ったりしません。
いやぁむしろこの微妙な距離とその敬語が緊張をマックスにするんですが…
映画を見ながら話していたけど、徐々に距離が近づくのが分かった。
抱きしめられると意外と嫌悪感はなくて安心感があったように思う。
潔癖気味でキスするのが嫌いなのだけれど
こんなこともなく(むしろそういう関係性でキスとかしないのかな)とか
余裕がでてきたことろで考えていた。
肌きれいですね。
いや、三十路のおばさん捕まえてやめてくださいよ…
ほんと調子狂うな…
その後何かそれなりに触られたけれど
イメージのSMって感じではなく色々反応を試しているらしかった。
もちろんいたすこともなく、ただただ弄ばれた感じ。
大丈夫ですよ。辛くないですか。
終始敬語、そしてとても冷静な口調で。
本来全然いけないので彼には申し訳ないけれど…
それも事前に伝えていて
絶対演技しないでくださいね。
と念を押されたので自然に振舞った。
後日聞いたら、キスはこういう関係性だからしたくないのではなく
彼も苦手だとのことでそこは安心。
わたしが苦手なことを察してハグをしてくれていたらしい。
セックスも結局果ててしまえばよく言う賢者タイムになってしまって
楽しめないのでどうでもいいそうだ。
そもそもわたしが望まないなら別に問題ないし望むなら与えよう的な。
だいぶイメージと違うと思いますけど。
と言っていたのでこういうことかと妙に納得した。
けれど、少し見上げた時のじっと見つめる目線とか
手で目隠しされる感じとか
そのまま照明を明るくして羞恥を楽しんでいる感じとか
ほかにも未体験の事が繰り広げられすぎて理解が追い付かなかった。
あっという間に5~6時間くらい経ってて
もうどうにでもしてくださいという…
こうやって支配されていくのかな。
どうやら気に入ってくれたらしく、仕事や距離の関係で
月1、2くらいでお会いしたいです。
ということだった。
お互いのプライベートには踏み込みすぎない。
嫉妬しない。
連絡の頻度も密である必要はない。
日常的に指令を下して報告を強要することもない。
こちらは婚姻関係が継続しているかもあやしいので時間はあるし、
金銭的にも一切負担はかけないです。とのことなので
良い方は悪いけれど都合がいいと思った。
これからどうなるか分からないけれど
人生一度きりなので一日でも若いうちに
彼に好きなようにされるのも悪くない。
こうやって始まったのだけれど
それから1週間。
連絡も毎日、意外とまめにしてくれる。
仕事、家族のこと、学生時代の話、趣味や趣向のこと。
内容は多岐にわたる。
おはようおやすみ的な挨拶もなく淡々と毎日続ている感じ。
彼の言うプライベートが何を指しているのかいまいち分からないけれど
嫉妬や悪意ある詮索は本当に嫌いらしい。
過去に色々あったのだろうとは思うけれど、
そもそも恋愛対象ではないのでこちらも聞く気がないし、興味がない。
性的嗜好に関しても何をしたいとか、どんなことに興奮するといった
具体的なことばはなくて、
総合するとペット的に可愛がりたいのかなと勝手に思っている。
あまりにも丁寧な話し方なのでこちらから敬語をやめてほしいと伝えると
最初より少しは若者らしい
こちらの年齢をいじるようなことも言うようになった。
立場的に優位に立たれるのが嫌いなようなので
あくまで年上のお姉さんスタンスは出さないようにして
こちらは敬語で話している。
楽なのが、電話をしなくていいところ。
若者だからなのか、お互い一人暮らしではないからなのか分からないけれど
あまり電話は好きではないのでそこの価値観も合致している。
次会えるのはいつになるか分からないけれどこれからが楽しみ。
お互いに都合のいい関係。それでいいと思っている。
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