M先生から何か言われた副校長先生は holly の方に向き直り
「今のはもうひとりの生徒じゃった。君は無期停学だ。」
と言い直された。
平然と。
これって一体何なん?
ワザと?
考えている間もなく副校長先生は続けられた。
「君はイジメをしておもしろいか?」
イジメ?
私の思考回路は、もはや故障寸前だった。
「はい。」
「中学校の時からイジメとったんか?」
「はい。」
「悲しい事よのぉ?」
「はい。」
「N君は君に言われたから服を脱いだと言っとる。君を相当恐れとる。」
「はい。」
何を言われても 「はい。」 としか言わない holly。
その後も副校長先生の話は続いたけど
もう私の耳には副校長先生の声は入ってこなかった。
とにかく最後まで 「はい。」 としか言わない holly の声だけが聞こえていた。
あれは “イジメ” だった?
熱湯を張ったのはN君自身だったのに?
もしかしたら立場は逆になってたかもしれないのに?
しかも holly がずっとイジメてた?
何で holly は 「はい。」 しか言わんの?
半分放心状態のまま別室に戻り
S君の言い渡しが済むのを待たされた。
S君母子の言い渡しが済み、一緒にM先生が私達の待っていた別室に入って来られた。
「お前らのぉ、ほんまにとんでもないことしたんで!
今回の処分は殆どの先生が “厳罰” にするべきじゃいう事に賛成して手を上げた。
ワシも手を上げた。厳罰じゃ言うて手を上げた。
ワシが親じゃったら、お前ら絶対に許さんけぇの!」
この先生は本当に普通じゃないと思った。
しかも、殆どの先生が “厳罰” に賛成?
もし、全ての状況を知っていてその結果なら
この学校の先生達もみんなおかしいと思った。
けれど担任の先生が 「自分が何とか立ち直らせるから厳罰にはしないで欲しい」
と言ってくださり今回の処分が決定したらしい。
M先生と入れ替わりで担任の先生が来られた。
「処分の内容は分かっとるの?
holly 、お前は中学からの流れがあるんじゃけぇ特に気を付けるように。」
この晩、その事を家で話すと holly の妹で中3のウサギが言った。
「その先生が holly の中学時代の何を知っとるん?!」
その日、 holly に聞いたのはもちろん “イジメ” の事。
「N君の事、イジメとったん?」
「そりゃぁ、他のヤツらがかまっとる時に一緒になってかまった事はあるよ。
でもちょっとだけで、他のヤツらと比べたら全然よ。
でもそれをNが “イジメ” じゃ言うたらそれはもう “イジメ” なんよ。
けど、怖がっとる言われるのは理由がわからん。
オレはそんとに怖がられるような事は何もしとらん。
中学校の時にNをロッカーに入れた事があるか?いうて担任の先生に聞かれたけど
オレ、Nを入れた事は記憶にないんよ。
3年の時にロッカーに入れるのが流行ってその時に入れたヤツは覚えとるけど
Nと一緒のクラスじゃったのは2年の時じゃけぇね。
でも、Nが “入れられた” 言うんならそれでええよ。」
他の子に蹴られたボールが顔面に当たって鼻血を出し
トイレに居たN君に 「保健室に行くか?」 と声を掛けてやったこともある
と holly は言う。
けど、N君が “イジメ” だと言えば
それは全て “イジメ” になるのだという事を holly は知っていた。
そういう認識が無かったのは私。
N君が holly にイジメられていたという事はもう否定できないんだと納得するしかなかった。
「 “イジメはおもしろいか?” って聞かれて “はい” って答えたのは何で?」
「かまったことがイジメじゃろ?
で、そのかまっとる時にコッチは笑っとるんじゃけぇ
それは “おもしろい” いぅ事になるじゃろ。」
確かにその通りだ。
直球しか投げられない holly の正しい(?)判断だった。
「でも、今回の事を “イジメ” じゃ言われて悔しくないん?」
「オレは何言われてもええんよ。
イジメじゃ言われたら全部イジメになるんじゃけぇ、それでかまわん。
そんな事よりOがM(先生)に言われた事の方が腹立つんよ!」
「今のはもうひとりの生徒じゃった。君は無期停学だ。」
と言い直された。
平然と。
これって一体何なん?
ワザと?
考えている間もなく副校長先生は続けられた。
「君はイジメをしておもしろいか?」
イジメ?
私の思考回路は、もはや故障寸前だった。
「はい。」
「中学校の時からイジメとったんか?」
「はい。」
「悲しい事よのぉ?」
「はい。」
「N君は君に言われたから服を脱いだと言っとる。君を相当恐れとる。」
「はい。」
何を言われても 「はい。」 としか言わない holly。
その後も副校長先生の話は続いたけど
もう私の耳には副校長先生の声は入ってこなかった。
とにかく最後まで 「はい。」 としか言わない holly の声だけが聞こえていた。
あれは “イジメ” だった?
熱湯を張ったのはN君自身だったのに?
もしかしたら立場は逆になってたかもしれないのに?
しかも holly がずっとイジメてた?
何で holly は 「はい。」 しか言わんの?
半分放心状態のまま別室に戻り
S君の言い渡しが済むのを待たされた。
S君母子の言い渡しが済み、一緒にM先生が私達の待っていた別室に入って来られた。
「お前らのぉ、ほんまにとんでもないことしたんで!
今回の処分は殆どの先生が “厳罰” にするべきじゃいう事に賛成して手を上げた。
ワシも手を上げた。厳罰じゃ言うて手を上げた。
ワシが親じゃったら、お前ら絶対に許さんけぇの!」
この先生は本当に普通じゃないと思った。
しかも、殆どの先生が “厳罰” に賛成?
もし、全ての状況を知っていてその結果なら
この学校の先生達もみんなおかしいと思った。
けれど担任の先生が 「自分が何とか立ち直らせるから厳罰にはしないで欲しい」
と言ってくださり今回の処分が決定したらしい。
M先生と入れ替わりで担任の先生が来られた。
「処分の内容は分かっとるの?
holly 、お前は中学からの流れがあるんじゃけぇ特に気を付けるように。」
この晩、その事を家で話すと holly の妹で中3のウサギが言った。
「その先生が holly の中学時代の何を知っとるん?!」
その日、 holly に聞いたのはもちろん “イジメ” の事。
「N君の事、イジメとったん?」
「そりゃぁ、他のヤツらがかまっとる時に一緒になってかまった事はあるよ。
でもちょっとだけで、他のヤツらと比べたら全然よ。
でもそれをNが “イジメ” じゃ言うたらそれはもう “イジメ” なんよ。
けど、怖がっとる言われるのは理由がわからん。
オレはそんとに怖がられるような事は何もしとらん。
中学校の時にNをロッカーに入れた事があるか?いうて担任の先生に聞かれたけど
オレ、Nを入れた事は記憶にないんよ。
3年の時にロッカーに入れるのが流行ってその時に入れたヤツは覚えとるけど
Nと一緒のクラスじゃったのは2年の時じゃけぇね。
でも、Nが “入れられた” 言うんならそれでええよ。」
他の子に蹴られたボールが顔面に当たって鼻血を出し
トイレに居たN君に 「保健室に行くか?」 と声を掛けてやったこともある
と holly は言う。
けど、N君が “イジメ” だと言えば
それは全て “イジメ” になるのだという事を holly は知っていた。
そういう認識が無かったのは私。
N君が holly にイジメられていたという事はもう否定できないんだと納得するしかなかった。
「 “イジメはおもしろいか?” って聞かれて “はい” って答えたのは何で?」
「かまったことがイジメじゃろ?
で、そのかまっとる時にコッチは笑っとるんじゃけぇ
それは “おもしろい” いぅ事になるじゃろ。」
確かにその通りだ。
直球しか投げられない holly の正しい(?)判断だった。
「でも、今回の事を “イジメ” じゃ言われて悔しくないん?」
「オレは何言われてもええんよ。
イジメじゃ言われたら全部イジメになるんじゃけぇ、それでかまわん。
そんな事よりOがM(先生)に言われた事の方が腹立つんよ!」