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くまのほそぼそ日記!

ここは、私くまが何か『言いたい事』を書いていくので、どうか『ほそぼそ』と見守りください。

映画『ジャンヌ・ダルク』を見て。

2006-05-19 15:01:42 | くまの映画感想文。

         

©1999 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. & Sony Pictures Entertainment(Japan) Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

この作品は1999年公開当時拝見をしました。また、この日記では初めてリュック・ベッソン作品を書きます。

現在公開中の映画アンジェラから6年前に作られて、彼が描くジャンヌ・ダルクとは一体何なのか。拝見しました。

ストーリー

時代は1412年ころのフランス。ジャンヌ・ダルクはドンレミ村で小作農の末娘として生まれた。当時のフランスはヘンリー5世を戴くイギリスと英仏百年戦争のまっただ中にあった。しかも、ブルゴーニュ派がイギリスと組んで内戦状態にあり、まさに滅亡寸前。もはや、この状況を救えるのは奇跡だけだった。
 13歳の少女ジャンヌは暇さえあれば教会の告解室に入り浸っていた。彼女はここにいると心が落ち着いた。ここに来れば"彼"と話せるような気がした。

 ジャンヌはのどかな村で花畑を駆けめぐり、羊の群と戯れて遊んだ。そして、度々天上の声を聞き、不思議な幻影を見た。ある日、草原に寝転がって幻想の世界にいたジャンヌがふとわれに返ると、村がイギリス軍に襲われて火の海になっている。あわてて家に帰り着いたジャンヌを、姉カトリーヌは戸棚にかくまった。しかし、カトリーヌは兵士たちに見つかって殺された後、犯される。ジャンヌは怯えながら、その一部始終を板の裂け目から見ていた。

 ジャンヌは親戚に引き取られて隣村に行くことになった。彼女はここでも真っ先に教会に行って懺悔する。姉は自分を救うために殺された。自分を責めるジャンヌに神父は復讐の無益を説く。ジャンヌはこの時、神への帰依を誓うのだった。

 時は流れ、17歳になったジャンヌは神の声を受けてシノンの城にいる王太子シャルルのもとへと向かった。彼女はもはや自分が神の使者であることを信じて疑わなかった。城には若い男爵ジル・ド・レやジャン・ドーロン、アランソン公ら、主だった臣下が集められた。

 シャルルはジャンヌを警戒してドーロンに王を装わせるが、彼女はこれを見破り、太子をみつけて彼こそフランスの正統な君主であるとの神の意志を伝える。そして、オルレアンの敵の包囲を解くために自分に軍勢を与えるように言う。シャルルの義母ヨランド・ダラゴンや重臣たちは、怪しみながらもジャンヌの中に不思議な資質と抗うことのできない説得力があるのを認めざるを得なかった。彼らはジャンヌが処女であることを確認した上で、彼女が神の使者だと認め、軍を率いることを許す。

 前線では、"オルレアンの私生児"ことデュノワ伯ジャンや、"怒り"を意味する"ラ・イール"と通称されるエティエンヌ・ド・ヴィニョール(リチャード・ライディングス)らがジャンヌを待ち受けていた。ジル・ド・レ-やジャン・ドーロン、アランソン公らも隊に加わった。白い甲冑に身を固めたジャンヌは、少女の姿を笑う男たちに憤って髪を切り、沈滞ムードに浸っていた兵士たちを鼓舞する。そして、旗を携えて馬にまたがり先頭に立って敵陣に向かう。その勢いに押されて後退を始めるイギリス軍。砦の中に攻め込むフランス軍。それは劇的な勝利だった。

ジャンヌは進軍を続けた。疲弊した兵士たちも彼女の霊感に勇気づけられ、活力を取り戻した。しかし、敵の逆襲は凄まじかった。城塞から放たれる石の砲弾。傷つき、倒れる味方の兵士。空を舞う血まみれの首……。戦況を開こうとして、城壁にかけたはしごを登り始めたジャンヌの胸を矢が貫く。遠のく意識の中で、ジャンヌはいつものように幻想を見、姉の死を思い出していた。
 翌朝、奇跡的に命をとりとめたジャンヌは、兵士たちを叩き起こして戦闘の再開を命ずる。敵は"甦った"ジャンヌに恐れおののいた。再び激しい戦いが始まった。ジャンヌは地獄のような光景を見ながら、神と対話していた。戦いはフランス軍の勝利に終わった。しかし、彼女の目の前にあるのは死体の山。これが"勝利"なのか? 彼女は懊悩する。そして、ヘンリー王に撤退を促す書簡を送ると、やがてイギリス軍は退却を始めた。

 町を解放したジャンヌを民衆は歓呼で迎えた。ランスでは荘厳な戴冠式が執り行われ、フランスの君主シャルル7世が誕生した。

 ジャンヌはさらにパリへと進撃を開始する。しかし、シャルルは十分な兵も兵糧も与えようとはしなかった。兵たちは疲弊していた。戦況は芳しくなく、一方、王の周りでは新たな思惑が進行していた。ジャンヌの人気が王の権威を傷つけることを恐れたヨランド・ダラゴンや重臣たちは、彼女を敵に売ろうとしていたのだ。

 コンピエーニュで孤独な戦いを続けていたジャンヌは、泥の中に倒れ込んだ。彼女は幻想の中にいた。"彼"や少女のころの自分、空を流れる星、壁を覆って広がる蔦……。やがてそこに、黒い頭巾をかぶった謎めいた男=ジャンヌの良心が現れる。気がつくと、ジャンヌはブルゴーニュ派の囚われ人になっていた。

 ブルゴーニュ派からイギリス軍に売り渡されて牢獄に繋がれたジャンヌは、黒頭巾の男と対話していた。男は問いかける。本当に神が使者になるように言ったのか? 戦うよう命じたのか? 自分のエゴを満足させるため、姉の復讐をするための流血だったのではないか? それはジャンヌが自らに問いかける疑問だった。男はジャンヌの"良心"の象徴でもあった。

 ジャンヌは異端審問にかけられることになった。彼女は男装を解かれ、牢獄で獄吏たちから暴行の脅威にさらされ、法廷では脅迫や誘導尋問が続いた。そして、最後には命と引き換えに異端放棄宣誓書を書かされる。その間にも"良心"は度々ジャンヌの前に現れて、彼女の心の真実を突いた。ジャンヌは神と向き合い、自分と向き合い、そして、宣誓書を破り捨てた。それが、彼女が選び取った自分の運命だった。やがて、火刑台に上ったジャンヌの体を赤い炎が包み込んだ。1431年、ルーアンで、死去。

その後500年後。彼女はバチカンから聖人の列に加わった。

この作品の感想は、この1400年代にイギリスとフランスとの100年の戦いで、一人の少女が巻き込まれ、最後には火やぶりの刑で亡くなるという悲しい出来事で見ると、本当に可愛そうだなって思いました。日本の時代に照らしあわすと、室町時代後期から戦国への時代にさしかかるということを思うと、何だか「辛い」という一言しか出てきません。

でも、一人の少女がフランスに勝利をもたらした貢献度はとても高いと思いますね。是非、機会があれば、DVDで見てください。

この作品の評価は10点万点中7点です。

ジャンヌ・ダルク

スタッフ

監督:リュック・ベッソン
製作:パトリス・ルドゥー
脚本:アンドリュー・バーキン
音楽:エリック・セラ
撮影:ティエリー・アルボガスト
編集:シルビー・ランドラ
衣裳:カトリーヌ・レテリエ

キャスト(声の出演)

ジャンヌ・ダルク: ミラ・ジョヴォヴィッチ (朴 路美)
シャルル7世: ジョン・マルコヴィッチ (土師孝也)
ヨランド・ダラゴン: フェイ・ダナウェイ (沢田敏子)
ジャンヌの良心: ダスティン・ホフマン (有本鉄隆)
ジル・ド・レ : ヴァンサン・カッセル (中田和弘)

字幕翻訳:松浦美奈      吹替翻訳:井場陽子

本編:2時間38分       協力:日本ビクター&日本テレビ放送網

配給:ソニー・ピクチャーズエンタテイメント(ジャパン)