集会・パレード実行委員会

武田薬品工業湘南研究所(P3、バイオ、動物実験などの巨大研究施設)に立ち向かう市民の会

竣工式と見学会の様子

2011-02-26 12:15:26 | その他
2月19日(土)に武田薬品は、湘南研究所の竣工式を行いました。
また翌日20日(日)には、武田薬品関係者や近隣住民に案内状を配布したほかに、研究所のHPにも掲載し、広く市民に呼びかけて見学会を催しました。

この両日の様子のレポートです。


新研究所竣工式会場の正門前で市民が「公害防止」をアピール

2月19日(土)午前に、武田薬品は松沢知事らを迎えて湘南研究所の竣工式を行った。

対してバイオ研究所の公害の危険性などを訴えてきた各市民団体や個人が、研究所の正門前に3~40人程集まり、横断幕やプラカードを掲げ、ハンドマイクを用いて市民の意見をアピールし、ちらしを通行人に配った。
5日前に武田薬品と藤沢市、鎌倉市が急遽締結した「安全」協定の問題点を指摘し、また大量の実験動物を計画していることを問題として、「P3実験を住宅地でするな」「実験動物を大量に殺すのをやめて」などを竣工式に参列する来賓、通行人や通過する車両に訴えた。
他方、新研究所内では竣工式が行われた。翌日の新聞各紙および当日夜のテレビ神奈川によると、武田薬品長谷川社長が招待した来賓で、松沢県知事、海老根藤沢市長および松尾鎌倉市長が祝辞をのべたことが報じられている。

本格稼動は10月であることが明らかになった。



湘南研究所正門前で、稼働や協定内容に向けて意見をアピールする市民たち





新研究所の見学会について

 竣工式の翌日、2月20日(日)午前10時~午後3時の間、武田薬品は周辺住民を始め広く市民に新研究所の見学会を行い、巨大な研究所のごく一部を公開した。

 アリナミン工場時代のOBとそのご家族の方々をはじめとして5千人程の見学者が訪れた。
10階建て、総床面積は約31ha.とのこと。見学会で配られたA4サイズ18ページのカラー写真で構成された冊子から、事務スペースと、化学合成ないし生化学実験室と、動物実験室とが、総床面積を三等分していることがわかる。
見学コースに沿って紹介された実験室は、第6研究棟3階の生化学実験室と第2研究棟3階の化学合成実験室であって、動物実験室については見学できなかった。
OBとそのご家族の方々をけして非難する訳ではありませんが、公開もOBの方々に好まれるる部分だけ、交流とか意見交換もOBの域を出ない方々とだけであっては、良好な環境も公害も守られるはずがありません。広範な市民および学識経験者の参加する安全協議会の設置が不可欠です。

武田薬品湘南研究所問題とは??? ver.2

2011-02-26 12:07:24 | 武田問題って何?
本ブログ開設時に、武田薬品湘南研究所の問題とは何かについて、記事を書きました。
今回は、新たな問題や解決に向けて動いているもの、その他について、追記することにしました。



~武田薬品湘南研究所問題・早分かり~

 神奈川県藤沢市・鎌倉市の両市にまたがる25haの敷地に建設された巨大創薬研究施設です。
敷地はかつてアリナミン製造工場として、武田薬品工業が活用してきた土地でしたが、平成16年(2004年)工場を廃止した後、
平成18年(2006年)、神奈川県の助成80億円の下に誘致を受け、平成21年(2009年)あらたに創薬研究所として当地に建設が
始まりました。
そして本年(2011年)2月19日には、研究所の竣工式が行われました。また、研究所の本格操業は本年10月になることが明かされました。

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この研究所のおもな問題は何か?

<排水問題>

 研究所から排出される汚染された水が、研究所内で循環再利用されることなく、化学合成系実験室排水も動物実験ならびに
生化学系実験室排水も一定の処理は為されるものの大量の排水で希釈され、濃度さえ薄ければ良しとされ、有害化合物や微生物が
希釈されただけで、そのまま一般下水道を通り家庭から出る水と同じように浄化センタを経て境川に流出し、江ノ島の海に流されて
海を汚染する公害が心配されること。
武田薬品の様な研究所排水は藤沢市の大清水浄化センターへは受け入れないと取り決めた住民協定があり、現在、住民が、藤沢市を
被告に研究所排水の受け入れ差し止めの裁判を起こしている。


<排気問題>

 病原体など有害物質が排気といっしょに実験室から放出される危険性が危惧されること。
実験室で汚染された空気が、研究所の屋上から強制的に排気され、辺りを吹く風により ダウンウォッシュ現象が起これば、
近隣の排気が住宅地に流れ落ちてきて、排気が停滞したり、地形に沿ってかなり遠方まで移動し広がる可能性が非常に高いこと。


<P3施設>

 P3実験室が設けられ、P3レベルの危険な病原体などを扱う恐れのある研究所であること。


<巨大な動物実験施設>

 15棟ある研究棟のうち7棟が動物実験に関係する棟であり、研究所実験室面積のおよそ半分、10haの広さが動物実験室に充てられ、
1日に最大900kgの実験動物の死骸が出る、日本最大の動物実験施設になること。


<研究所設置環境>

 このような巨大(国会議事堂2つ分)で危険な研究所が、住宅地のど真ん中に建設されていること。 
住宅地の中には、総合病院、JRの線路、学校や公民館なども近くにごく普通に設置されていること。

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などです。


そして、2011年2月の研究所の竣工式を前に、武田薬品と藤沢市、武田薬品と鎌倉市とで、環境保全協定が結ばれた。
市民は協定の当事者とされず、その協定の中には、市民の声は極めて不十分にしか反映されていません。
そのため、市民の多くが要求している、「協定書内に住民が選出した専門家も加えた、市民参加の安全協議会の設置」や
「このような住宅地の真ん中でP3,P4レベルの危険な病原体を扱う研究を一切しないでほしい」
「動物実験の内容を明らかにし、大幅に削減してほしい」という要望が取り入れられていません。

近隣住民、藤沢・鎌倉市民は、将来に向けて湘南の地で公害が起こることのないよう、 湘南の海、山、自然を守るために、
また、なによりも人々の生命と健康、生活を守るために、 武田薬品や行政との話し合い、市民活動などを行ってきています。

この問題は、「集会・パレード」も含め、今後何十年にもわたって目を向けていかなければならないことです。

2月19日起工式、2月20日見学会に向けて

2011-02-15 15:13:45 | 実行委員会からのお知らせ
本ブログでもお知らせいたしましたとおり、1月30日に「市民参加の安全協議会を求める」集会とパレードが行われました。

しかし、多くの市民の安全協議会設置要求にもかかわらず、2月14日(月)、武田薬品と藤沢市・鎌倉市は「武田薬品研究所の環境保全協定」に調印してしまいました。

今回の協定では、動物焼却炉の外部委託は明記されましたが、P3実験では市と武田の協議によって開始可能の例外規定が設けられ、私たちが現時点でもっとも強く要求していた「市民参加の安全協議会」は近隣自治会・町内会役員との連絡会に留まり市民参加の安全協議会設置は盛り込まれませんでした。

市民が広く参加することができないということは、武田薬品湘南研究所や両市に対し、私たちは安全を保証させるための意見や異議を発することができないことを意味し、市民の生活環境、さらにはもっと広域市外の人々への生活環境、両市と武田のみで取り組み、連絡会(会議)があれば近隣自治会、町内会の一部の方だけが連絡を受け、意見交換などを行うに留まることとなります。
まして、実験動物の飼育環境やその取り扱い方などについては、金輪際、協議される余地など無いといっても過言ではないと考えられます。

住宅街に建設された、アジアでもっとも巨大とも言われる創薬研究所、動物実験施設が、このような内容の協定で良いのでしょうか?

武田薬品は、2月19日(土)、松沢知事や海老根藤沢市長、松尾鎌倉市長、近隣自治会役員などを招待して竣工式が行われることを発表しました。

私たちは、市民の意見を聞かない武田のやり方や協定書の調印に対し、19日の竣工式 20日見学会に向け、あらためて「市民参加の安全協議会設置」を要求する行動を行いたいと思います。
詳細は以下のチラシに記載してありますので、市民のみなさん、また将来を考える多くのみなさん、動物を過酷な環境から守ろうと努力されているみなさん、たくさんの方がお集まりいただき、行動したいと考えます。

こうした行動を通じてこそ、竣工式以降も市民参加の安全協議会設置要求や排水・排気、動物実験問題に付いての要求の実現に向け、運動が継続してゆくのだと考えます。
万障お繰り合わせの上多数ご参加頂きたくご案内します。



<竣工式、見学会に向けた宣伝・要請行動>

・2月19日(土):竣工式当日の宣伝行動
 9:00~11:00
 湘南研究所正面正門前での要請行動
 チラシ配布や横断幕、看板・プラカードを持参し、竣工式参加者、通行人、脇を通る湘南電車乗客等に訴えます

・2月20日(日):見学会での宣伝行動
 10:00~12:00
 湘南研究所正面正門前での宣伝行動
 見学会参加者に対して、チラシの配布を行います。
 見学を希望される方は、1時間交代でチラシ配布と研究所見学を行います。
 (武田薬品は、10:00~15:00まで研究所の見学会を実施をすると発表)



2月10日の集会/パレード実行委員会会合報告

2011-02-13 23:36:58 | 実行委員会からのお知らせ
2月10日の夜に、集会/パレード実行委員会の会合が開かれました。

1月30日に行われた「市民参加の安全協議会を求める」集会とパレードの反省会を行った。
また、環境保全協定の最終案が藤沢市(2月1日)、鎌倉市(2月9日)と、両市のHPに出揃い、締結に向け緊迫した状況が話されました。


両市の環境保全協定最終案

藤沢市
http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/khozen/page100166.shtml
鎌倉市
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kan-hozen/takeda_kyotei-last.html



1、1・30集会/パレードの反省として、

(イ)集会での発言の内容がわかりやすく、よかった。焼却炉は外部委託になったが他の問題が残っている。
(ロ)1・30に向け近隣の方々にもいろいろお誘いしたが、焼却炉問題が決着して少人数しか参加されず、1回目の12・5よりも大幅に少ない90名余りの集会だった。
   残された焼却炉以外の問題にどう取組むか、考えの違いが今の状況になって現れた。
(ハ)パレードでは、寒さの中を笛の音やリズム楽器の音に合わせて、きっちり1時間半を元気にパレードできた。
   P3実験をやるな! 大量実験動物の削減を! 汚れた空気の放出と排水の下水道放流の問題! これらを含め公害を防ぐには
   安全協議会の設置が必要だと、総合病院の前は中断しつつ、街道で訴えることができた。


2、当面の課題、新研究所竣工式に向けて、

2月19日(土)の武田薬品竣工式行事は午前中に知事らを招待して行われるので、プラカードと音声で市民要請をアピールする。
(武田問題対策連絡会が宣伝の詳細を準備中であり、実行委員会はできるだけ広く、市民に対策連絡会の要請宣伝活動への支援を呼びかける。)


3、今後の予定、次回の会合、

(イ)協定締結後に、市民の関心、周辺・近隣の関心がどう動くかを知り、計画を検討することが必要。
   協定最終案では、昨年末の説明会で市民が要望した安全協議会と違う、「地域交流会」的な意見交換の場が覚書の中に書かれていて、広範な市民や専門家の意見が除外される方向にある。
(ロ)3月後半からは従業員世帯も引越をしてくるであろう。稼動準備が進むことになろう。
   次回の集会/パレード実行委員会の会合を、3月5日(土)18時から市民活動推進センターで開催する。

以上が、2月10日の会合の主な内容です。

今後、安全協議会と違う、連絡会議や連絡会の運営において、市民の生命と財産の保護ならびに良好な環境を保全するとの観点で、広範な市民や専門家の意見が除外されるとか、市民の傍聴が妨げられるとかの場合には、行政の施策として社会的責任と公平に反する行政措置との批判が生じることになるであろう。
(文責・平倉誠)