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第2回高松国際ピアノコンクールを定点観測している。

一般人による、一般人のための国際ピアノコンクール入門、を目指します。

結果を見て思ったこと

2010-03-20 13:30:37 | 日記
予想が外れた、残念、とかそういう気持ちはあまりありません。

自分の感性と公式の結果に、どのくらいズレがあるのか?の確認作業のような意味合いが大きかったので、予想が外れたことの残念さではなく、むしろ「気に入った演奏がもう聴けなくなる」残念さ、「気に入らなかったのに予選に通ってしまった」残念さなら感じています。

No.30ジュ・インチの演奏は、名演だと思ったんですがねえ。前向きなリズム感でかゆい所に手が届くような気持ちよさが私の琴線に響き、本当に好きでした。

逆に、香川勢は正直どの人も好みではなかったです。ある意味香川らしい、丁寧で悪くないんだけどイマイチ殻を破れていない感じのするところが。

予選3日目

2010-03-19 17:45:38 | 日記
No.31と32を境に感覚が少し変化しました。恐らく3日に渡り大量のピアノ演奏を聴いたために、ちょっとした麻痺、混乱状態に陥ったようです。具体的には、「名演に出会ったときに感じるゾクゾク感」と言いましょうか、それまではこのゾクゾク感を感じるか否かで○をつけていたのですが、32以降「たぶん名演だと思うんだけど、ゾクゾクしない」という感じになってしまったのです。

ゆえに、32以降はそれまでとは基準がぶれてしまっているかもしれませんが、それはそれとして感覚を受け入れた上で
「ゾクゾクしなかったけど名演だと思う」に○
「名演だと思うけどちょっと自信が無い」に△
としました。



No.26 若井 亜妃子(日本)
南方を想起させるような明るいバッハ。
一転モーツァルトは暗く、快活さが表現されていなかった。
バッハは面白いが、モーツァルトでそれは…
3曲通して、どういうわけか左手側の音が小さく埋もれてしまっていて、特にリストではメロディーが浮き立たず致命傷。

No.27 渡辺 仁美(日本)
明るい音はしているのに、なぜか積極性が無く、おとなしい演奏。場面転換に伴うリズムの伸縮も中途半端な感じがして、変化にも乏しい。
特にベートーヴェンでは、繰り返しの意味を理解しているのか?と疑いたくなるようないい加減な構成が目に余る。曲を手中に収めていないのでは?

No.28 アレクサンドル・ヤコブレフ(ロシア)
バッハではペダルを多用、しかし顔や動きは無表情と言う妙なギャップがあった。
ハイドンで軽快さを、リストで技術力をアピールと、上手いのは分かるが、まるでロシア・マニュアルに沿っているかのようで興ざめ。順番が違っていたらそうは思わなかったかもしれないが。

No.29 山下 賢裕(日本)
技術は問題ないし、アナリーゼもできていて無表情と言うわけではないのに、どこか白々しいバッハ。日本人がバッハをするときの壁であろうか、いかにも「課題になっているから」と言わんばかり。
ラフマニノフは音の粒が不明瞭で、曲自体が持つパワーを引き出しきれておらず、ベートーヴェンは淡白だった。

○No.30 ジュ・インチ(中国)
全体としてリズム感がよく、「ここぞ!」という時に欲しい音色が抜群のタイミングで奏でられ、聴いていて大変気持ちが良い。
バッハ、ショパンは情感たっぷりに表現。モーツァルトは場面転換のタイミングがばっちり。

○No.31 ジュン・アサイ(アメリカ)
分厚く濃厚なバッハにまず耳を奪われる。
ベートーヴェンの《悲愴》は、ミスタッチがやや多かったが、いい意味で男らしさではなく女らしい情熱的な表現。杉本彩を彷彿とされる、独特のキャラ。

△No.32 チェ・ヨンイム(韓国)
全体的に大変清楚で、余分な贅肉が一切無い演奏。No.31と対照的。
ただ、清楚一本やりで終わってしまったのが残念。

△No.33 リー・ユン-ヤン(台湾)
技術力はものすごく高いが、何か人間らしいぬくもりみたいなものが感じられない、純粋培養のような演奏。
ハイドンのコミカルな表現さえ、完璧に計算されてつくされているかのようであった。
ここまでくると、「名演慣れ」してしまったためにそう感じるのかもしれない…

○No.34 石村 純(日本)
21歳とは思えない、キム・ヨナのような風格、存在感がある。
バッハ2巻イ短調プレリュードの半音階とそれ以外の進行の対比が見事で、心地よい不安定さをかもし出す。一転フーガではテーマになる音に芯を鋭く通したような力強い響き。
続くベートーヴェン、ショパンも表現の振幅がとても大きく、多彩で飽きさせない。
ただ、ショパンだけは、スタインウェイの方が合っていたのでは?と思った。

No.35 大石 啓(日本)
ピアノが上手いサラリーマンのような印象。
作品が必要とする技術が追いつききっていないのではないだろうか、余裕が無く、表情も乏しい。人は良さそうだけど…

2日目

2010-03-18 19:27:00 | 日記
No.14 クォン・ヘジョ(韓国)
優等生的な雰囲気が悪い方に作用してしまい、プラス面が特に無いため指のもつれ等マイナス面が少しずつ蓄積された。

○No.15 イ・ジンヒョン(韓国)
本コンクール最年少19歳。その若々しさが存分に発揮された演奏。
バッハはまるでシューマンを連想してしまうくらいみずみずしい解釈。ショパンもその延長線上にあり、この2曲は上手くはまったが、ベートーヴェンの《熱情》はそれが少し裏目に出てしまい、作品の持つ悪魔性、暗さがばっさりそぎ落とされてしまっていた。この作品ばかりはもう少し歳を重ねないと分からないか。

No.16 リー・ジン(中国)
バッハで止まりかけてしまってから、明らかに力を出し切れなかった。本当はもう途中で辞めてしまいたかったのではないか、というくらいに苦しさが伝わってきて、聴いていてしんどくなった。

No.17 ナターリア・パシチニク(ウクライナ)
直前の演奏で、聴いている私まで疲れてしまって集中できなかった。おまけに携帯を鳴らし、あわてて止めることもなく「もしもし」と話し出す大馬鹿者がいたりして、本当に気の毒な巡り合わせだった。
かすれたような音で構成されたバッハが独特。

No.18 イナラ・ピクサ(ラトビア)
トレモロが大変幻想的な効果を醸し出すバッハだったが、やや演奏者のイメージに聴いている側が入り込めなかった。
ベートーヴェンの《ワルトシュタイン》リズムが命のこの曲で致命的にリズムがかみ合わなかった。ハ長調のマーチのようなシンプルな面白さが表現できていない。
ラフマニノフは変化に富んでいて面白かった。

No.19 マリアンナ・プリヴァルスカヤ(スペイン)
ここまでくると似たような解釈の演奏が出始めてきて、よほどの演奏ができないと聴いている側も飽きてきてしまい、印象に残らなくなる。
ゆえに、どのような演奏をしたかよく覚えていない。

No.20 ユエ・チー(カナダ)
バッハ、テンポが速すぎて自滅するパターンにはまる。それが続くショパン、ベートーヴェンにまで影響。特に《ワルトシュタインの》リズムは雑。

No.21 マハニ・ティーブ(イースター島 チリ)
力強い演奏だったが、全ての曲で力押しになってしまい、音色や表情の多彩さに乏しかった。

No.22 富田 珠里(日本)
バッハ、ベートーヴェンと2曲続いて音数の少ないスローテンポな選曲をしたことが独特。だからこそ一音一音の美しさやフレーズのつながりの大切さが通常以上に浮き彫りになるのに、そこまでの表現が出来ていなかった。ショパンの《滝》もエネルギー不足。

○No.23 ダニイル・ツベトコフ(ロシア)
長くパッとしない演奏が続く中、ようやく停滞した空気を打ち破ってくれた。
バッハの解釈はNo.2にかなり近い、冷たいほどにスタッカートを聞かせた演奏。プロコフィエフはこのような特性にピッタリの迫力があった。

○No.24 アンドリイ・ツィギチコ(ウクライナ)
バッハ1巻ニ短調はかなりのテンポでの演奏だったが空中分解する気配のない安心して聴ける内容。続くモーツァルト、ショパンも含め、完全に曲を手中に収めているような余裕があった。

○No.25 ゲオルギー・ボイロチニコフ(ロシア)
本日の白眉。
演奏を聴いているとその人物とピアノではなく、周囲にまで視野が広がるような、空間全体が響くような錯覚さえしてしまうほど。
ハイドンは漫才の掛け合いのようなフレーズのやり取りが面白い。スクリャービンは音楽と空間にただただ圧倒されてしまった。

一日目

2010-03-17 19:43:04 | 日記
気に入った演奏には○

No.1 ジョセフィーン・シェイ(アメリカ)
甘く幻想的な出だしのバッハ。最初だけはとても良かったが、そのうちに指がもつれたり、構造が不明瞭なところがではじめた。

○No.2 ドミトリー・ミャーチン(ロシア)
今日の中で最も個性的な演奏。
バッハの平均律では唯一ピリオド奏法?というかチェンバロを意識したであろう短い響きで構成。いい意味で時計のような面白さがあった。
他二曲も、感情を抑制した演奏が良いほうに作用していた。ロシアというよりソ連のイメージ。

No.3 玉木 佐知(日本)
とても可愛らしいハイドンのピアノ・ソナタ。バッハでは妙にべたついていてバッハぽさが感じられなかった。そのうちに集中力が途切れたのか音楽が止まりかけてしまい、続くドビュッシーも精彩を欠いた。

○No.4 近藤 由貴(日本)
KAWAI製ピアノの明るく良く通る音色がモーツァルトにマッチ。
続くバッハも明るいキャラクター。
一転、プロコフィエフのダークな響きとの対比がすごく効果的だった。

No.5 ルカ・トラブッコ(イタリア)
ベートーヴェンのピアノ・ソナタは明らかに不必要なほどテンポを上げてしまっており、右手と左手がばらけてしまった印象がある。

No.6 山田 翔(日本)
音だけだと安定していたのだが、身振りによる演出が過剰なわりに音や音楽に反映されておらず、ナルシストっぽさのみが鼻についた。

○No.7イリーナ・ザハレンコバ(エストニア)
本日の白眉。
見た目の清楚な雰囲気とバッハが見事にはまっていた。
次のハイドンでは楽しく、スクリャービンでは敬虔な雰囲気でと、曲ごとのオーラを見事に変化させていた。
ハイドンに入る前に間をおいて髪をかきあげるしぐさ、GOOD!

No.8 花田 えり佳(日本)
ここから使用ピアノがスタインウェイにかわったが、ピアノの性能を活かしきれていないというか、表現しようというエネルギーそのものが弱く、ピアノに音楽が負けていた。

No.9 泉 麻衣子(日本)
緊張のためか何か分からないが、音楽以前の登場や礼の仕方、曲間ごとに神経質なくらい鍵盤を布で拭く態度から、音楽に対する愛情が感じられなかった。演奏も然り。ここまで心を込めない演奏ができることに、逆に興味がわいた。

○No.10スサンナ・カジョヤン(ロシア)
この日一番のバッハを聴かせてくれた。すごく懐の深い演奏で、宗教的なイメージがはっきりと伝わる演奏。
続くハイドンでは、パチッと表情を変えて楽しい演奏。
最後のプロコフィエフが、やや集中力が途切れたというか、前二曲ほどの鮮烈ねイメージがなく、ぶん投げたような感じだったのが惜しい。

No.11 香川 愛(日本)
80パーセント程度の力で演奏している印象。技術はあるが。音楽に対するイメージや思い入れが感じられず、ベートーヴェンの《熱情》ではそれが完全に悪い方に作用しており、テンポのゆれや曲想の変化が「楽譜に書かれているから、ただやっている」だけのようにすら聴こえた。

No.12 アリーナ・キリャエバ(ウクライナ)
バッハの平均律2巻イ短調、まるで現代音楽のようなアプローチ。ベートーヴェンの《ワルトシュタイン》がよく出来ており、メリハリがあってワクワクする感じ。
演奏のせいか、私自身の聴き疲れのせいか分からないが、この辺からあまり演奏が印象に残らなくなってきた。

No.13 マクシム・クラブホフ(ウクライナ)
バッハの平均律1巻ハ長調という王道過ぎる曲を選んできたが、ちょっとロマン派、もしくはハープのように味付けしすぎたように感じる。
ベートーヴェン、リスト、悪くはないが、あまり印象に残っていない。



その他、印象に残ったしぐさ、態度
No.2
とにかく無表情。出来て当然といった感じ。
No.3
演奏の前に客席に聞こえてしまうくらい深呼吸。
No.4
演奏開始時に滑らかに手を出す。
No.6
右手を胸に手を当てての礼。曲想に関わらず一様な演奏終了時の手の過剰な動き。
No.8,9
さっさと演奏を終わらしてしまいたいかのような、音楽の余韻のぶつ切り方、入場、退場。
No.10
バッハの演奏中、あまりに思い入れが強いのか声に出して歌っていた。
曲間ごとに十分間を取り、左を向く。まるでそこに神がいて話しかけるかのように…
No.12
バッハとベートーヴェンで、強奏時に思いっきり前傾姿勢になる。(リストの《ラ・カンパネラ》ではしなかった。)



一日目の感想として、予想以上に、とは言いませんが「聴きに来たかいがある」と思えるほどには楽しかったです。

盛り上がっているんですかね?

2010-03-16 21:37:46 | 日記
 更新せないかん、せないかんと思いつつもあまりにネタがなくて更新できませんでした。本当に笑えるくらいネタがないのです。周囲では全く話題になっていませんね。いや、私が知らないだけかもしれないのですが。

 高松のアーケード街にもほとんど看板がありませんし、町をあげて応援すると言われている浜松のピアノコンクールとはえらい違いです。

 私の家は読売新聞を取っているのですが、地方版にすらここ一ヶ月で3日しか話題になっていません。うち2回は地元の音楽評論家であられる岡田寛さんの記事ですが、これがまた公式ホームページを見ればすぐわかるようなことを垂れ流しているだけで全く面白くありませんし、あれを見て聴きにいこうと思う人がどれだけいるのでしょうか。(まあ彼の記事はいつも出演者の経歴と演奏作品を羅列するだけで8割埋めているわけで、こんなんで評論家を名乗るのはいかがなものかと思いますが)

 ミクシーはやっていないので分かりませんが、グリーでも話題にしている人は皆無であり、2chでも完全に黙殺されている有様の高松国際ピアノコンクール。なんちゃって評論家がのさばれることといい、本当に香川は終わっています。

 明日から一次予選が始まります。さあ、これからどんなドラマが待ち受けているのでしょーか。