初めてのカサメリ沢だ。関東日帰りの手軽な岩場に比べて、標高1000メートル以上の山中であることを踏まえた、ひと通りの準備は必要で手間もかかるが、岩の迫力といい、ルートのおもしろさといい、苦労しても訪れる価値のあるすばらしい岩場だった。
キャンプできる場所はいくつかあるようだが、私たちは朝9時少し前に開く準備をしていた「植樹祭駐車場」の事務所に寄って、ひと張り1000円の申し込みをして場所を指定してもらった。きれいなトイレも炊事場もある。薪など必要なら事務所にあるが、事務所は夕方4時半くらいで閉まってしまうらしい。朝も9時からなので、早いとまだ開いていないだろう。常識的なマナーを逸しない範囲でみんな適当にやっているようだ。
コンビニ等での買い物は須玉インターを降りてすぐ済ませないと、少し瑞牆山方面に登りはじめると、売店はほとんどない。我々は初めてなので地図で道を見るのに夢中で途中まで走って来てしまった。夜と朝の食事の材料はクーラーボックスに用意してあったが、当日の朝食・昼食がない。幸いなことにかろうじて1軒あった地元の商店で、カップラーメンやパン・お茶など、最低限の物は仕入れることができた。
1日目:林道終点から沢を渡り「モツランド」へ。「モツランド:下」で「カサメリの記念すべき初ルート」(パンプHP資料より)だという「ミルクミルク」(10a)でアップの後「モツランド:上」に登っていくと、春に「昆比羅岩」で何度かお会いした「K田さん」がいらした。「K田さん」はこの春「金比羅」に毎週のように通われて「13」の高難度ルートを攻めておられたが指を痛めて休止。ようやく最近再び登れるようになったという。カサメリには10年くらい前から通われているそうで貴重な情報をいろいろいただいた。
それにしてもモツの岩はすごい迫力だ。その高さとスケールに気圧されて、少しはずれた脇にある「めんたいこ」(11b)に取り付く。短くて手頃と思ったが11bにしては難しかった。私には1ヶ所遠い部分があり、ヌンチャクかけをして探ってからもう1回やったがRPできなかった。「K田さん」が「ここのグレードは辛いよ」と慰めてくれた。
「レーザーズエッジ」(10d)…フラッシュ1撃。「K田さん」、ウッチーが登ったあとやってみる。「左の窪みに行きたくなるのを我慢してエッジを登る」というアドバイスに従って、バランス重視のレイバックや乗り込みムーブを多用しながら行くと、力も使わず気持ちよく登れた。
「オリーブ」(11d)…「レーザー」で気を良くして再び下から挑戦。「レーザー」の終了点からさらに続けて登る「オリーブ」。しかし「めんたいこ」のダメージもあり上の核心で力尽きた。ムーブは解明できた。このあとウッチーが何と3撃で「オリーブ」をRP。これを見て「今日は終わり」思っていた私は「もう一度やらせて!」と最終便を出したが、やはり力は残っていなかった。かえって左手首をひねってしまったようで、2日目は登らずにビレイに徹することとなる。
この日は「K田さん」に「プラチナム」(11c)や「ゴリラ」(12a)の登りも見せていただき、我々にとってはとても有意義な「カサメリ・デビュー」となった。
ウッチー…相変わらず仕事が忙しく週末クライミングがやっとだというが、この日は私と一緒にとりついたルートを全て制覇。特に「オリーブ」(11d)の3撃はすばらしい!
2日目:昨日の左手首は、捻ったのとアブかなにかに刺されたことの複合の痛みで腫れた。しかし昨夜はよく冷やしたので、今日は何とかビレイはできそうだ。登ることはできないが、せっかく来たカサメリだ。ウッチーのビレイをしながらルートだけでも見ていくことにする。
今日は「モツランド」の先の「コセロック」「納涼岩」「あみだ岩」「オランジュ岩」「コートダジュール」「ロボロック」「ドーム」などを、トポとにらめっこしながら歩いてみた。「コセ」「納涼」「オランジュ」以外は苔や湿気で状態は悪かった。「コートダジュール」の先の「ドーム」は道がたどれず、どの岩か確かめられなかった。
「あすか」(11b)‥ウッチーが「オランジュ岩」で「とりあえず1本」と軽い気持ちで取り付いてみる。ところが甘くなかった。11bとはいえ、スラブでのこのグレードは難しいのだろう。どうしても抜けられないところがあり、ヌンチャクを掴んでのトップアウト。
「ちちくりマンボウ」(10c)‥他のグループのクライマーが「おもしろいよ!」と言っていたのでウッチーが登ってみる。「軽くマスターオンサイト」と思ったが、終了点直前に予想外の不意落ち。足が滑ったらしい。登る前に「このルート名はおかしいね。帰ってから『ちちくり‥』を登ったよ、なんて言いにくいよ~」「ルート名はホールドを掴んだ感触からきてるのかな?確かめてきま~す。ムフフ‥」などと、ジェントルなウッチーにしては珍しいキワネタをつぶやいていた。きっと、そんな「心のゆるみ」が墓穴を掘ったか?
「金のわらじ」(12a)‥戻りがてらウッチーが「姉御岩」の「金のわらじ」にトライしてみる。きれいにまとまった気持ちのいい岩だ。ハングを越えるところが難しそうだ。かなり長い時間ムーブを探りとりあえずトップアウト。何度もフォールしたのでロープの結び目が素手では解けないほどに固く締まってしまったほどだ。「後でドライバーでこじ開けよう」とハーネスにロープを連結したまま脱ぐ。くやしそうなウッチー。また来よう!
4時前に雨となりここで引き上げることにした。1泊2日の初「カサメリ沢」は楽しかった。ちょっと遠いし天気も不安定だが、いちめん緑に囲まれた癒し空間と充実したルートは気に入った。今回「コロッセオ」方面には足を運ばなかったが、またチャンスをみて訪れたい。
キャンプできる場所はいくつかあるようだが、私たちは朝9時少し前に開く準備をしていた「植樹祭駐車場」の事務所に寄って、ひと張り1000円の申し込みをして場所を指定してもらった。きれいなトイレも炊事場もある。薪など必要なら事務所にあるが、事務所は夕方4時半くらいで閉まってしまうらしい。朝も9時からなので、早いとまだ開いていないだろう。常識的なマナーを逸しない範囲でみんな適当にやっているようだ。
コンビニ等での買い物は須玉インターを降りてすぐ済ませないと、少し瑞牆山方面に登りはじめると、売店はほとんどない。我々は初めてなので地図で道を見るのに夢中で途中まで走って来てしまった。夜と朝の食事の材料はクーラーボックスに用意してあったが、当日の朝食・昼食がない。幸いなことにかろうじて1軒あった地元の商店で、カップラーメンやパン・お茶など、最低限の物は仕入れることができた。
1日目:林道終点から沢を渡り「モツランド」へ。「モツランド:下」で「カサメリの記念すべき初ルート」(パンプHP資料より)だという「ミルクミルク」(10a)でアップの後「モツランド:上」に登っていくと、春に「昆比羅岩」で何度かお会いした「K田さん」がいらした。「K田さん」はこの春「金比羅」に毎週のように通われて「13」の高難度ルートを攻めておられたが指を痛めて休止。ようやく最近再び登れるようになったという。カサメリには10年くらい前から通われているそうで貴重な情報をいろいろいただいた。
それにしてもモツの岩はすごい迫力だ。その高さとスケールに気圧されて、少しはずれた脇にある「めんたいこ」(11b)に取り付く。短くて手頃と思ったが11bにしては難しかった。私には1ヶ所遠い部分があり、ヌンチャクかけをして探ってからもう1回やったがRPできなかった。「K田さん」が「ここのグレードは辛いよ」と慰めてくれた。
「レーザーズエッジ」(10d)…フラッシュ1撃。「K田さん」、ウッチーが登ったあとやってみる。「左の窪みに行きたくなるのを我慢してエッジを登る」というアドバイスに従って、バランス重視のレイバックや乗り込みムーブを多用しながら行くと、力も使わず気持ちよく登れた。
「オリーブ」(11d)…「レーザー」で気を良くして再び下から挑戦。「レーザー」の終了点からさらに続けて登る「オリーブ」。しかし「めんたいこ」のダメージもあり上の核心で力尽きた。ムーブは解明できた。このあとウッチーが何と3撃で「オリーブ」をRP。これを見て「今日は終わり」思っていた私は「もう一度やらせて!」と最終便を出したが、やはり力は残っていなかった。かえって左手首をひねってしまったようで、2日目は登らずにビレイに徹することとなる。
この日は「K田さん」に「プラチナム」(11c)や「ゴリラ」(12a)の登りも見せていただき、我々にとってはとても有意義な「カサメリ・デビュー」となった。
ウッチー…相変わらず仕事が忙しく週末クライミングがやっとだというが、この日は私と一緒にとりついたルートを全て制覇。特に「オリーブ」(11d)の3撃はすばらしい!
2日目:昨日の左手首は、捻ったのとアブかなにかに刺されたことの複合の痛みで腫れた。しかし昨夜はよく冷やしたので、今日は何とかビレイはできそうだ。登ることはできないが、せっかく来たカサメリだ。ウッチーのビレイをしながらルートだけでも見ていくことにする。
今日は「モツランド」の先の「コセロック」「納涼岩」「あみだ岩」「オランジュ岩」「コートダジュール」「ロボロック」「ドーム」などを、トポとにらめっこしながら歩いてみた。「コセ」「納涼」「オランジュ」以外は苔や湿気で状態は悪かった。「コートダジュール」の先の「ドーム」は道がたどれず、どの岩か確かめられなかった。
「あすか」(11b)‥ウッチーが「オランジュ岩」で「とりあえず1本」と軽い気持ちで取り付いてみる。ところが甘くなかった。11bとはいえ、スラブでのこのグレードは難しいのだろう。どうしても抜けられないところがあり、ヌンチャクを掴んでのトップアウト。
「ちちくりマンボウ」(10c)‥他のグループのクライマーが「おもしろいよ!」と言っていたのでウッチーが登ってみる。「軽くマスターオンサイト」と思ったが、終了点直前に予想外の不意落ち。足が滑ったらしい。登る前に「このルート名はおかしいね。帰ってから『ちちくり‥』を登ったよ、なんて言いにくいよ~」「ルート名はホールドを掴んだ感触からきてるのかな?確かめてきま~す。ムフフ‥」などと、ジェントルなウッチーにしては珍しいキワネタをつぶやいていた。きっと、そんな「心のゆるみ」が墓穴を掘ったか?
「金のわらじ」(12a)‥戻りがてらウッチーが「姉御岩」の「金のわらじ」にトライしてみる。きれいにまとまった気持ちのいい岩だ。ハングを越えるところが難しそうだ。かなり長い時間ムーブを探りとりあえずトップアウト。何度もフォールしたのでロープの結び目が素手では解けないほどに固く締まってしまったほどだ。「後でドライバーでこじ開けよう」とハーネスにロープを連結したまま脱ぐ。くやしそうなウッチー。また来よう!
4時前に雨となりここで引き上げることにした。1泊2日の初「カサメリ沢」は楽しかった。ちょっと遠いし天気も不安定だが、いちめん緑に囲まれた癒し空間と充実したルートは気に入った。今回「コロッセオ」方面には足を運ばなかったが、またチャンスをみて訪れたい。
Slilypyさん…Slilypyさんのブログ写真のように幻想的な一面緑の世界が広がっていますよ。しかし確かにご指摘のような「キノコ君」の足音は、ところどころに聞こえていました。核心を克服してください!