10月5日(水)に池上 正さんのサッカー教室と講演会を開きました。
池上 正さんは、ジェフユナイテッド市原の育成部長を経て
現在、京都パープルサンガFCのアドバイザーをされておられ
これまで延べ40万人の子供たちを指導されてこられたそうです。
サッカー教室は生憎の雨のため、急遽フットメッセ生野を借りて実施しました。
池上さんと練習する子供たちは、元気に笑顔で練習していましたが
「集中していないと出来なくて疲れた!」「けど、めちゃ楽しかった!」などの
声が聞こえてきました!
夜は講堂で、保護者向けの講演会。
「スポーツを通して人間としての成長を目指す」ということを主眼に
サッカー指導しておられるということがとてもよく分かりました。
少し大きな書店に行くと、サッカー関連の書籍はやまほど出版されていま
「サッカーと子育て」を主題にした本は、池上さんの本しかありません。
スポーツは何のためにしているのですか?
サッカーを通して、どんな人間成長を目指しているのですか?
という問いかけには意外なほど答えにくいことに気付かされました。
いま、日本のスポーツを取り巻く環境は、勝利主義/成果主義が蔓延しており
その多くは大人が助長しているせいだと言います。
「遊びの要素」がなりを潜め、スポーツが「習い事」になってしまっている。
子ども時代に必要な「ゆっくり育つ時間」を大人が奪っているのではないかと
憂慮されておられました。
1+1=1の例から、「サッカーには決まり切った答え」がある訳ではない。
決まりきったやり方があって決まった答えが出てくるのであれば、誰もが
Jリーガーになり、どの国もワールドカップで優勝できるのだと。
プレー中、子どもが選んだ判断を尊重せずに
「どうしてシュートを打たないんだ!」 「そこは、パスだろう!」
などと、判断を決めつける指導をよく見かけるが
「他にどんなプレーがあっただろう?」
という問いかけなど、「判断を広げる」方向の指示のほうが
より子どもを成長させるのでないか、という話がありました。
「自由を獲得すること」
「仲間を認めること」
「他の価値観に出会うこと」
がスポーツをする意味だと、非常に哲学的な言葉も頂きました。
これについては、大人が時間をかけてゆっくり考える必要があると思います。
スポーツをすることで得たもので世界に向かってほしい。
スポーツの世界にだけとどまってほしくない。
静かな語り口とは対照的に、非常に熱い想いを感じた1時間でした。
最後に池上さんの著書での一言を。
子どもに一番影響を及ぼすのは、親御さんや彼らが大好きなサッカーや
スポーツを教えてくれる指導者のみなさんです。 子どもはそばにいる大人次第で
伸びたり縮こまったりするのです。
「僕は(私は)いい大人に恵まれたな」
子どもでなくなった彼らがそう思ってくれたら、みなさんの子育ては「OK」です。
このブログをお読みのみなさん、ぜひこの本をお読みになってください。
親として、耳の痛い話も多々ありますが、きっと多くの気づきを与えてくれると
思います。