１０円玉と９２歳のお婆ちゃん

みなさん今晩は

調べてみたら１３ヶ月ぶりの投稿です

気分はすっかり浦島太郎・・・

今風に言うと「ウラちゃん」ですかね？



さて

昨日のお昼頃、見知らぬ60半ばの女性が訪ねてこられました

「おそらくですが、母が去年の梅雨頃にこちらにたいへんお世話になったそうです」

？？？？

なんのことかわからず、とりあえず話を聞いてみました

内容をかいつまんで言うと



【母が、バス亭を間違えて降り自分が何処にいるか分からなくなった

ふと目の前に赤い提灯のお店がある

裏口のドアを開けたら人がいて、そのご主人に相談したらタクシーを呼んでくれた

タクシーが来るまでいろいろ話し相手をしてくれてそれがすごく楽しかった

後で気づいたら電話代を払ってない】



「早くお礼を言いに来なければならないのに遅くなってすみません」



そういえばそんな事があったなと思い出しました



「その時の電話代です」と100円をひとつ私に


「いやいや電話代なんていりませんよ」とは言っても


「どうしても受け取ってください」と・・・


「では、10円だけください」




それからおもむろに涙ぐまれ


「実はですね　　母はあの後しばらくして亡くなりました ９２歳でした　　それで、いろいろあってご挨拶が遅れました」と・・・

「母は貴方との会話がとても楽しかったと何度も申しておりました」・・・

「お礼を言いに行ってくれ」と何度も何度も・・・






何を話したかは覚えていません

たしかにタクシーが来るまで話し相手をした記憶はあります

でも、たいした話はしてないはず

おそらく普通の世間話

例えば


「お家はどこですか？」

とか

「天気が良いですね」

とか

そんなお話をしたと思います



それでも、お世辞でも、仮に盛った話だとしても


そう言ってもらえば嬉しいし、なんだかほっこりとした気分になりました


どこのおばあちゃんか知らなかったけど

そんな事を娘さんに話してくれたんですね

ありがとうございます

と、素直に思います



最後に
「今、何か持ち帰りで出来ますか？」と・・・

「もちろんです」



【電話代10円と92歳のおばあちゃんの話】