つらつら日暮らし

「第一官律名義弁」其二十六(釈雲照律師『緇門正儀』を学ぶ・26)

ということで、もう10回以上、釈雲照律師『緇門正儀』の「第一官律名義弁」の内容を見ている。なお、これは【1回目の記事】でも採り上げたように、「今略して、僧に位官を賜ひし和漢の官名、職名及び初例を挙示せん」とあって、職名の意味というよりは、任命された最初の事例を挙げることを目的としているようである。よって、この連載では、本書の内容を見つつ、各役職の意義については、当方で調べて、学びとしたい。現在は日本の役職となっている。

それで、以前の記事では奈良時代の制定された僧侶への位階である【四位十三階】を論じたのだが、詳細を『緇門正儀』で載せている内容から検討してみたい。

一 将導師
貞観十二年七月廿日庚午、将導師薬師寺別当伝灯大法師常全〈云云〉等を河内国に遣わし、堤を築くことを労視せしむ。
    『緇門正儀』12丁裏


「将導師」について、色々と調べてはみたが、詳細は不明である。とりあえず、ここでは薬師寺の別当である常全が将導師となり、河内国(現在の大阪府)での土木工事に派遣されたようである。なお、この時は、常全を含め4名の僧侶が派遣されており、大僧都・従儀師などの名前も見える。

よって、従儀師・将導師などが、大僧都に着いていく形で派遣されたものと拝察される。しかし、目的は何だったのだろうか?一応、「労視」という表現があるが、これも他に多出するわけでもなく、よって、字面から推測するしかないようで、まぁ、工事の様子を確認しに行ったとでも理解出来ようか。

・・・なんで僧侶が?

【参考資料】
釈雲照律師『緇門正儀』森江佐七・明治13年

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