童謡『雨降りお月さん』、作詞は野口雨情、作曲は中山晋平
1 雨降りお月さん 雲のかげ お嫁にゆくときゃ
誰とゆく 一人でからかさ さして行く
からかさないときゃ 誰と行く
シャラシャラ シャンシャン 鈴つけた
お馬に揺られてぬれてゆく
影絵のような景色が目に浮かび、寂しげながらも優しいメロディと謎めいた歌詞。この歌が好きだという人、特に女性は多いと思う
子供の頃好んで歌ったり聴いたりしたが、今でもふと口ずさんでいるかも。。。。
「ひとりでからかささしていく」が特に印象的だったが、それがタイトルの
『ひとりでからかささしていく』(江國くに香織著)
八十代の三人(男ふたり、女ひとり)がコロナ禍の大晦日に猟銃自殺する。当然遺族はうろたえる、三人の生前の関係性を知っている人はほとんどいないから、なおさらのこと。
子、孫、友人の立場で生前の記憶を手繰りよせる一方、これを機に各自の過去と現在、家族間の関係性、特にその冷たいと思えるほどの希薄性が明らかにされる....「生者よりも死者の方を身近に感じる」ほどに。
当事者たちはそれを良しとしているから、今後も距離感は縮まらないだろう。新たな繋がりが生まれる予感も無し....
高齢者三人の猟銃自殺という衝撃的な出来事をきっかけに何かドラマが起きるわけでもなく小説は終わってしまう
「世の中いろいろな人間がいるものだ。それを思い知らされることが気に入った」
この小説とタイトルはどう結び付く?
『雨降りお月さん』の登場人物は、お嫁さんと馬丁と馬(人ではないが)の三人
死出の旅に出た当事者も三人連れだから、、、
と、勝手に推測した
お嫁に行くときゃひとり、死ぬときゃひとり