2014年のシングル第2弾「ちょいときまぐれ渡り鳥」が、9月17日にリリースされました。
Aタイプのカップリングが「明日への道」https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-16941.html
Bタイプのカップリングが「男の航路」https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-16942.html
Cタイプのカップリングが「伝言〜メッセージ」https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-16942.html
の3タイプです。
実は前作の「大利根ながれ月」の時、コロムビアと事務所は平手造酒の地元である東庄町と組んで大々的なイベントを企画していました。それが開催直前に突然沸き起こったアクシデントのためにKiina側から開催の見送りを申し出たという経緯がありました。
三波春夫さんの「大利根無情」以来の人気歌手による「大利根もの」を町おこしの起爆剤にと張り切っていた地元の関係者の方々は大変がっかりされたそうです。
いわれなく投げつけられたマイナスイメージのつぶてを完全に払拭し、10月の15周年武道館コンサートから年末の賞レース、紅白の大舞台へと良い流れを作っていくためにも、後半の勝負曲である「ちょいときまぐれ渡り鳥」にかけるKiinaとスタッフの意気込みは並々ならぬものがあったでしょう。
私たちファンがKiinaのために出来ることは、CDを買うことといつにも増して大きな声援と拍手を送ること。そんな気持ちでKiinaを見守っていた毎日だったと思います。
そんなファンの後押しもあって、「ちょいときまぐれ渡り鳥」は発売初日のオリコンデイリーランキングで1位を獲得しました。
9月18日に大阪の今はなき千里セルシーで行われたリリースイベントで、集まった3000人のファンを前にKiinaは「(1位の知らせに)移動のバスの中で泣きました」とお話ししていました。
「苦労して苦難を乗り越えて、大きな人間になれると思う」とも。
ちなみにオリコン週間ランキングでも、「大利根ながれ月」を大幅に上回る売り上げ枚数で3位を記録しました。
前置きが長くなりましたが、そんな空気の中で発売された「ちょいときまぐれ渡り鳥」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=hvnQU2VEQh8
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/169807/
作詞は仁井谷俊也先生、作曲は宮下健治先生、編曲は丸山雅仁先生のトリオです。
深い事情のあっての旅ではありません。ちょいと気まぐれで東海道を歩いてみたくなったのでしょう。
長良事務所の専務さんだった方が(もう亡くなられましたが)「きよしくんが富士山を背にして股旅で歩く姿が見たいなあ」とおっしゃって作っていただいたとKiinaがお話ししていました。
巻き舌もこぶしもたっぷり。「おっとどっこい いけねえよ」の後には「きよし!」の合いの手が入れられるよう間が用意されていますし、1番の後の間奏ではKiinaの「ちょいとそこの人。急ぎ旅でござんすか。気をつけてお行きなせえよ」のセリフが入ります。
そんな「メジャー調股旅もの」のお手本のような作品です。
スケール感のあるイントロも耳を打ちます。明るいメジャーの曲調に、股旅と言っても随分お気楽なひとり旅。ファンもKiinaの明るい歌声に気持ちよく乗れる歌になっていたと思います。
リリースから3か月後の「日本作詩大賞」で、仁井谷先生は初めての大賞を「ちょいときまぐれ渡り鳥」で受賞されました。
授賞式での仁井谷先生とKiinaの感涙のシーンは今でも忘れられません。
☆追記です。
作詩大賞受賞の3年後に仁井谷先生は病に倒れて亡くなられました。まだ69歳のお若さ。まだまだKiinaのために良い作品を書いていただきたかったです。
その翌年、Kii活遠征から足を伸ばして先生の故郷である尾道を訪ねました。街のレコード屋さんに入ってみたところ、作詩大賞を受賞された時の地元紙の記事と先生のサインが誇らしげに飾られていました。