◯ Wordの「ディクテーション機能」を使いこなす。
今回は、Wordのディクテーション機能を使って音声をテキスト化する方法を紹介する。音声のテキスト化は、今や大変なブームになっていると言っても過言ではない。既にAIやスマホなどを使って体験したことがある人も多いだろう。
様々なサービスが用意されている中でも、文章を作成するならWordがお薦めだ。音声をテキスト化する理由の多くは、メモや書類を作成するためだろう。思いつきを手軽に記録するなら、iPhoneのメモやOneNoteなどの方が使いやすい。だが、書類を作成するのであれば、最初からWordを使う方が手っ取り早い。最終的なアウトプットがWordの資料になることが多いからだ。
テキスト化の作業自体は簡単で、Wordのディクテーション機能を起動して使うだけだ。認識率は非常に高いのだが、うまく使いこなすには少し慣れが必要だ。「えー」「あー」といった言葉を使わないようにし、話す内容に戸惑ったら無言になるとよい。
もし、ノートパソコンなどの内蔵マイクによる認識がイマイチだと感じたら、外付けのマイクを使うか、イヤホンを装着して口元に近いマイクを使うことをお薦めする。
Wordを使う最大のメリットとは?
音声のテキスト化において、僕がWordを使う最大の理由は、修正がしやすいからだ。自分の声で話しながらテキストを入力できるわけだが、当然、誤認識などのミスは発生するので、その場で修正して仕上げることができる方が現実に即している。つまり、入力は声で行い、修正はキーボードを利用するわけだ。
音声入力はどんなに慣れても100%の認識はできない。例えば、人名の「島田」や「嶋田」を正確に認識するのは、現時点では難しい。どれだけ認識率が高くても、現実的には修正が必要になる。
ただ、Wordであれば、文法的におかしな部分を指摘してくれるので、修正候補を確認しながら簡単に直せるし、見落としも減る。さらに、句読点は自動で打つこともできるし、自分でタイピングしてもよい。個人的には、句読点だけ自分でタイピングして文章を区切っていくのが好みだ。
録音した音声ファイルもアップできる。
Wordのディクテーション機能では、「トランスクリプト」を利用することで、あらかじめ録音した音声ファイルをアップロードしてテキスト化できる。
こちらもなかなか便利で、スマホやICレコーダーで録音したファイルを利用可能。ファイル形式はWAV、MP4、MP3、M4Aなどに対応している。実際、録音はパソコンを使うよりスマホを使う方が手っ取り早く現実的だ。
僕もよく使うのだが、以前は書類を作ろうと思ったら、iPhoneで録音した音声をそのままテキスト化してWordに貼り付けていた。だが、トランスクリプトを利用するようになってからは、スマホは録音だけに専念させて、Wordでテキスト化するようになった。この方が修正しやすいのは前述の通りだ。
議事録作成に便利な「話者を区切る」機能も。
トランスクリプトで読み込んだファイルは、話者を区切ってくれるので、議事録を作成するのにも便利だ。元の音声を聞きながらテキストを確認できるので、修正もしやすい。
また、自分で吹き込んだアイデアをテキスト化するなら、話者を区切ることなく、すべてドキュメントに貼り付けて使えばよい。
今回の説明はここまでだが、Copilotを利用してテキストからスライドを作るような場合にも、Wordのディクテーション機能は非常に有効だ。スマホで音声をテキスト化できるアプリよりも、実は使いやすいケースが多いのだ。