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知って得する Wi-Fi 雑学。②

◯ Wi-Fi 7対応のPCとスマホが続々登場! 実際の通信速度を測定してみた。

Wi-Fi 7に対応したPCやスマートフォンが続々と登場している。そこで先日、バッファローのWi-Fi 7対応ルーター「WXR18000BE10P」に、Wi-Fi 7対応のPCやスマートフォンを接続すると、実際にどれぐらいの速度が出るか調べてみた。今回はその結果を紹介していく。

Wi-Fi 7は、現在広く使われているWi-Fi 6/6Eの後継規格である。規格上の最大速度は46Gbps。Wi-Fi 6/6Eの9.6Gbpsから大幅に高速化している。帯域幅は6GHz帯のみ最大320MHzに拡大し、変調方式に「4096-QAM」を採用。さらに6GHz帯、5GHz帯、2.4GHz帯の3つの周波数帯の通信を束ねて高速化する「マルチリンクオペレーション」(以下、MLO)などの機能を追加し、高速化を図っている。

「WXR18000BE10P」(バッファロー、大手家電量販店における販売価格は6万4980円)は、Wi-Fi 7に対応するWi-Fiルーター。ストリーム数は4×4、最大速度は6GHz帯で11.5Gbps(11529Mbps)、5GHz帯で5.8Gbps(5764Mbps)となる
画1、「WXR18000BE10P」(バッファロー、大手家電量販店における販売価格は6万4980円)は、Wi-Fi 7に対応するWi-Fiルーター。ストリーム数は4×4、最大速度は6GHz帯で11.5Gbps(11529Mbps)、5GHz帯で5.8Gbps(5764Mbps)となる。

Wi-Fi 7の速度をローカルネットワークで計測。

Wi-Fi 7の速度計測はサーバーPCを用意し、ベンチマークアプリ「OpenSpeedTest」(入手先はhttps://openspeedtest.com/)をインストールした環境を構築。そこへPCやスマートフォンのWebブラウザーからWi-Fiルーター経由でアクセスして、速度を計測した。サーバーとWi-Fiルーターは、10GBASE-Tの有線LANで接続している。

テストは同条件で5回実施し、最も良い数値を結果として採用した。測定場所は筆者宅で、周囲の電波利用が少ない深夜帯にテストを実施している。Wi-Fiルーターから測定端末(PC・スマホ)までの距離は5mで、6GHz帯の通信で測定した。

WXR18000BE10Pは、初期設定でMLOが有効になっていたが、オフにしている。比較対象のWi-Fi 6EではMLOを使えないためである。それ以外は初期設定のままだ。

Wi-Fi 7対応PCは、米インテルのWi-Fiモジュール「Wi-Fi 7 BE200」を搭載した自作デスクトップPCである。Wi-Fi 7対応スマートフォンは、中国シャオミの「Xiaomi 14 Ultra」を用意した。

Wi-Fi 7対応のスマホも登場しはじめている。写真は「Xiaomi 14 Ultra」
画2、Wi-Fi 7対応のスマホも登場しはじめている。写真は「Xiaomi 14 Ultra」。

Wi-Fi 7はWi-Fi 6Eより1~2割高速だった。

Wi-Fi 7対応PCを接続し速度を計測したところ、最大速度はダウンロード1975Mbps、アップロード1895Mbpsだった。同じ環境でWi-Fi 6E対応のノートPC「ThinkPad X1 Extreme Gen 5」でも速度を計測したところ、ダウンロード1803Mbps、アップロード1766Mbpsだった。Wi-Fi 7で1割程度の速度向上がみられた。

次にWi-Fi 7に対応するXiaomi 14 Ultraを接続して速度を計測したところ、ダウンロード2054Mbps、アップロード1913Mbpsと、Wi-Fi 7対応PCよりも高速だった。

同じ環境でWi-Fi 6Eに対応するiPhone 15 Pro Maxで速度を測定したところ、ダウンロード1675Mbps、アップロード1542Mbpsだった。Wi-Fi 7対応スマホの方が2割程度速いという結果になった。

PCとスマートフォンでWi-Fi 7とWi-Fi 6Eの速度を比較した結果。Wi-Fi 7に対応するPCやスマートフォンの方が、Wi-Fi 6Eのそれらより1~2割程度高速だった
画3、PCとスマートフォンでWi-Fi 7とWi-Fi 6Eの速度を比較した結果。Wi-Fi 7に対応するPCやスマートフォンの方が、Wi-Fi 6Eのそれらより1~2割程度高速だった。

実力を最大限には発揮できていない?

現在、日本国内で販売されているWi-Fi 7対応PCの場合、その多くがWi-Fiモジュールとして上記の「Wi-Fi 7 BE200」を搭載している。今回のテストもそれを搭載するPCで実施した。Wi-Fi 7 BE200のストリーム数は2×2で、仕様上の最大速度は5.8Gbps(5765Mbps)となる。ストリーム数が2×2のWi-Fi 6/6E対応PCの最大速度は2.4Gbpsなので、2倍以上となる。

上記の最大速度5.8Gbpsは、6GHz帯で320MHzの帯域幅を利用したときに限られる。日本国内でも2023年12月末の省令改正により、320MHzの帯域幅が利用できるようになっており、WXR18000BE10Pを含むWi-Fi 7対応ルーターの一部製品は320MHz幅に対応している。

だが、多くのPCが搭載するWi-Fi 7 BE200は、6GHz帯における320MHzの帯域幅の通信について、「技術基準適合証明等」(技適)がないのだ(2024年6月中旬現在)。バッファローによると、Wi-Fi 7 BE200は現在、日本国内での320MHzの帯域幅の利用がデバイスドライバーで制限されており、現状で6GHz帯の接続も最大160MHzの帯域幅で接続しているようだ。ちなみに、速度測定時にリンク速度を確認したところ、Wi-Fi 7 BE200の仕様上の最大速度、5.8Gbpsの半分となる2882Mbps(約2.9Gbps)になっていた。

Wi-Fi 7 BE200の320MHzの帯域幅に関しても技適が取得され、デバイスドライバー更新により、320MHzの帯域幅が利用できるようになれば、理論上は速度が倍になるとみられる。Xiaomi 14 Ultraも仕様上の最大速度は5.6Gbpsだが、リンク速度はWi-Fi 7 BE200と同様に2.9Gbpsになっていた。Wi-Fi 7はWi-Fi 6Eよりも高速だが、Wi-Fi 7の性能をフルに発揮できる320MHzの帯域幅は、現時点ではPCやスマホだと利用できないことがある。

Wi-Fi 7対応ルーターの一部は320MHzの帯域幅に対応している。WXR18000BE10Pでも初期設定で有効になっていた。画面はWXR18000BE10Pの設定画面
画4、Wi-Fi 7対応ルーターの一部は320MHzの帯域幅に対応している。WXR18000BE10Pでも初期設定で有効になっていた。画面はWXR18000BE10Pの設定画面。
 
WXR18000BE10PにWi-Fi 7 BE200搭載PCを接続したときのプロパティを表示した。執筆時点ではWi-Fi 7 BE200で320MHzの帯域幅は利用できず、160MHzの帯域幅の接続で、リンク速度は2882Mbps(約2.9Gbps)になっていた
画5、WXR18000BE10PにWi-Fi 7 BE200搭載PCを接続したときのプロパティを表示した。執筆時点ではWi-Fi 7 BE200で320MHzの帯域幅は利用できず、160MHzの帯域幅の接続で、リンク速度は2882Mbps(約2.9Gbps)になっていた。

Wi-Fi 7は高速だが、性能を発揮できる環境はかなり限られる。

Wi-Fi 7はWi-Fi 6Eよりも高速で、2Gbps弱の速度が出ることがあると分かった。320MHzの帯域幅がPCやスマホで利用できるようになれば、理論上だと倍の速度が出るとみられる。

そのWi-Fi 7の速度をインターネット接続に生かすには、10Gbpsといった高速の接続サービスが必須になる。さらには、ローカルネットワーク(LAN)内でも、通信先の端末がWi-Fi 7または10GBASE-Tや5GBASE-Tなどの高速有線LANに対応していないと、そこがボトルネックとなってしまう。

利用条件がそろっており、速度を求めるなら、Wi-Fi 7は今すぐにも導入する価値はあるだろう。


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