◯ 現場で使われている無線LAN製品のベンダー順位を公開、Wi-Fi 7も利用始まる。
無線LAN部門では無線LANアクセスポイント(以下AP:Access Point)と無線LANコントローラーの2分野でシェアを調べた。AP分野では2023年調査と同じく1位がシスコシステムズだった(図6)。5年連続の1位だがシェアは2.5ポイント減の23.0%。これに対し2位のバッファローは0.7ポイント増の22.7%となり、シスコシステムズに0.3ポイント差まで迫った。
3位は日本ヒューレット・パッカード(HPE)でシェアを2.4ポイント増やした。7位のエレコムは2022年調査ぶりに3.0%以上のシェアを獲得した。
APを導入しているネットワークの規模別に見ると、中小規模ではバッファロー、大規模ではシスコシステムズが強かった(図7)。シェアは「1~20台」でバッファローが41.7%、「1001台以上」でシスコシステムズが42.1%。分水嶺は「101~500台」で、2社のシェアは同率20.6%だ。
無線LANコントローラー分野も見ていこう。ここでもHPEが躍進した(図8)。1位は2023年調査と同じくシスコシステムズだったが、シェアは3.2ポイント減の30.5%だった。シスコシステムズがスイッチ部門3分野と無線LAN部門2分野の合わせて5分野で、5年連続5冠となった。
HPEはシェアを5.4ポイント増やして15.1%を獲得し、4位から2位に浮上した。
ネットワーク規模別に見ると、「1~20台」ではバッファローが47.7%、「1001台以上」ではシスコシステムズが47.3%と、2023年調査と同様の傾向でそれぞれシェア1位を守った(図9)。
ただ傾向が変わった点もある。「21~50台」でシスコシステムズとHPEがシェアを伸ばした点だ。
2023年調査では上位3社のうちシスコシステムズとNEC/NECプラットフォームズがともに0%で、バッファローが47.1%と「1人勝ち」だった。2024年調査ではバッファローは21.1%で変わらず1位だったものの、HPEが10.5%、シスコシステムズが5.3%のシェアをそれぞれ奪った。
Wi-Fi 6/6E製品が1.4倍に。
アンケートではAPが対応する無線LAN通信規格を複数回答で尋ねた(総回答数は618)。2024年調査では、2023年12月に総務省が利用を許可したIEEE(アイトリプルイー)*5 802.11be(Wi-Fi 7)を選択肢に加えたところ、対応製品を既に利用しているとの回答が12件あった(図10)。
最も多かった回答は2023年調査と同じく「IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)」だった。IEEE 802.11b/g/n対応製品は利用が減り、IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6/6E)対応製品は約1.4倍に増えた。
米電気電子学会。電機・情報技術の標準化団体でもある。もともとはInstitute of Electrical and Electronics Engineersの略だったが、最近は名称として単にIEEEを用いている。「IEEE 802.11be」は、無線LANの普及団体であるWi-Fi AllianceによってWi-Fi7と呼称されている。