〇 Excelのグラフには「区分線」というオプションがある。これは積み上げグラフなどで、グラフを構成する系列の変化を、視覚的に分かりやすくするために付ける線を指す。下図はその一例で、2021年と2022年の間に区分線を付けた売上高推移のグラフだ。
グラフの種類によっては区分線を適用できない。
ところがこの区分線を付けようと思って「グラフ要素を追加」ボタンにいくと、「線」がアクティブになっていない場合がある。下記はその一例になる。
まず、A2:B4を選択して、「挿入」タブの「縦棒」ボタンから「集合縦棒」を選ぶ。
グラフができた。サイズを調整し、データラベルを付け、棒の幅を適宜大きくした。
次に区分線を付ける。ところが「線」がアクティブになっていない。
このように、区分線を付けたくても付けられないケースがある。図形描画で区分線を描く手もあるが、そもそもなぜ「線」がアクティブになっていないのか。
積み上げグラフに変更して区分線を付ける。
これには理由がある。今のグラフは「縦棒」ボタンの「集合縦棒」を用いて作成した。これは最もポピュラーなグラフの種類だ。ただ、区分線を付けようと思うと、「縦棒」ボタンの「集合縦棒」ではなく、「積み上げ縦棒」を用いなければならない。
もっとも、だからといってイチから新しいグラフを作り直す必要はない。次のように「グラフの種類の変更」を利用すればよい。グラフを選択したら「グラフのデザイン」タブ→「グラフの種類の変更」ボタン→「縦棒」から「積み上げ縦棒」を選ぶ。
データマーカーが棒の中央に移動したが、今はこれを無視しよう。「グラフ要素の追加」ボタンをクリックすると、今度は「線」がアクティブになっている。
はい、これで区分線の付いたグラフを作れた。
しかし、データマーカーが見にくいのがちょっと気になる。マウスでドラッグして棒の上部に移動して見やすくしよう。
最初は、区分線を付けるというこんな簡単なことがなぜできないのか、戸惑ってしまう。しかし、その理由が分かると、このように実にあっけないものなのだ。