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スマホの設定サポート。

〇 携帯ショップと家電量販店のどちらがお得?

スマートフォンを購入したら初期設定とデータ移行が必要になる。ガラケーの時代は「ドコモショップ」や「auショップ」などの携帯ショップで機種を変更すると、店舗スタッフが新しい端末に連絡先データを移してすぐに使えるようにしてくれた。一方、スマホの場合はこれらの作業の多くが携帯ショップでは有料となる。

実は初期設定やデータ移行のサポートサービスは、携帯ショップだけでなく、家電量販店も提供している。スマホの設定でつまずいた場合に、どちらを利用するのが得なのかを調べてみた。

ドコモの「初期設定サポート」は一部無料。

まず、各キャリアがショップで提供しているサポートサービスを見てみよう。

NTTドコモはドコモショップおよび「d garden」で、サポートサービス「初期設定サポート」を提供している。対象は、ドコモ回線の契約者かつポイントプログラム「dポイントクラブ」の加入者だ。

ドコモの「初期設定サポート」の紹介ページ
画1、 ドコモの「初期設定サポート」の紹介ページ。

主なサービス内容は3つある。1つは「Apple ID」「Googleアカウント」「dアカウント」などを設定する「アカウント設定」。2つ目は、「ドコモメール」などドコモの各種サービスの設定を支援する「ドコモサービス初期設定」。3つ目は、電話帳、写真、動画、音楽の各データを移行する「データ移行」だ。

ドコモショップやd gardenでスマホを購入すれば、アカウント設定とドコモサービス初期設定は無料で受けられる。データ移行は有料で2200円(税込み、以下同じ)かかる。ドコモオンラインショップや量販店、一般の携帯電話販売店などで購入した機種を持ち込むときは、アカウントの設定、ドコモサービス初期設定、データ移行をまとめて3300円となる。

auは1件1100円から、複数の設定をまとめたパックも用意。

auは2021年2月から有料の「店頭設定サポート」を提供している。アカウント設定やデータ移行など、スマホを使い始める際に必要な設定だけでなく、アプリの利用設定や、スマホに保護シートを貼るサービスなども提供する。

auの「店頭設定サポート」の紹介ページ
画2、auの「店頭設定サポート」の紹介ページ

利用料金は、個別に申し込む場合は1件1100円から。複数のサポートをまとめたパックも用意する。例えばアカウント設定やデータ移行、セキュリティー対策の「ノートンセキュリティ設定」を任せられる「ベーシックパック」は4015円。

最大3つのアプリのアカウント設定を支援する「アプリパック」は2200円。「LINE」「Netflix」「Apple Music」「YouTube Premium」などを対象とする。また、「ベーシックパック」と「アプリパック」をセットにした「コンプリートパック」(5115円)もある。

auだけでなくUQ mobileでも同じサービスを利用でき、「auショップ」「au Style」「UQスポット」など、それぞれの取扱店で申し込める。

ソフトバンクは定額型サポートを9月に開始。

ソフトバンクは2021年4月から有料の「スマホ設定サポート」を提供している。2022年9月14日には、各種のサポートを毎月定額で利用できる「店頭スマホサポート定額」も開始した。

ソフトバンクの「店頭スマホサポート定額」の紹介ページ
画3、ソフトバンクの「店頭スマホサポート定額」の紹介ページ。

店頭スマホサポート定額は月額550円の「ライトプラン」と月額990円の「フルプラン」とがある。ライトプランの契約者は生体認証の設定、メールの設定、データのバックアップなど17種類のメニューを利用できる。「メルカリ設定」など、他社が提供していないものも含まれる。

フルプランの契約者は、17種類に加えて、「データ移行」(個別の場合は3960円)、「フィルム貼り」(同1100円)、「コーティング」(同1100円)の3つのサポートも定額料金で利用できる。さらに、継続利用特典を12カ月ごとに受けられる。特典は5000円相当のスマホ用アクセサリークーポン、または2000円相当のPayPayポイントだ。

どちらのプランでも定期的(1年目は4回、2年目以降は2回)にスマホの点検とOSアップデートの確認をしてもらえる。サポート内容は大手3キャリアの中で最も充実していると言っていいだろう。

ヤマダデンキやビックカメラも有料サポート。

例えばヤマダデンキは「スマートフォン・タブレット トータルサポート」と呼ぶサービスを提供する。

スマートフォンの初期の環境設定やアドレス帳の移行、アプリのインストールなどのサポートメニューを用意する。「スマートフォンはじめてパック」(4400円から)のように、複数のサポートをまとめたパックも用意している。

ヤマダデンキの「スマートフォン・タブレット トータルサポート」の紹介ページ
画4、ヤマダデンキの「スマートフォン・タブレット トータルサポート」の紹介ページ。

ビックカメラは「スマートフォンサポートメニュー」というサービス名で、24項目の基本設定のサービスを提供する。「初期設定」「SIMカード設定」「アカウント設定」(各2200円)などだ。やはり複数のサポートをセットにしたパック(3300円から)を用意する。「Zoom」などのミーティングアプリの利用をサポートするメニュー(1100円から)もそろえる。

ビックカメラの「スマートフォンサポートメニュー」の紹介ページ
画5、ビックカメラの「スマートフォンサポートメニュー」の紹介ページ。

携帯ショップより割高だが3つの利点がある。

量販店の有料サポートは、携帯ショップよりも割高な傾向にある。しかし利点がいくつもある。1つは、携帯ショップよりもメニューが豊富な点だ。アプリのインストールや無線LANの接続設定、SNS(交流サイト)の利用登録など、キャリアによっては提供していないサポートを利用できる。携帯ショップで初期設定をしてもらって、量販店で追加のサポートを利用するといった具合に使い分ける手もありだろう。

2つ目は、幅広い機種でサポートを受けられることだ。各キャリアの機種はもちろん、SIMフリーのスマホでも応じてもらえる。携帯ショップや他の量販店、小売店で購入したスマホも持ち込める。大手キャリアのブランドながら携帯ショップでサポートを受けられない「ahamo」「povo」「LINEMO」のユーザーにとっても心強い存在となるはずだ。

3つ目の利点は、予約なしで来店しても有料サポートをすぐ利用できる確率が、携帯ショップよりも高いことだ。曜日や時間帯を選べばさほど混雑しておらず、困ったときに素早いサポートを期待できる。待たされることが多い携帯ショップでは、顧客は予約してから訪問することが当たり前になっている。

少し前までは、携帯ショップの手厚いサポートを受けられることが大手キャリアのスマホを使うメリットとして挙げられていた。しかし、サポートサービスが有料になり、そのメリットは薄れてきた。

サポート面で不安があって、ahamo、povo、LINEMO、MVNO(仮想移動体通信事業者)などの格安プランを避けていた人もいるだろう。そんな人にこそ、量販店の有料サポートの利用を検討することをお勧めしたい。

店頭スマホサポート定額の対象は、今のところソフトバンクの契約者に限られる。「ソフトバンクショップ」で利用可能。2023年には「ワイモバイルショップ」での提供も予定する。

楽天モバイルは操作方法を何回でも教える定額型メニューを用意。

楽天モバイルは、「楽天モバイルショップ」で利用できる有料サービスとして「あんしん操作サポート」(月額550円)と、「データ移行サポート」(1回当たり1100円から)を提供する。

あんしん操作サポートは、楽天モバイルが取り扱うスマホやアプリの操作方法をショップで何回でも教えてもらえるサービス。データ移行サポートは、Apple ID、Googleアカウントの移行(1100円)、LINEのデータ移行(1650円)、スマホに保存した電話帳や写真などの移行(2200円)に対応する。初期設定のサポートは提供していない。

楽天モバイルの「あんしん操作サポート」の紹介ページ
画6、楽天モバイルの「あんしん操作サポート」の紹介ページ。

ここまでは携帯キャリア4社のサポートを見てきたが、一部の家電量販店もスマホの初期設定などを有料で支援するサービスを手掛ける。内容や料金体系の違いはあるのだろうか。


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