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Word で 作る、縦書き文書 の お悩み解決。

◯ 覚えておきたい必須テク。

 Wordで縦書きの文書を作ろうとすると、数々のトラブルに見舞われて困ることがある(図1)。1行が極端に長くなったり、半角文字が横に寝てしまったり、ルビが正しく表示されなかったり……。今回は、縦書きで起こりやすい問題をピックアップして、手早く解決する方法を紹介しよう。

図1 Wordの縦書き文書にはトラブルが付きもの。1行が長くなりすぎたり、半角文字が横に寝てしまったり、ルビを振った文字列がきれいに表示されないこともある。これらの問題を解決し、縦書きの文章をきれいに表示するテクニックを紹介しよう
図1、Wordの縦書き文書にはトラブルが付きもの。1行が長くなりすぎたり、半角文字が横に寝てしまったり、ルビを振った文字列がきれいに表示されないこともある。これらの問題を解決し、縦書きの文章をきれいに表示するテクニックを紹介しよう。

 作例は、短歌コンクールの募集チラシ。日本の伝統的なテーマで、実際の和歌も掲載するチラシなので、縦書きにしたほうが内容をアピールできる。

段組みで区切ると読みやすい 半角文字は全角文字に一括変換。

 縦書きの文書を縦向きのA4用紙で作成するときは、段組みのレイアウトを検討しよう。1行が長くなりすぎるのを防げる。会報などで長文を表示する場合は、4段組み程度にするといいだろう。新聞や雑誌でおなじみのレイアウトで、文章が読みやすくなる。チラシの文字列は、タイトル部分とコンクールの概要部分に分けられるので、2段組みで表示することにした。

 なお、文字の入力は慣れた横書きのほうが効率的だろう。作例でも、横書きで文字列を入力し、フォントや文字サイズ、段落スタイルをある程度整えておいた。この横書きの文書を開いて、作業を開始しよう。

 まず、ページ全体を縦書きの2段組みに変更する(図2)。文字方向を縦書きにすると、用紙が自動的に横向きになるので、必ず縦向きに戻しておくのが設定のポイントだ。

図2 横書きで作成した文書を開き、「レイアウト」タブの「ページ設定」ボタンをクリック(1)(2)。表示される画面の「文字数と行数」タブを開き、「方向」を「縦書き」、「段数」を「2」に設定する(3)~(5)。「余白」タブを開き、「印刷の向き」を「縦」にして、余白を設定する(6)~(8)。ここでは左右の余白を「10mm」に変更した。「OK」ボタンをクリックすると、ページが縦書きの2段組みになる(9)(10)
図2、横書きで作成した文書を開き、「レイアウト」タブの「ページ設定」ボタンをクリック(1)(2)。表示される画面の「文字数と行数」タブを開き、「方向」を「縦書き」、「段数」を「2」に設定する(3)~(5)。「余白」タブを開き、「印刷の向き」を「縦」にして、余白を設定する(6)~(8)。ここでは左右の余白を「10mm」に変更した。「OK」ボタンをクリックすると、ページが縦書きの2段組みになる(9)(10)。

 編集画面に戻ったら、コンクールの概要部分を2段目に送り、全体のバランスを確認する(図3)。段の幅(縦書きでは高さ)や段の間隔は自由に変更できるので、レイアウトに応じて調節しよう。作例では、段の間にQRコードやURLを表示する。そこで、1段目を30字、2段目を26字に変更し、段の間隔を広げた(図4)。

図3 2段目に移動する文章の冒頭にカーソルを移動し、「Ctrl」+「Shift」+「Enter」キーを押す(1)。改段され、カーソル以降が2段目に送られる(2)。2段目の冒頭にカーソルを置いたまま「Back Space」キーを押すと改段は解除される
図3、2段目に移動する文章の冒頭にカーソルを移動し、「Ctrl」+「Shift」+「Enter」キーを押す(1)。改段され、カーソル以降が2段目に送られる(2)。2段目の冒頭にカーソルを置いたまま「Back Space」キーを押すと改段は解除される。
 
図4 「レイアウト」タブの「段組み」メニューを開き、「詳細設定」を選ぶ(1)~(3)。表示される画面で「段の幅をすべて同じにする」のチェックを外す(4)。1段目の「段の幅」を「30字」、2段目を「26字」に変更(5)。「間隔」は自動的に変更される(6)。「OK」ボタンをクリックすると、1段目と2段目の高さが変わり、段の間隔も広がる(7)(8)
図4、「レイアウト」タブの「段組み」メニューを開き、「詳細設定」を選ぶ(1)~(3)。表示される画面で「段の幅をすべて同じにする」のチェックを外す(4)。1段目の「段の幅」を「30字」、2段目を「26字」に変更(5)。「間隔」は自動的に変更される(6)。「OK」ボタンをクリックすると、1段目と2段目の高さが変わり、段の間隔も広がる(7)(8)。

 このように、段の幅は段ごとに設定できる。幅はページの上下余白によっても変化するので、文書に合わせて設定を工夫しよう。

 縦書きの文章では、半角文字が横向きに寝てしまうのも大きな問題。Wordでは、文書内の半角文字だけを検索して選択できるので、まずは修正が必要な箇所を確認する(図5)。

図5 「ホーム」タブの「編集」グループにある「検索」メニューから「高度な検索」を選ぶ(1)~(3)。表示される画面で「オプション」ボタンをクリック(4)(5)。画面が拡張されたら「ワイルドカードを使用する」をチェックして、「特殊文字」メニューから「範囲内の1文字」を選択する(6)~(8)。「検索する文字列」欄に「[-]」が表示されるので、「ハイフンの前に「¥!」、後ろに「~」を半角で入力して[¥!-~]」と表示(9)。「検索する場所」メニューから「メイン文書」を選ぶと、文書内の半角文字だけが選択される(10)~(12)
図5、「ホーム」タブの「編集」グループにある「検索」メニューから「高度な検索」を選ぶ(1)~(3)。表示される画面で「オプション」ボタンをクリック(4)(5)。画面が拡張されたら「ワイルドカードを使用する」をチェックして、「特殊文字」メニューから「範囲内の1文字」を選択する(6)~(8)。「検索する文字列」欄に「[-]」が表示されるので、「ハイフンの前に「¥!」、後ろに「~」を半角で入力して[¥!-~]」と表示(9)。「検索する場所」メニューから「メイン文書」を選ぶと、文書内の半角文字だけが選択される(10)~(12)。

 図5右上の画面で「検索する文字列」に入力した「[¥!-~]」は、記号を含めた半角文字を検索するワイルドカードだ。「検索する場所」を「メイン文書」にすると、文書内の半角文字がすべて選択される。なお、テキストボックス内の文字、連番の数字は除外される。

 横向きの半角文字は、全角文字に変換すると縦向きになる。ここでは、「文字種の変換」機能を使って一気に変換した(図6)。

図6 「ホーム」タブの「文字種の変換」メニューから「全角」を選ぶ(1)(2)。選択中の半角文字が全角文字に変わり、縦向きになる(3)。なお、半角文字の位置確認が不要なら、文書内のすべて(または一部)の文字列を選択して「文字種の変換」メニューから「全角」を選んでもよい。これにより、範囲内の半角文字だけが全角文字に変わる。ただし、半角スペースも全角スペースに変わるので注意しよう
図6、「ホーム」タブの「文字種の変換」メニューから「全角」を選ぶ(1)(2)。選択中の半角文字が全角文字に変わり、縦向きになる(3)。なお、半角文字の位置確認が不要なら、文書内のすべて(または一部)の文字列を選択して「文字種の変換」メニューから「全角」を選んでもよい。これにより、範囲内の半角文字だけが全角文字に変わる。ただし、半角スペースも全角スペースに変わるので注意しよう。

2桁数字は「縦中横」で並べる 連番や記号も縦書きの仕様に。

 横向きの半角文字は、「縦中横」という機能で縦向きにすることもできる。「11」「15」のような2桁の数字は、全角にして縦に並べるより半角のまま横に並べたほうが見やすい。全角に変えた数字を、半角に戻してから設定しよう。

 残念ながら、2桁の数字だけを検索するワイルドカードはない。ここでは手動で選択し、半角に戻した(図7)。あとは「縦中横」を使って、縦向きの横並びにすればよい(図8図9)。

図7 2桁の数値をすべて選択する(1)。2つめ以降は「Ctrl」キーを押しながら選択しよう。「文字種の変換」メニューから「半角」を選び、全角の数字を半角に戻す(2)
図7、2桁の数値をすべて選択する(1)。2つめ以降は「Ctrl」キーを押しながら選択しよう。「文字種の変換」メニューから「半角」を選び、全角の数字を半角に戻す(2)。
 
図8 横向きの「11」を選択し、「ホーム」タブの「拡張書式」メニューから「縦中横」を選ぶ(1)~(3)。「行の幅に合わせる」がチェックされているのを確認し、「OK」ボタンをクリック(4)(5)。選択した「11」が縦向きの横並びになる(6)
図8、横向きの「11」を選択し、「ホーム」タブの「拡張書式」メニューから「縦中横」を選ぶ(1)~(3)。「行の幅に合わせる」がチェックされているのを確認し、「OK」ボタンをクリック(4)(5)。選択した「11」が縦向きの横並びになる(6)。
 
図9 同様に、ほかの横向きの文字列も縦向きにする。「10」のように、同じ文字列が複数ある場合は「すべて適用」ボタンをクリックし、表示される画面で「すべて変更」ボタンをクリックする(1)(2)。これで、すべての「10」が縦向きの横並びになる
図9、同様に、ほかの横向きの文字列も縦向きにする。「10」のように、同じ文字列が複数ある場合は「すべて適用」ボタンをクリックし、表示される画面で「すべて変更」ボタンをクリックする(1)(2)。これで、すべての「10」が縦向きの横並びになる。

 見出しの行頭に振った連番の数字は、「段落番号」メニューから全角の番号を選び直せば縦書きになる(図10)。作例では「①②③」の丸数字に変えたが、漢数字も選べる(図11)。

図10 連番を振った段落内にカーソルを移動し、「ホーム」タブの「段落番号」メニューを開く(1)(2)。「番号ライブラリ」から、縦書きになる全角の連番を選ぶ。漢数字など、振りたい連番がない場合は「新しい番号書式の定義」を選ぶ(3)
図10、連番を振った段落内にカーソルを移動し、「ホーム」タブの「段落番号」メニューを開く(1)(2)。「番号ライブラリ」から、縦書きになる全角の連番を選ぶ。漢数字など、振りたい連番がない場合は「新しい番号書式の定義」を選ぶ(3)。
 
図11 「番号の種類」メニューから利用したい番号を選ぶ(1)。ここでは漢数字「一,二,三…」を選んだ(2)。「番号書式」に「一」が表示されたら、後ろのピリオドを削除する(3)。「OK」ボタンをクリックすると、連番が漢数字に変わる(4)(5)
図11、「番号の種類」メニューから利用したい番号を選ぶ(1)。ここでは漢数字「一,二,三…」を選んだ(2)。「番号書式」に「一」が表示されたら、後ろのピリオドを削除する(3)。「OK」ボタンをクリックすると、連番が漢数字に変わる(4)(5)。

 順番が重要でなければ、箇条書きの記号に変えてもいいだろう。記号の種類や文字サイズも吟味すれば、装飾の効果が高まる(図12図13)。

図12 連番を振った段落内にカーソルを移動し、「ホーム」タブの「箇条書き」メニューを開く(1)(2)。「行頭文字ライブラリ」から、縦書きになる記号を選ぶ。ほかの記号を付ける場合は「新しい行頭文字の定義」を選ぶ(3)。表示される画面の「記号」ボタンをクリックし(4)、一覧画面から記号を選ぶ[注1]。文字サイズは「文字書式」ボタンをクリックして指定する(5)。ここでは16ポイントにした。「OK」ボタンをクリックする(6)
図12、連番を振った段落内にカーソルを移動し、「ホーム」タブの「箇条書き」メニューを開く(1)(2)。「行頭文字ライブラリ」から、縦書きになる記号を選ぶ。ほかの記号を付ける場合は「新しい行頭文字の定義」を選ぶ(3)。表示される画面の「記号」ボタンをクリックし(4)、一覧画面から記号を選ぶ[注1]。文字サイズは「文字書式」ボタンをクリックして指定する(5)。ここでは16ポイントにした。「OK」ボタンをクリックする(6)。
 
図13 行頭に16ポイントのクリップ記号が表示される[注2]
図13、行頭に16ポイントのクリップ記号が表示される[注2]。
 
[注1]作例では、表示される画面で「フォント」に「Segoe UI Symbol」、「種類」に「私用領域」を指定し、一覧からクリップの記号を選んだ。
 
[注2]作例では、クリップの記号が段落の先頭からはみ出して表示されたが、段の間隔が狭いレイアウトでは上部が切れる場合がある。

 縦書きの文章には、ルビ(ふりがな)を振ることも多い。作例では、縦書きのテキストボックスに入力した和歌の漢字にルビを振った(図14)。

図14 縦書きのテキストボックスに短歌を入力(1)[注3]。ルビを振る文字列を選択し、「ホーム」タブの「ルビ」ボタンをクリック(2)(3)。「対象文字列」と「ルビ」の表示が正しいか確認し(4)、必要な書式設定をする。ここでは「サイズ」を「7」に変更した(5)。「OK」ボタンをクリック(6)。同様にほかの漢字にもルビを振る
図14、縦書きのテキストボックスに短歌を入力(1)[注3]。ルビを振る文字列を選択し、「ホーム」タブの「ルビ」ボタンをクリック(2)(3)。「対象文字列」と「ルビ」の表示が正しいか確認し(4)、必要な書式設定をする。ここでは「サイズ」を「7」に変更した(5)。「OK」ボタンをクリック(6)。同様にほかの漢字にもルビを振る
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[注3]テキストボックスは、本文から独立した文字枠。サイズや位置、色などのスタイルを自由に設定できる。横書きと縦書きがあり、「挿入」タブの「図形」メニューから選んで作成する。図1左上の作例のURLは、横書きのテキストボックスに入力して配置した。

 なお、ルビを振ると行間が広がることがある。行間を詰めたり、ルビのない行と間隔を揃えたりする場合は、行間を固定値で指定しよう(図15上)。

図15 テキストボックスの枠線部分をクリックして全体を選択し、「ホーム」タブの「段落の設定」ボタンをクリック(1)(2)。表示される画面の「インデントと行間隔」タブで「行間」を「固定値」にして、「間隔」にポイント数(ここでは「26 pt」)を指定する(3)(4)。「体裁」タブを開き、「文字の配置」メニューから「英字下揃え」を選んで「OK」ボタンをクリックする(5)~(7)。これでルビと文字列がバランス良く配置される(8)
図15、テキストボックスの枠線部分をクリックして全体を選択し、「ホーム」タブの「段落の設定」ボタンをクリック(1)(2)。表示される画面の「インデントと行間隔」タブで「行間」を「固定値」にして、「間隔」にポイント数(ここでは「26 pt」)を指定する(3)(4)。「体裁」タブを開き、「文字の配置」メニューから「英字下揃え」を選んで「OK」ボタンをクリックする(5)~(7)。これでルビと文字列がバランス良く配置される(8)。

 固定値の「間隔」は、和歌の文字サイズ(14ポイント)とルビのサイズ(7ポイント)の合計より大きければいいので、ここでは26ポイントにした。ただ、縦書きでは文字列とルビの間に空きができ、行の左右が切れることがある。その場合は、「文字の配置」を「英字下揃え」にしてみよう(図15下)。これでルビを振った行は正しく表示される。


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