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厳選 スマホ アプリガイド。②

◯ 手軽に俳句を作成できるスマホアプリ、芭蕉気分で散歩を楽しもう。

(写真:伊藤朝輝)
                                                 (写真:伊藤朝輝)

 

 2024年5月15日に米Apple(アップル)から発売された「iPad Air(M2)」は、「11インチモデル」と「13インチモデル」の2モデルを用意している。これまでは「iPad Pro」にしかなかった13型クラスの大型ディスプレーを、iPad Airでも選択できるようになった。

 iPadは買い替えサイクルが比較的長い製品の1つだ。筆者は2018年に購入した12.9型ディスプレー搭載iPad Pro(第3世代)を最近まで使っていた。6年も使っているうちに、気がつくと新型のiPad Airのほうが圧倒的に性能が良いという状況になっていた。

 また、2025年に提供予定のアップル製AI(人工知能)「Apple Intelligence」を利用するには、「M1」以上のSoCが必要だと発表された。それもあって、古いモデルからの買い替えを検討するユーザーは、意外に多いのではないだろうか。

 そこで今回は12.9型ディスプレー搭載iPad Pro(第3世代)との比較を交えて、iPad Air(M2)をレビューする。

13インチモデルのカラバリは新鮮。

 今回は、レビューのためにApple Japanから借りた13インチモデルiPad Air(M2)を試用した。「Wi-Fi+Cellular」でストレージは1TB。本体カラーはブルーだ。

 iPad Proのカラーバリエーションは、シルバーとスペースグレイ(現在のiPad Proはスペースブラック)の2色しかなかったので、13インチモデルのブルーは見た目に新鮮だ。他にはスペースグレイ、スターライト、パープルがある。これは11インチモデルでも同様だ。意外に思うかもしれないがシルバーはない。どの色も落ち着いた印象なので、ビジネスシーンで使用しても違和感はない。

左がスペースグレイの12.9型ディスプレー搭載iPad Pro(第3世代)。右がブルーの13型ディスプレー搭載iPad Air(M2)。ブルーでも比較的落ち着いた色である
画1、左がスペースグレイの12.9型ディスプレー搭載iPad Pro(第3世代)。右がブルーの13型ディスプレー搭載iPad Air(M2)。ブルーでも比較的落ち着いた色である。

 背面を比較した写真を見ると、iPad Air(M2)とiPad Pro(第3世代)のきょう体はほぼ同じであることが分かる。iPad Pro(第4世代)以降は背面カメラが2つになったため、背面カメラが1つのiPad Pro(第3世代)のきょう体が採用されたのは1世代限りだった。今回、7年越しにiPad Air(M2)で復活したことになる。シンプルでカジュアルな印象はiPad Airによく合う。

iPad Air(M2)の背面カメラは1つ。Wi-Fi+Cellularモデルには電波を通過させるための樹脂製のアンテナラインが上下にある。Wi-Fiモデルにはない
画2、iPad Air(M2)の背面カメラは1つ。Wi-Fi+Cellularモデルには電波を通過させるための樹脂製のアンテナラインが上下にある。Wi-Fiモデルにはない。

 iPad Air(M2)は13インチモデルあるいは11インチモデルと呼ばれているが、実際に搭載されているディスプレーはそれぞれ12.9型と10.86型だ。iPad Proのラインアップと整合性を取るため「13インチモデル」「11インチモデル」とされている。なおiPad Proに搭載されているディスプレーは、モデルの表記と同じサイズである。

NPU性能はiPad Pro(第3世代)の約3.8倍。

 iPad Air(M2)は、搭載するストレージを128GB、256GB、512GB、1TBの4種類から選択できる。前モデルのiPad Air(第5世代)は64GBと256GBだった。今回は最小容量が引き上げられ、さらに大容量の512GBと1TBが追加された。パワフルなAppleシリコン「M2」を搭載したiPad Airは、カジュアルな用途以上にも十分使えるため、iPad Pro並みにストレージ容量を選択できるようにしたと考えられる。

 M2はiPad Proの前モデル「iPad Pro(第6世代)」に搭載されていたチップだ。これにより、ほぼ1世代前のiPad Pro並みの性能を実現する。公式のアナウンスでは、M1搭載のiPad Air(第5世代)よりも「処理性能は約15%、GPU(画像処理半導体)性能は約25%、メモリー帯域幅は50%拡大」したという。

 筆者のiPad Pro(第3世代)とベンチマークアプリ「Geekbench 6」で比較すると、iPad Air(M2)のほうがCPUスコアでシングルは約2倍、マルチ性能では約2.7倍と、笑ってしまうぐらい大きな差になった。iPad Pro(第3世代)のSoCは「A12X Bionic」である。

「Geekbench 6」でのCPUスコアは、「シングル/マルチ」でiPad Air(M2)が「2593/10013」
画3、「Geekbench 6」でのCPUスコアは、「シングル/マルチ」でiPad Air(M2)が「2593/10013」。
 
iPad Pro(第3世代)のCPUスコアは「1338/3744」
画4、iPad Pro(第3世代)のCPUスコアは「1338/3744」。

 GPUの「Metal」スコアは、iPad Air(M2)が「41498」、iPad Pro(第3世代)が「13071」と約3.2倍。「Geekbench ML」で測定したNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)「Neural Engine」のスコアは、iPad Air(M2)が「7015」、iPad Pro(第3世代)が「1836」で約3.8倍だった。

iPad Air(M2)のGPU「Metal」のスコアは「41498」
画5、iPad Air(M2)のGPU「Metal」のスコアは「41498」。
 
iPad Pro(第3世代)のGPU「Metal」のスコアは「13071」
画6、iPad Pro(第3世代)のGPU「Metal」のスコアは「13071」。
 
iPad Air(M2)のNPU「Neural Engine」のスコアは「7015」
画7、iPad Air(M2)のNPU「Neural Engine」のスコアは「7015」。
 
iPad Pro(第3世代)のNPU「Neural Engine」のスコアは「1836」
画8、iPad Pro(第3世代)のNPU「Neural Engine」のスコアは「1836」。

 GPUとNPUの性能はオンデバイスAIの性能に大きな影響を及ぼす。2025年提供予定のApple IntelligenceはM1以上のSoCが要求される。M2搭載のiPad Air(M2)なら十分だが、M1に満たない古いiPadは買い替えどきだ。

 筆者が趣味で使っているDJアプリ「djay」は、読み込んだ楽曲の波形分析にオンデバイスAIを用いている。iPad Pro(第3世代)では分析で若干待ちがあり、検出されたテンポが曲の途中で乱れることもあった。リアルタイムでタイミングよく楽曲を切り替えていくDJプレイ中にこれが起こるとかなり厄介である。

 iPad Air(M2)でdjayを試したところ、前述の問題は一切発生しなかった。かなり快適にDJプレイができた。実はこのことがあって初めて、iPad Pro(第3世代)に無理をさせていたことが分かった。

筆者が趣味で使っているDJアプリ「djay」。iPad Air(M2)では読み込んだ楽曲の波形分析が速く正確だった
画9、筆者が趣味で使っているDJアプリ「djay」。iPad Air(M2)では読み込んだ楽曲の波形分析が速く正確だ。

新型「Apple Pencil Pro」に対応。

 iPad Air(M2)は、同時に発売された「Apple Pencil Pro」にも対応する。Apple Pencil Proには、これまで以上に手書きを快適にする新機能が搭載されている。

 例えば、Apple Pencil Proの軸を強めにつまむ「スクイーズ」という操作で、ペン先の近くにパレットや操作メニューが表示される。通常は画面上部にあるメニューまでペンを動かして選択しなければならないが、Apple Pencil Proはその必要がない。また軸をつまんだ際に、「ペコッ」という軸を押し込んだような触覚フィードバックがあるのも面白い。

 従来のダブルタップにも触覚フィードバックで応答があるので、実行されたことが指先で確実に分かるようになった。

Apple Pencil Proの軸を少し強めにつまむ「スクイーズ」で、画面にパレットが表示される。画面に触れる前にペン先の形が画面に現れる「ホバー」にも対応
画10、Apple Pencil Proの軸を少し強めにつまむ「スクイーズ」で、画面にパレットが表示される。画面に触れる前にペン先の形が画面に現れる「ホバー」にも対応。

 また軸を回転させて、ペン先の向きを変えながら描画ができる「バレルロール」という新機能も利用できる。万年筆を模したペンなどは、ペン先の向きに応じた太さの線が引ける。ペンでの表現がより豊かになる。カリグラフィーなどにも向いているだろう。

 従来の「Apple Pencil(第2世代)」とMチップ搭載iPadで実現していた「ホバー」にも対応する。これはペン先が画面に触れる前にペン先の形を画面に表示する機能だ。正確に書き込みができるとともに、ペン先の向きもあらかじめ確認できるためバレルロールとの相性も良い。

 残念ながらApple Pencil Proは、iPad Air(M2)とiPad Pro(M4)にしか対応していない。しかし個人的にはApple Pencil ProのためにiPad Air(M2)をお薦めできる。それほど手書き環境が快適になると感じた。直販価格はApple Pencil(第2世代)と同じ2万1800円。「Pro」は「第2世代」よりも多機能なのに価格は同じなのかと思うかもしれない。実は新型iPadが登場したタイミングで価格改定され、既存のApple Pencilは1000円または2000円値上げされている。

Apple Pencil Proの新機能「スクイーズ」はアプリによって機能が異なる。写真は「メモ」「フリーボード」などの標準アプリの例
画11、Apple Pencil Proの新機能「スクイーズ」はアプリによって機能が異なる。写真は「メモ」「フリーボード」などの標準アプリの例。

iPad Air(M2)の13インチモデルは誰にお薦め?

 iPad Air(M2)が発表されたイベントで「iPad AirはiPad Proに最初に搭載した先進的な機能の数々を、より手頃な価格でお届けできるようにつくられています」と紹介された。その通りなのだが、これまでアップル自身がそのような表現をすることはなかった。

 今やiPad Pro(M4)のほうが軽くて薄いため、これまで「軽くて薄い」を表現していた「Air」の立ち位置をさりげなく変更しようと考えたのではないだろうか。

 iPad Air(M2)にはiPad Pro(第6世代)の頭脳がそっくり移植されて、搭載ストレージもiPad Pro並みの大容量が用意された。少し前までハイエンドだったiPad Proとほぼ同じ性能が安価に手に入る。かなりの大型アップグレードだといえる。

 またiPad Air(M2)の13インチモデルは、iPad Pro(第6世代)の12.9インチモデルよりも薄くて軽い。これまでの13型クラスの中では薄くて軽いほうなのだ。

 iPad Air(M2)の13インチモデルは、最も安価なストレージ128GBのWi-Fiモデルでも直販価格は12万8800円。安価とは言い難い。それでもApple Pencil Proはかなり魅力的だ。画面の大きなiPadを、手書きデジタルノートやイラストに使いたいと考えているユーザーにお薦めしたい。これまで11型クラスのiPadを学習用端末として使い、手書きノートに慣れ親しんだ人などは特に快適に感じられると思う。

 しかし、型落ちになったiPad Pro(第6世代)の中古市場での値下がりも期待できる。iPad Proシリーズだけが備える上位機能も利用できる。今すぐ必要でないならば、今後の中古販売価格の様子を見るのもよいだろう。


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