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森戸海岸に行ってきた

2009-05-06 16:36:28 | Weblog
久しぶりに森戸海岸に行ってきた。
大学生のころ、私はヨットサークルに所属し、
仲間たちとザリガニのように葉山に棲息していた。
今では、そのサークルは江ノ島に移転してしまい、
我々の汗とよだれと笑い声を吸い込んだ合宿所も
他大ヨット部の看板をぶら下げ、すっかり他人行儀になっている。

森戸海岸は弓なりに広がる広い砂浜で、
小川をはさんで佇んでいる森戸神社や背後に迫る逗子の小山が
緑豊かな風情を添え、海岸線沿いに建つホテルも瀟洒な面持ちを浜に向けている。
海もおだやかな、都心近郊の海岸として3指に入る明媚な場所である。

その森戸海岸の南端に我々はヨットを停めていた。
そのすぐそばにはアスファルトや石畳で舗装されたスペースがあり、
我々のたまり場になっていた。
初夏にはそこで昼寝をした。
練習後はウェットスーツをそこいらに広げて乾かした。
真冬の練習後はヨットを浜に上げると、石段に急行した。
着替えをしてやっと人心地がついた。
自分たちの庭に設けられたテラスであるかのように自由に振舞っていた。

しかし私が卒業してから数年後、
「公の場である砂浜に、勝手に私物を置くことはままならん!」という、
もっともだが唐突な御触れがお役所から発せられた。
ヨットはきれいさっぱり撤去され、後輩ザリガニたちも姿を消すこととなった。

今では海岸端の舗装スペースを子連れの団体がバーベキューなどに利用していた。
10組近くのグループが、テントを張ったり、チェアーやデスクを並べたりして、
めいめいのやり方でお酒やお肉を楽しんでいた。
子供たちははしゃぎ回っている。
近所の住民なのか、車でやってきた人たちなのかわからないが、
浜の南端に設けられたアスファルトのスペースの正しい利用者に違いなかった。

われわれのサークルはこの共有スペースを人数にものを言わせて
一年中占領していたのだ。
いや、一年どころではない。
サークルができてから30年近くの間、我が物顔でのさばっていた。
あのころはまったく気が付かなかったが、
えらくあつかましいことをしていたものだ。
近所の住民はさぞかしうっとおしく感じていたに違いない。
今は正しく公共の場となっている。

しかし、
肌になじんた森戸海岸の石段で、
まったく知らない人たちが思い切りリラックスし、
五月の風と光を満喫している姿をみて、違和感を覚えた。

場所が肌になじむということは独り占めと無縁なことではあるまい。
排他的にその空間を利用できるということが
その場所と人との間に「縁」を結ぶのだろう。
コンビニにあつまるヤンキーしかり、いきつけの屋台で常連ぶるおじさんしかり。
法律上の権利、距離の近さ、人数の多さ。
何らかのアドバンテージを元に我々はどこかを占領し、
そこに憩おうとするものなのかも知れない。



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