まだ、予備校生だったか。電車に遅れる。やばい！駅までは、歩いて、２０分以上。その.まだ真ん中の、大踏切だった。
自分の生まれ、育った街は、今住む、財政破綻の、ど田舎の町とは、かなり違った。戦前の首都防衛を支える軍港の兵站基地だった。巨大な海軍火薬廠の跡地の工場群、競輪場の存在。とても豊かな財政で、首都隣接のＫ県でも、一際、道路網の整備が、進んでいた。市内を通る唯一の鉄道、ＪＲＴ本線の立体化工事もいち早く進められていた。ただ、それが、完成する前だったのだ。
朝の通学時間、ぐずぐずとしているから、ぎりぎりの電車、ぎりぎりの通学だ。Ｔ本線は、当然、国内最大の大幹線。貨物列車も通る。だから、都心の電車に劣らず、結構な、開かずの踏み切りになっていた。あれっ、間に合わないじゃんっ！開かずの踏み切り。朝、手前にも、向こうにも、義務教育以外の学生、遅めの仕事、用足しなどの人々で、いっぱいだった。数十人。
でも、…無理！間に合わない。遮断機を、潜った。行くしか無い！「あっ、あんな悪い奴がいるっ！」おばさんの大声。断罪。で、だからあっ⁉︎関係ねえよ。勝手に、やってんだよ。と、自分。横を見ると、貨物の電気機関車！運転手の顔！やばいっ‼︎さすがに。慌てて、また、向かいの遮断機。潜って、とっとと。小走り。疾走では、反省しているみたいだしね。反省何か、しねえよ。ああ、ろくでなしで結構。こっちは、自己責任で、やってんだよっ！どうでも、いいじゃん‼︎
そんな感じ。でも後々考えれば、もし貨物の機関車に轢かれて、勝手じゃん、とは言えない。死ぬのは、勝手だけど。自分の薄汚い肉片は、華やかに飛び散る。犯罪だし、こんな社会迷惑、死んで許される程、世の中甘く無いとは、思った。あくまで、後々だけど。
それなりに、反省しましたよ。同じことは、二度としなかったし。似たようなことは、結構したかも知れませんが。何度、何十度となく。普段は、大人しく、列には、並びますが。いざ、やばいとなれば、後は、何でもありだろうと。電車を待つ列にも、並びます。並ばない、大陸人。並び始めても、いざ電車が入って来れば、他人を押し除けて、入り口に、殺到する。空港内で、車道を平然と歩きまくる団体の大陸人。ああ、やっぱりな、と呆れ果てた。だけど、結構、同じ思考回路で、並ぶのが苦手な自分も、自覚してます。
本当、日本人って、凄い。自分も、日本人の端くれだけど。真似が、出来ない。いつもいつもは、並べません。隙あらば、ズルを狙ってきたけど、この高齢者になって、時々に痛い思いもしてきて、もうズルも、面倒臭い。
ワクチンなんて、本当、つくづくどうでも良い。向こうから、やって来たら、ちゃんと接種するよ。それで良いでしょ。自粛して、手洗い、徹底して。何しろ、他人に会おうとしないんだから。それで良いでしょ。本当、並びたくねぇーっ。面倒臭くせえーっな…
