確かに、そうだな
あれしろ、これしろ
あれはだめ、これもだめ
あれもこれも
したくなんてないし
あれこれ、だめ出しも
本当、鬱陶しかった
あれが、あゝで
これが、こうでも
痛いのも、痒いのも
おまえなんだし
他人には、関係ないじゃんっ
なんで、いちいち、と
言われたくないよね
早く、おとなになりたいな
確かに、そんな感じだった
そんな感じに
おとなになってみれば
あれしろ、これしろ
あれはだめ、これもだめ
しかも、それだけじゃない
今度は、逆もある
おまえが言う
あれしろ、これしろ
あれはだめ、これはだめ
恨まれながらね
確かに、おまえが
しっかりしない子どもで
友だちには
あれしよう、これはしよう
あれは、よそうよ
これも、よした方がいいとか
あんまり、言えない
そんな子どもだったから
だから、おとかになっても
つまらないおとなで
指図されたり、したり
みんな苦手で
やりつけない、やりたくない
そんなだったんだよね
おまえは
だから、頼りなくて
いつもは、言われっぱなし
たいした事も出来ない
そんなおとなのおまえ
そのおまえがだよ
あゝしろ、こうしろ
あれはだめ、これもだめ
言わなきゃならない
言えってさ
それで、恨まれた
そんなだったと思う
あゝしろ、こうしろ
あれはだめ、これもだめ
言われるも、言うもない
今のおまえ
おまえの今は
まあ、ぽっかり
だけど。ほっこりか…