軽いアルミの雨戸が
激しく、揺さぶられている
今は、まだ
未明だな
雨戸の向こう、遥か
遠く、低い唸り
風の渦だ
台風は、遥か彼方で
進路は、近づくけど
逸れて行く予報だった
予報は、明日は雨で
でも、風は
そんな強くないって
そんな予報だった
だけど、今
風は、ああして
遠く、低く
唸っている
時々、ああして
アルミの雨戸を
また、激しく
叩いてくるけど
でも、それだけじゃない
時折りは、この寝床ごと
いや、家ごとだ
ゆすり上げてくる
自分も、この家も
一瞬で、吹き払う為の
まるで、前触れみたいに
そうだよな
きっと、台風は
温帯低気圧になるけど
昨日の天気予報では
かえって、遠く
風は、吹き荒ぶと
暗く、警告していた
そうだね
この雨戸を叩き
遠く唸る風の渦は
こうして、自分を
叩き起こして
きっと、明日の嵐を
予兆しているのだろう