よろず戯言

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南蔵院

2018-04-25 21:09:45 | 旅行・まち歩き

昨年9月、福岡県篠栗町(ささぐりまち)にある、南蔵院へ行った。

半年以上経ってしまっているけれど、

撮った写真類を眺めていたら、お蔵入りにするのはもったいないと記事にした。

 

尚、同名のお寺が東京を中心に全国各地にあるようだが、

福岡の人間にとって、南蔵院といえば篠栗町にあるここを指すので、

他県の方は違和感があるかれもしれないが、それを踏まえて読んで欲しい。

 

国道201号線、八木山バイパスではなく峠道を、

飯塚から篠栗方面へと向かうと南蔵院がある。

沿線のJR駅にも、城戸南蔵院前という駅が設けられ、

周囲には民宿や食堂、みやげ物屋も点在している。

 

バイパスが無料になるまでは、通勤で毎日 通っていて、

盆やお彼岸では、人でごった返していたし、

篠栗四国八十八箇所という、四国八十八箇所の真似事みたいなものの総本山ということで、

白装束に身を包んだ、お遍路さんもよく見かける。

南蔵院といえば、とにかくでっかい有名なお寺だという認識はあった。

とくに有名なのが、世界一とうたわれていた涅槃(ねはん)像

谷向こうを走るバイパスからだと、巨大なそれが確認できる。

 

そしてもうひとつ有名なのが、住職の宝くじ当選運。

それで一等前後賞の1億3千万円が当たったのをはじめ、

ナンバーズだのロトなんたらだの、とにかく当選しまくりだそうで、

その金運を参拝者にも・・・みたいな感じで、それを売りにして、

大黒様の金運御守や、スクラッチくじ入りのお札を売りだしたりと、

色々と商売上手・・・いや、言い方わるいな・・・。

まあ、以来それにあやかろうと、宝くじ当選を祈願して、

遠方からも参拝客が来るようになり、金運上昇のパワースポットして注目を浴びている。

 

信仰心が厚いわけでも、金運上昇を求めてでもなく、

一度は行って、その世界一の涅槃像とやらを拝んでみたいと思い、

まだ暑さの厳しい9月上旬に行ってみた。

 

南蔵院のすぐ脇にある駐車場は数台しか止められない。

それを知っているから、最初から離れた場所にある駐車場に車を止める。

200mくらい歩くことになるが、大したことない距離。

南蔵院が近付いてきて、道路を渡る歩道橋から、見えてくる涅槃像の頭。

でかい!

 

 

歩道橋を渡り終えて南蔵院の境内に入る。

閻魔様と鬼たちかな?

なんだか物々しい石像が出迎えてくれる。

いや、まだここは境内ではないかな?

まずはみやげ物屋が並ぶ仲見世通りと納骨堂の建物へと入る。

建物の入口には、デフォルメされた涅槃像のキャラクターが描かれている。

名物地蔵まんじゅうと同じひとがデザインしてるな。

 

 

 

仲見世通りの向かいは大規模な納骨堂。

線香の匂いが充満し、お経が絶え間なく聞こえてくる。

黄金仕様の、なんとも豪華絢爛な納骨堂。

うちの近所の寺の納骨堂とは大違いだ。

供養料、きっとケタ違いにお高いのでしょう。

葬儀社スタッフから聞いた話だと、葬儀の際のお布施もケタ違いらしい。

車が買えるね。

 

 

 

仲見世通りを通過して、階段を登る。

いよいよ上に設置されてある、巨大な涅槃像を拝む。

見えてきた!

青空の下 ででーんと横たわる、巨大なお釈迦様の姿。

バイパスから見ていて、でかいのは判っていたが、間近で見ると圧巻だった。

 

 

全長41m,高さ11m,重さ約300t。

ブロンズ製の涅槃像としては世界一の大きさを誇る。

南蔵院が、ミャンマーやネパールの子どもたちへ医薬品の支援していたことで、

ミャンマー国の仏教会から、仏舎利(ぶっしゃり)贈呈を受けて建立したという。

この日、平日だったが、海外の観光客が多かった。

とりわけ、中国や韓国の方が多かったが、東南アジアっぽい方々も見かけた。

足の裏に触れることができ、それに触れて皆 熱心にお参りしていた。

 

足裏の紋様には それぞれ云われがあり、ご利益を得たい場所に触れてお参りする。

 

お釈迦様の巨大な左腕からは、五色の紐が伸びる。

この束を握ってお参りする。

 

 

涅槃像の周りには、無数の羅漢像と365日の舎利塔?が。

“ゆめじぞう”と書かれた、かわいいお地蔵さんもあった。

 

 

ビリギャル曰く、パンチパーマの涅槃像の髪の現物も展示されていた。

単体で見るとウン・・・いや、バチ当たるけん、やめておこう。

 

 

涅槃像をしばらく見学し、いよいよその体内へと入る。

体内には、お釈迦様の仏舎利が収められており、それを間近にお参りすることができる。

入るには別料金が必要で、撮影禁止。

入口でスタッフに料金を支払い、代わりに護摩木(ごまぎ)を渡される。

脇にあるサインペンで願い事を書いて、涅槃像の体内に収める。

ガイドが付き添っての案内となるため、数人ずつひと組で案内されることに。

自分は、女子3人組みと一緒に・・・。

うっひょー!と思ったら、わりとオバサンたちだった。

いかんいかん・・・神聖な場所に行こうってときに、よこしまな考えを抱いちゃあいかん!

 

撮影禁止だったので写真はないが、記憶のなかにある限りで内部の状況を綴る。

体内に入って緩やかなスロープが続く。

その壁には、四国八十八箇所の絵像がずらりと並んでいる。

お寺マニアにはたまらない光景かもしれない。

じんわりと薄暗い照明。

中央付近で脇道に逸れ、螺旋階段のような急な階段を登る。

一方通行で離合もできないくらい狭く、逆戻りは不可能。

 

階段を登りきると、荘厳な一室に入る。

ガラスだかアクリル板だかで覆われたパネルの向こう、

立派な舎利壺?が安置されている。

その壺から伸びて、パネルの外に繋がる無数の紐。

その紐を握りしめ、お釈迦様を感じてお参りすることができるのだ。

ここで入口で祈願を書いた護摩木を置く。

 

1,000円で、ここでしか販売されていない御守りが売られていた。

金運アップのお守りで、お釈迦様の足裏を模した金色のお札が入っているとのこと。

さらにスクラッチくじが一枚封入されている。

運がよければ、これが当たるかも?

女子3人組は、全員これを購入していた。

南蔵院に来る方は、この御守りが主目的のようだ。

わしは・・・買わなかった。

低所得で貧乏だけど、仏様にすがるほど困窮してないからね。

 

出口で羽子板の羽のようなものを3つ手渡される。

出口の先には三体の招き猫。

その前に小さな器があり、2mほど離れた場所から、

その器へ羽を投げ入れ、見事入れば景品がもらえる・・だったっけ?

願い事が叶うってだけだったっけ?

3投チャレンジして、すべて入らず・・・難しいもんだのう。

 

涅槃像の見学は終わったが、南蔵院はこれだけじゃない。

というか、お寺としての南蔵院自体は隣にあるし、

他にも奥の院だとか、神仏一体のような感じで、いろんな仏閣や社が散在する。

せっかくなので、これらも見て回ることに。

 

これ以降は、雑多とした写真とコメント。

色々複合されていて、南蔵院自体、雑多とした感じ。

まとまりがないというか、統一性がなくって、素人でもなんだかなぁ~と感じた。

それが面白いのではあるけれどね。

高野山真言宗を本当に信仰なさっているひとは、

本堂と涅槃像のみの参拝で済ませた方がいいかも。

 

 

魚霊観音とさば大師像

獣魂碑のように、お魚を供養するための像だと思われる。

それにしても、さば大師て・・・。

 

誰が何を思って米を入れるんだよ・・・。

 

 

何の像だったか忘れたが、なんだか洋風の石像。

お供え物を見ると、ジョアが!!

この炎天下に、ジョアをお供えするなよと・・・。

 

 

愛らしいお地蔵さんが並んでいたが、なぜか一体だけ雄たけびをあげていた。

「エイドリアーン!」

 

 

七福神も祀られており、うち毘沙門天。

さすが戦いの神だけあって、供えられていたものもひと味違う。

鬼ごろしにいかり豆、黒豆ガーリック味など、いかにもだ。

だが、それに混ざって、小岩井純水りんご。

上杉謙信も思わず笑うはず。

 

弁財天様は池の中央、小さな祠に。

池にはもちろん、無数の小銭が。

 

大黒天様は、頻繁に参拝客が。

皆、商売繁盛を求めているのだろう。

 

 

三鈷の松

弘法大師が中国から帰って来て、三鈷(さんこ)を投げたら枝に引っかかったという伝承の松。

その葉を持ち歩けば、ご利益があるとされるのだが、樹皮に小銭を挟まんでも・・・。

 

観音様の体型はやわらかで美しい。

 

だから誰が米を入れるのさ?

 

おかかえ地蔵様

好きなお地蔵様を一体選び、願い事をしながらそれを持ちあげる。

軽く感じたならば願い事は成就し、重く感じたならば努力が必要だとか。

どれを選んだのか何を願ったのか覚えていないけれど、

たぶんひとりだけ帽子のないお地蔵さんを抱えたと思う。

 

 

ここが南蔵院の正面入口。

“別格本山”の文字が誇らしげ。

 

 

真言宗なので、御本尊は弘法大師(空海さん)

 

水子地蔵尊

自分にも元妻との間に水子がひとり居るので、

見かけたらお参りするようにしている。

 

 

立派な不動明王像も。

その脇には宝くじが当たった記念碑が。

 

 

二十年前に雷に打たれ、皮が剥がれてしまったが、

そのまましっかりと立っている松。

“雷神様”と名付けられ、今やご神木となっている。

表面には雷神が彫られている。

 

火,水,土、いわゆるエレメントを祀る三宝荒神。

風があったならば・・・ファイナルファンタジーのクリスタルだったのに。

 

 

水かけ地蔵の隣に巨大な招き猫。

これもまた宝くじ当選祈願のため置かれているのだろうが、

やっぱり猫は水が嫌いらしい。

 

無数の羅漢像が並ぶ一角。

 

 

どれも異なる表情で面白い。

 

誰かに似てるな~と思って撮ったけれど、誰だか思い浮かばない。

土田晃之かな?

 

飼い主さんに溺愛されていたと思しきペコちゃん。

 

 

カメヤマローソクのロゴは全国のお寺で見かけるだろうが、ふくやは福岡ならではだろう。

 

 

 

カエルさんもちらほら。

 

フクロウさんも。

 

弘法大師さまも、こんなデフォルメされちゃって・・・。

 

吉田戦車あたりがデザインしたような お地蔵様も。

 

カメサマハ タッテマス・・・。

 

 

石像に混ざって本物のカメもわらわらと甲羅干し。

 

お遍路さんグッズは意外にも高価だった。

 

加害者になったり被害者になったりと死亡事故は絶えないし、

人混みや商店内でも前見て歩いてないし、危ないったりゃありゃしない。

プレイヤーは節度を持って欲しい。

 

駐車場にあった看板。

なんというか昭和なデザインだね。

 

この二ヶ月後に例の問題が噴出するのよね。

白鵬の所属する宮城野部屋の九州巡業部屋は、ここ南蔵院にある。

この部屋の力士たちの食事の光景を見たことがあるが、

白鵬関はひときわデカくて横綱オーラが凄かった。

 

 

駐車場に貼紙されたワゴンRが・・・。

今現在、撤去されたのか、もうなくなっている。

 

涅槃像といえばこれ。

ストリートファイターⅡ、サガットステージ。

タイにあるアユタヤ遺跡の涅槃像がモデルだとか。

 

 

※涅槃像(ねはんぞう)

お釈迦さまが入滅(にゅうめつ:死)した際の姿を像にしたもの。

北向きに横たわり、右手で頭を支えている。

 

※仏舎利(ぶっしゃり)

仏教において荼毘に付された後の遺骨のことを舎利という。

仏舎利は、お釈迦さまの遺骨。

 

※護摩木(ごまぎ)

願い事や先祖の供養などを書く薄く柔らかい木片。

お坊さんが念仏を唱えながら火にくべている(護摩焚き)のがこれ。

自分はこれを受け取る際、「ゴマキ」と聞き間違えた。

加入したばかりの頃の後藤真希はかわいかった。

 

※三鈷(さんこ)

弘法大師(空海)が手にしている仏具。

金剛杵(こんごうしょ)と呼ばれる密教法具のひとつで、両端の銛が三つ叉になっているもの。

どう使うものなのかよく解らないが、読経の際に上下しているような・・・。

 



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