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栗の花

2019-06-08 23:34:28 | 日記・エッセイ・コラム

栗の花

福岡県久山町にて

 

この時期、車で窓を開けて走っていると、ムワッと来るときがある。

街中ではないけれど、峠道や森林公園、雑木林のある場所を走っているとき。

大多数の人は臭い(くさい)と感じる、独特のかぐわしい香り。

大人ならば、あのにおいに例えてしまう。

精液のにおいに。

 

 

久山町にて

 

その精液のにおいによく似た香りを発する犯人、栗の花。

栗の花が精液の匂いと酷似していることは古くから広く認識されていたようで、

それをネタにした逸話や猥談なども存在するようだ。

20年くらい前だったろうか、シンガーソングライターの椎名林檎さんが、

“加爾基 精液 栗ノ花(カルキ・ザーメン・クリノハナ)”という、

ものすごいタイトルのアルバムを発売して衝撃が走った。

歌舞伎町の女王とか勝訴ストリップとか、下剋上エクスタシーとか、

彼女は曲やアルバムタイトルに、なんだか性的なワードを多用していたのが、

ここまでストレートなタイトルは他にないと思う。

 

 

久山町にて

 

においのする場所で、近くを探してみよう。

すると、栗の木があるはずだ。

細長い白い小花の房をたくさん垂らしているのですぐに判る。

近付いて観察すると、花の房にはにおいに釣られてか、たくさんのハチや小虫がたかっている。

藤の花と同様、ブンブンとハチの羽音が聞こえる。

 

 

福岡県飯塚市にて

以下の栗の花の写真、すべて同場所にて撮影。

 

近付けば、においはより一層強烈になると思われるが、それほど強烈ではない、

あのにおいは、何もにおっていないところへ、ムワッと入ってくるから強烈に感じてしまうのだろう。

苦手なひとが多いだろうが、自分はそんな嫌いなにおいではない。

この時期の風物詩として、むしろ好きだったりする。

 

 

 

 

栗の花の雌花(写真中央)

これがイガグリに成長する。

 

秋(というより夏)に咲く季節の花、ワレモコウも栗の花同様、精液のにおいがする。

おそらくは同じにおいを発する成分を含有しているのだと思われるが、

精液自体が含有するにおい成分とは異なるらしい。

精液に含まれる主たる におい成分は、スペルミンと呼ばれる化合物。

まんま精液から名付けられた物質だ。

 

花にいた小さな甲虫。

 

葉の裏でホタルが休んでいた!

昼間のホタルはレアだ!

 

 

 

福岡ではそろそろ栗の花は散り時期。

毎日通勤で通る、栗の花のにおいスポットも、だんだんとそれが弱まってきた。

あの独特の香りも今年はそろそろ終わり。

花房に付いた花は枯れて、白い色が茶ばんできて房ごと落ちる。

房に付いた小花は実は無数の雄花。

房の根元付近にひとつだけある雌花が残り、これが夏の間に成長してイガグリとなる。

秋には大きく膨らんだイガグリが茶色に染まり、割れて中から栗の実が出てくる。

 

 

雄花のアップ

 

つぼみ

 

木の下には昨年のイガが落ちていた。

 

茹でた栗の実。

そういえばあのにおいも、なんとなく花のにおいに似ているかも。

甘栗はうまいし、モンブランもマロングラッセもおいしい。

栗は大好きな秋の実りのひとつ。

栗の花にたかっていた虫たちが受粉させ、秋の実りをもたらしてくれる。

その虫たちをおびき寄せるために、あのにおいを放ってるのかもしれない。

 

 

栗の花のハチミツがあるとのことで、探してみたが近所のお店では見つけられなかった。

パッケージに栗の花も描かれていた、里の野山に咲く複数の花からなるハチミツを買ってみたが、

濃厚でコクがあり、また独特の香りでおいしかった。

純粋に栗の花のみで採取されたハチミツもいつか試してみたい。

 

多数の花のハチミツに混ざって、栗の花由来のハチミツも含有されているようだ。

ちなみにこのハチミツ、120ml入りの小瓶で1,080円!

さすが山田養蜂場。

 

 

栗といえば、このお方。

マリオシリーズでおなじみのザコキャラ、クリボー。

実はキノピオと同じく、キノコ王国の住民で しいたけがモデルなので栗ではない。

ドット絵の見た目が、しいたけでなく栗だったので、クリボーと名付けられたとか。

ちなみにスーパーマリオブラザーズ初登場時には腕があった。

ドット絵で表現できないので後ろ手に組んでいる状態。 

 

 

 

 

 

 

 

 



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