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日本学

日本を学び、日本に学ぶ。のコンセプトに、日本の様々な文化がどういった源流を持つかを明らかにしていく。超マクロな日本論。

なぜ、韓国の人は食べ物を混ぜるのか?

2025-02-07 12:37:31 | 日記
今回は外国の文化から日本文化を知る試みをしていこうと思います。

テーマは、「なぜ、韓国の人は食べ物を混ぜるのか?」。
そもそもどう食べようが個人の自由だし、各国の食文化をとやかく言うつもりはありません。単に疑問を自分なりに検証してみたいということです。

韓国で混ぜる食べ物として有名なのはビビンパ。
そもそも、ビビン(混ぜる)とパプ(ご飯)という意味から来ている「混ぜご飯」で、混ぜなければビビンバではないんですね。
ビビンバは丼にご飯を入れ、その上にナムルや肉、なます、卵などの具を載せた料理で、コチュジャンやごま油などの調味料をかけ、匙でかき混ぜて食べる。
そして、徹底的に混ぜるのが特徴だそうです。
混ぜるというより揉み込んで、お米が調味料にコーティングされるのが良いそうです。

ビビンバの起源はいくつかあって
農耕の手伝いの人々に振舞う食材を野外で一度に混ぜて食べたことに由来する説。
これは、大人数に素早く食事を出すために、ご飯とナムルなどを混ぜて、味をつけたものを供したのが始まりだといいます。
日本でも昔は大人数が集まる場では、ちらし寿司が定番でした。
ただ、混ぜご飯の上にのせた錦糸卵を混ぜて食べるようなことはしませんが。
韓国ではみんなで分け合って食べるのを良しとする文化があるそうなので、混ぜた物を分け合って食べることは、その連帯感の象徴なのかもしれません。

次に、祭祀の際に先祖に供えて残った飯、肉、ナムルを混ぜて食べたという説。
少し時間が経って、味が落ちた場合に強い味を足して混ぜて食べるのは分からなくありませんが、日本ではあまり見られない食文化かもしれません。

そして最後が、奴婢が主人一家の食べ残した惣菜を、飯に混ぜ込んで食べたという説。
日本でも戦後の闇市で、米軍の残飯を鍋に入れて煮込んで売っていたという話を聞いたことがありますので、食べるものがない場合に行われるのを不思議には思いません。

起源については理解できるのですが、それが普段の食事に定着するには何か理由があるんだろうと思います。

韓国では、カレーライスも混ぜて食べる人が多いので、別々に食べたのでは絶対に味わえない、よく混ぜ合わされた味わいがなんとも言えないおいしさなのだそうです。

では、混ぜて食べるのと混ぜないで食べるのをメリット、デメリットで比較してみましょう。

混ぜて食べるメリットは、味が混ざり合って新しい味を作ること、そして最初から最後まで同じ味を食べることができる2点かと思います。
デメリットは個々の味が分かりにくくなる事と味の変化が楽しめない事の2点。
対して、混ぜないメリットは個々の素材の味を楽しめること、そして味の変化を楽しめることでしょう。
例えば、ご飯、ナムル、肉、なます、コチュジャンでできたビビンバを混ぜずに食べると。
コチュジャン味がついたご飯、ナムルとご飯の味、肉とご飯の味などなど、様々な組み合わせの味が楽しめます。そして、全体的な味の評価だけでなく個々の素材の味の評価ができるんです。肉は美味しいけど、なますはいまいちとか。

そこで、混ぜることは個々の素材の良し悪しを分かりにくくしているのではないかという仮説が浮かんできます。

ネットの中にこんな情報が何件か見られました。
口の中で味のない白いごはんを感じるのが嫌だ。

日本人はご飯が好きで、あまり味が付いてなくても白いご飯の甘みを楽しみます。
混ぜご飯が嫌いな訳ではありませんが、薄味で個々の素材の味を大切にするのが和食の特徴です。

この仮説は韓国の方に失礼なものなので、しっかり理由も書かせていただきます。

まず、日本は水がきれいで美味しい国です。韓国もキレイな水だということですが、日本のように水道水を躊躇せずに飲む国ではないそうです。
西洋で紅茶やコーヒーが好まれるのは、水が美味しくないので味が強い飲料が好まれるようになったそうです。
水が美味しくないと薄味の料理は向きません。
ちなみに、韓国では塩味の料理は好まれないそうです。
その影響で、日本でラーメンを食べる時に、塩ラーメンは選ばないとか。
塩味は水の味がストレートに出る料理法です。

次に、お米が日本より美味しくないという意見を聞きます。
韓国の米は、日本の米よりも水分を多く含んでいないので、時間が経つと美味しくなくなるそうです。日本のおにぎりが冷めても美味しいのとは対照的です。
あと、日本に比べて、韓国では米に関する情報が消費者に正確に提供されていないため、「いつものコメ」を習慣的に買う人が多く、一般に流通過程で複数品種のコメがブレンドされ「混合米」として販売されるという事情もあるようです。
日本のように「コシヒカリ」といった品種だけでなく、「南魚沼産」といった産地ブランドまで気にしているのは驚かれるかもしれません。
お米に対する評価や期待が低くなると、五穀米にしたりもち米を混ぜるようなことになってしまいます。

ちなみに、インド料理も混ぜる文化があるようです。
共通するのは、混ぜるのは素材のばらつきを隠すためで、味が濃いのも同じ理由なのでしょう。

なお、日本人の私も卵かけご飯は大好物なので、混ぜることを何でも否定的に考えたくはありません。
そして、韓国は日本より米の消費量が多いそうなので、お米の輸出に日本はチャンスがありそうですね。

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