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日米貿易交渉、6月ヤマ場 妥結急ぐトランプ氏にクギ

2019-05-07 16:12:58 | ニュース

安倍政権は7日、天皇陛下の代替わりに伴う10連休を終え、通常体制に戻った。5月はトランプ米大統領が令和時代で初の国賓として来日する。日米首脳会談で最大の課題は貿易交渉と北朝鮮問題になる。トランプ氏は5日に中国製品への関税引き上げを表明するなど貿易問題への関心は高い。

4月26日の日米首脳会談では貿易交渉を巡りトランプ氏が5月にも合意と発言したが、安倍晋三首相が直接、働きかけて修正した。

日本側は5月に続き6月の20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせてトランプ氏が来日する6月の首脳会談で方向性を示し、参院選後に大筋合意する2段階決着のシナリオを描く。

4月26日、ホワイトハウスでの首脳会談。記者団に公開した冒頭のやりとりで、トランプ氏は貿易交渉が5月に妥結する可能性はあるか、と問われた。答えは「私が日本にいるときまでにできるかもしれない。我々はそこで署名するかもしれない」だった。

2020年の大統領選に向けた選挙戦は、民主党で現時点での最有力候補とされるバイデン前副大統領が出馬を表明し、熱を帯びてきた。トランプ氏が合意を急ぐのはこのためだった。

日本側にとって5月妥結は想定外だ。記者団がひきあげ、通訳だけを交えた1対1の会談になると、首相はすぐトランプ氏に「さっきの5月というのはダメです。日本では夏に選挙がある。その前には妥結できない」と伝えた。

首相はトランプ氏に日本側の政治日程を丁寧に説明した。仮に5月に合意したとしても、関連法案を成立させなければ実現しない。次に国会を開くのは秋以降になる。夏の参院選後に妥結しても大きな違いはない、という内容だ。

首相は「大統領選が来年あることはわかっている。それまでにはちゃんと形にするから安心してほしい」とも約束した。政治家同士、首脳同士のやりとりで最も心に響く話題のひとつは選挙だ。トランプ氏は「シンゾウの言うことは、よくわかった」と応じた。

約45分間の1対1の会談が終わり、閣僚を交えた会合が始まった。ライトハイザー通商代表部(USTR)代表が早期妥結を求めると、トランプ氏が止めに入った。

「いまはそんなに急がなくてもいい。他国に劣後するのは嫌だが、日本側にも事情がある」。1対1の会談を踏まえた援護射撃だった。

首相はライトハイザー氏に「みなさんが業界団体から圧力を受けているように、日本の農業団体も強力だ。急ぐことよりも双方の議会で承認される内容にすることが大事だ」と説いた。「双方に利益となるよう交渉を進めたい」と呼びかけると、トランプ氏はうなずいたという。

帰国後、首相は側近議員に「改めてトランプ氏との関係に自信を深めた」と語った。

だがトランプ氏の会談冒頭でのやりとりから、国家経済会議(NEC)のクドロー委員長らも5月合意は可能、との見方を示した。トランプ氏の態度も、あと2回の首脳会談すべてで同じとは限らない。

トランプ氏は5日、ツイッターで「中国の協議は遅すぎる」として2000億ドル分の中国製品への関税引き上げを突如表明した。これまでトランプ氏自身が「対中交渉は順調に進展している」と主張していただけに、出方は読みにくくなった。

首相とトランプ氏は6日夜、電話で約40分協議した。主に北朝鮮情勢を巡る話し合いだったが、日本政府関係者によると日米間の貿易問題についても、当面は茂木敏充経済財政・再生相とライトハイザー氏で進めると改めて確認した。トランプ氏は電話直後、ツイッターに「安倍首相と北朝鮮や貿易について話した。とても良い話し合いだった!」と投稿した。

首相はワシントンでは会談後にトランプ氏とゴルフをプレーした。5月も日本でラウンドし、大相撲もともに観戦する予定だ。国益のかかる交渉に、首相はトランプ氏と過ごす時間を最大限、確保する。

<日本経済新聞>より


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