政府は2010年度から支給を始める子ども手当について、配偶者からの暴力(DV)を受けている被害者が、子どもを連れて別居するなどしている場合、加害者ではなく、被害者に支給する仕組みを導入する方針を決めた。
手当が子どものために確実に使われるようにするのが目的で、厚生労働省は子ども手当法案の成立後、全国の地方自治体に対して具体的な方法を通知する予定だ。
子ども手当は中学3年生以下が対象で、子どもを監督・保護すると共に生計を同じくしている父母らに支給される。父母が共にいる場合は「生計を維持する程度の高い」方が支給先となり、大半が父親とみられる。
しかし、支給先となる父親がDVの加害者で、被害者の母親が子どもと逃げている場合、「手当は子どものために使われず加害者の遊興費などに充てられる恐れがある」との指摘がDV被害者を支援する弁護士などからあった。
政府が検討している仕組みでは、婦人相談所などが被害証明書を発行したDV被害者とその子どもで、加害者と別居し、国民健康保険に加入していることなどが確認された場合、自治体の権限で加害者への支給を取りやめ、被害者に手当が行き渡るようにする。
また、加害者に行方を隠すため現住所に住民登録をしていない被害者については、被害者自身から自治体に申請してもらうことを検討している。その際は、現住所のある市区町村に対し、保護命令決定書など証明書類の提出が必要となる。
DV被害者を巡っては、09年の「定額給付金」の支給の際、住民登録が出来ずに受け取れない人が相次いだため、被害者に定額給付金と同額を支給する独自の支援策を行う自治体もあった。
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しかし、支給先となる父親がDVの加害者で、被害者の母親が子どもと逃げている場合、「手当は子どものために使われず加害者の遊興費などに充てられる恐れがある」との指摘がDV被害者を支援する弁護士などからあった。
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