諏訪山岳会公式ブログ

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広河原沢右俣3ルンゼ

2024年02月06日 | 八ヶ岳 沢・アイス

ルート:八ヶ岳 広河原沢右俣3ルンゼ

日時:2024年 1月3日  
メンバー:H間、U山

年明け3日に広河原沢3ルンゼに行ってきました。

この日は朝4時に茅野市運動公園駐車場に集合し5時に船山十字路を出発。 
広河原沢には年末にも入りましたが、その時は雪がほとんど無くてまるで秋山を歩いているかのような錯覚を覚えました。
が、この日は少ないながらも雪があって多少は冬山らしくなっていました。 


二俣には年末よりも多くのテントがあって、ちょうど出発しようとするパーティーもいくつかありましたがいずれも左俣に入るようで、右俣に入ったのはわれわれのみでした。

クリスマスルンゼ入口を過ぎるとバイルが活躍する小滝が連続します。いずれもロープは付けずに通過。年末の雨で溶けて登れなくなってるかもしれないと心配していた7m滝も逆に傾斜が緩んで楽勝で通過できました(年末は7m滝手前の左岸側に懸かる氷で遊びました)。

 
<クリスマスルンゼ先の小滝>

 

でも快調に飛ばせたのはそこまで。そこから先は上部からの流雪でトレースが途切れ途切れになり、ラッセルセクションでは八ヶ岳特有の固まらない雪に徐々に体力を奪われました。 


その先、1・2ルンゼ入口の氷柱を横目に3ルンゼに入り、

 
<1・2ルンゼ出合いの氷柱>                      <3ルンゼ下部>

 

いくつか小滝を超えると大滝にご対面。

 
<小滝が続く>                            <大滝>

 

大滝といっても三段構成で平均傾斜は緩いので正直なところ威圧感はありませんが30mほどの長さがあるのでロープを出してH間さんリードで登る。


<大滝の登攀>


H間さんのリード中に2パーティー7名ほどが追い付いてきましたが、うち1パーティーは松本の山岳会パーティーでリーダーの方は長山協絡みで当会会員を何名かご存じとのことでした。

大滝の先でルンゼは二俣に分かれますが、我々は阿弥陀岳ピークになるべくダイレクトに向かうべく左俣へ。(松本パーティは右俣の立った氷に取付いていました。)


<左俣の出だし>

 

左俣の緩いナメ滝を2Pほど登るとルンゼが開けたのでロープを畳みました。そこからは右に行けば南稜P3付近に出られそうでしたが、”なるべくダイレクトに山頂へ” にこだわる我々は左端の急峻な樋状の中に続くナメ滝をたどり最奥の6mの滝もロープを付けずに通過。ただし、この6m滝はそこそこ傾斜もあるし落ちれば滝下のルンゼをけっこう下まで滑り落ちかねないので大事をとってロープをつけて登っても良かったかもしれません。

 
<最後の6m滝>

 

この滝を超えるとルンゼの様子は一変し、氷に代わってガレ、草付き、岩を登るようになりました。そしてそれらの間に現れるラッセルに苦しめながらしばらく行くと見覚えのある広河原正面壁の直下に出ました。

 
<広河原沢正面壁>                         <南稜最後の登りの後続パーティー>

 

そして、そこから少し南稜に回り込むと間もなくして阿弥陀山頂に到着。 ”なるべくダイレクトに頂上へ”というわれわれの目論見はほぼ達成できたと言っていいでしょう。なお、南稜に回り込まずそのまま広河原正面壁(2P)を登れば、それは正真正銘のダイレクトルートですね。そのうちやってみようかな? 

 
<頂上で記念撮影>

 

下りは御小屋尾根を下りましたが途中から天候が急変し下部では少し吹雪かれました。あらかじめ悪天を見越していたとはいえ阿弥陀のピークまで穏やかな天気でラッキーでした。

広河原3ルンゼについては 某ガイドブックに 「傾斜やスケールを求めた厳しいアイスクライミングの対象としては若干物足りないが、ルンゼに入れば急斜面の登高が続き、冬期の頂上をめざすルートとしては一級品である」 とあり、まさにこの言葉通りのルートだったと思います。アイスクライミングを楽しむというよりはアイスクライミング主体の登りで阿弥陀のピークを目指すルートと呼ぶのがピッタリきます。 興味を持った方は、裏同心ルンゼ等を余裕をもってこなせるようになったら、訪れてみてはいかがでしょうか?

 

船山十字路 5:00 ~クリスマスルンゼ出合い 7:15 ~3ルンゼ 10:00 ~大滝 10:30 ~左俣 6m滝 12:40 ~広河原沢正面壁直下 13:25 ~阿弥陀岳頂上 14:10 ~船山十字路 17:30



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