
都市の郊外部や小さな自治体では、最近デマンド型交通の導入が流行っています。デマンドとは「需要・要求」の意味ですが、デマンド型交通は利用者のニーズに合わせて柔軟に運行できる新しい交通手段です。
県内の先進事例は、トップ写真にもある芳賀町の「ふれあいタクシーひばり」。芳賀町には鉄道駅がなく、町内を走る路線バスもルート・本数ともに少ないため、高齢者など交通弱者の移動手段として5年前からデマンド型交通が運行されています。
ふれあいタクシーひばりの場合、利用者が事前登録をすれば1回300円(大人)で8時から17時まで利用できます。利用したい時間と行き先を予約センターに前もって予約することで、オペレーターが利用者を集約し、運行会社に配車を依頼するシステムとなっています。
路線バスの衰退ととってかわるようにして生まれた「デマンド型交通」。宇都宮市板戸地区では来月から本格運行が開始されるなど、広がりを見せています。料金が安い半面、運行の継続には自治体や地域の支援が不可欠でしょうし、既存の交通機関との兼ね合いで、安易に運行範囲を広げられないなど課題もあります。でも、これからは既存の鉄道・バスといった基幹交通とデマンド交通、タクシー、自転車などの末端交通を合わせて総合的な交通計画を立てていくことが望まれるのでしょうね。