WBCで日本が勝ち続けてるみたいだが、俺はあんまり野球に関心ないな。
昔、野球観戦は生活の一部だった。
野球の話をすれば誰とでも話ができたものだ。
今はどうだろ。野球のルールもしらないようなガキがゴロゴロしている。
そもそも俺は原が嫌いだ。現役時代、奴はチャンスに全然打てなかった。
当時、五番を打っていた駒田の方が断然チャンスに強かったが、
原が何故か4番だった。
あの頃から段々野球に興味がなくなってきたような気がするな。
松坂って言うのもあんまりピンとこない。
エースピッチャーっていうのはもっと花がないとな。
イチローぐらいだな、オーラあるの。 調子悪いけどな。
なんか視聴率を強引に作っているとしか思えない。
メディアがいくら煽っても大して数字にならないし、２８％とかいっても瞬間的なもの。
相撲と一緒で八百長臭いというか原みたいなのを4番にしつづけるみたいなのは、
作られた感じがしてやっぱ嫌だな。
今、日本人がそんなに野球に関心をもっているとは思えない。
少なくとも俺は、明日の現場の方が気になるな。
俺は俺の感覚を信じている。
生活保護世帯の方が俺の給料を上回る。
養護学校を出て、大阪でビルの管理人をしたが、
顔が気持ち悪いという理由で,1年半でクビになった。
それから、地元岡山に帰ってガソリンスタンドで働いた。
でも、足し算引き算が苦手だったので即効クビになり、
今度は交通誘導員になった。
警備はクビになることはあんまりない。
クビになったらまた他所の警備会社に行けばいい。
待遇はどこもかわらない。
まず、朝一番、現場監督に怒鳴られる。
作業員に怒鳴られる。
地元民から罵られる。
通行人から激しく詰められる。
サンドバックのような仕事だ。
これで一日7000円。
どうだろ？ 病気になったら死あるのみ。
それでも俺は警備員という仕事を信じている。
雇用促進住宅の家賃は月12000。これを半年滞納している。
この前、役人が取り立てにやって来た。
家賃を払うか退去するか、どっちかにしてくれと言われた。
母親に相談して、結局、サラ金で金を借りることにした。
駐車場の電柱に「スピード融資 審査なし」というのがあったので、
さっさく電話で申し込んだ。
運よく、10万円を借りることができた。
月々15000円の20回払いだ。弟が連帯保証人だ。
俺はその10万円を握りしめ、そのままスナックへ行き、一晩で使い果たした。
俺は金の力を信じている。
小さい頃から、お前どこ見てるんだ？と言われる。
ロンドンと同時にパリが見える。
240度の視界。
マグロ並みだ。
でも、その活用法がわからない。
それでも俺は俺を信じている。
俺の女は、33歳。
八代亜紀似のスケベ女だ。
昼は保険の外交をしている。
夜は行きつけのスナックのチーママ。
俺は給料のほとんどをこのスナックに使っている。
馬鹿高い生命保険にも入った。
この女、俺とほとんど会話しないし、目もあわせない。
無口で恥ずかしがり屋さんだ。
まだ手も触らせない。
それぐらい硬い女なのだ。
俺はこの女を信じている。
